9月の庭の花と映画「日日是好日」

 

f:id:cangael:20190910122659j:plain
f:id:cangael:20190910122738j:plain

玄関先に置いている鉢植えのノボタンの花が毎日次々と咲き続けています。木立性ベゴニアの花も開いて黄色いしべが見えてきました。裏の庭へ出なくなってから3週間ぐらい。その間、雨も降ったりでしたので微熱で何をするのも億劫な私は庭は放ったらかし。一昨日、サンルームのガラス戸越しにトラの尾の花が咲いているのが見えたのでカメラをもって外へ。すグそばには紫紺のアメジストセージも咲いていました。

f:id:cangael:20190910154450j:plain
f:id:cangael:20190910154504j:plain

東南のコーナーにある万両やその北側にあるサルスベリの木を蔦が覆っていたので取り除きました。梅雨入り前だったかアゲハの幼虫に丸坊主にされた山椒の木は新しい葉が出ています。椿の根方には薄紫のヤブランの花が見えています。ついでに鉢物に水やりをして、中に入ることに。ピンクの花はサルスベリの花。

f:id:cangael:20190910154616j:plainf:id:cangael:20190910155157j:plainf:id:cangael:20190910155306j:plain

水曜日はヨーガの日ですが、まだ喉の痛みや違和感、微熱が収まらないので休むことにして、この日は午後行く予定だった映画「日日是好日」を見に、すぐ近くのメープルホールへ行くことに。前売り券を買っていたこともありますし、1日家にいて安静にしていても変わらないので、いいかなと思ったり、母の買い物もあったりで、いつもなら歩く距離ですが暑いので自転車で。

ホール、ほぼ8,9割がた埋まっていました。前の方の真ん中の座席も埋まっているので左横の真ん中よりに座ることに。前日の夜、2時間番組で樹木希林さんが取り上げられていましたので、その影響もあったかも?「おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きる」という、娘の也哉子さんが弔辞で紹介された希林さんの言葉、その通りを生きた素敵な女優さんです。去年の「万引き家族」も今年見た「あん」でも入れ歯を外した老いの姿をさらして映画の中の人物を生きておられました。

さて、この映画、今年の1月に見逃して、代わりに原作の文庫本を偶然手に入れることが出来て読んでいました。作品の人物のたたずまいに三人のキャストの方たちがピッタリです。原作通り、淡々とお茶のお稽古場面が続きます。映像でつづられますのでその分言葉は省かれます。

初心者の頃(今もそうですが)の戸惑いがリアルで、会場からも笑いが起こっていました。お茶の経験者が客席に多かったのかもしれません。武田先生(樹木希林)は表千家の先生ですので私の先生と同じ。武田先生の言葉はそのまま私がお稽古で注意されたことばかりでした。そして、ある日、考えなくても手が自然に動く時が来る。私の場合は月1回のお稽古ですので、5,6年がかりでしたが、そんな一瞬を体験できました。先生は、分かっておられるので辛抱強く、所作が身につくまで教えてくださいます。

24年の間に、典子(黒木華)は大学を卒業、就職に失敗、編集のバイト、婚約者の裏切り、父の死といろんな経験を積みます。一緒に習い始めた従姉妹(多部未華子)は商社に就職、退職してお見合い結婚して子どもを得て…と何事においても先を越されるような順調な人生。でも、”日日”の自然、雨、風、陽に感覚を委ねてお茶を点てる時間はいつも”好日”。ある日、武田先生から、お茶を教えてみたらどう・・・と言われた典子はここが出発点かもしれないと思えて・・・

終わってロビーに貼ってあるポスターの写真を撮って外に出て夫を待っているとき、一人の懐かしい人と目が合いました。40年近く前、PTAの役員でご一緒した大先輩のFさんです。次男がFさんの次男さんと同学年でした。民生委員をしているとき、Fさんは福祉会の方で頑張っておられたので、お顔を合わせることがあったのですが、それももう10年以上も前のこと。

最近、Fさんも同じ先生にお茶を習っておられて、こちらのグループに移りたいと言われるけどダメと先生が断っていると言われていました。お稽古仲間のNさんは敬老会でよく会っておられるので、先生やNさんからご主人を亡くされた後、長男さん一家と一緒に住んでおられることなどを聞いていました。

柵越しに声を掛けたらFさんも寄ってきて下さって少しお話ししました。「お茶を習ってるということは知ってたのよ」と言われたので、「はい、続けています。一緒でおかしかったですね」「思い出したでしょ。はじめはみんな一緒よね」と昔より少しやせられましたが、いつもお洒落で綺麗にしておられて、それは変わらず。「お会いできて良かった、嬉しいです」と私。「誰か待ってるの?」「はい、主人が…」「そう、じゃ、また」「また」とほんの数分でしたが本当にうれしい出会いでした。