ウルトラマンの脚本家と「はじめて恋をした日に読む話」とエランドール新人賞

朝日新聞の17日の記事を切り抜いて持っています。ウルトラマンシリーズの脚本家で

今年になって亡くなられた上原正三さんという沖縄出身の脚本家についての記事です。

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子供向けに作られてる作品でありながら大人の鑑賞に堪える作品になっているものに出会うことがあります。そこにはどうしても伝えたいという脚本家の願いやメッセージが込められており、きちんと伝わっているケースがあるということですね。

🔲つい先日、日本アカデミー賞の優秀賞受賞者の発表があったところですが、今度はエランドール賞の発表が17日にありました。日本アカデミー賞は1978年に始まっていますが、それより古いエランドール賞と言うのは:

日本映画テレビプロデューサー協会が主催し、過去1年の優秀な映画やテレビ作品、俳優、スタッフらを表彰する同賞。新人賞は一年を通じて最も活躍した将来有望な新人俳優に贈られる賞で、'56年の第一回には石原裕次郎高倉健などが選ばれるなど、業界の数ある賞の中でも最も権威のあるものの1つとして注目を集めている

◎昨年末から色んな賞のトップを総なめ状態の横浜流星さん、私も昨年は振り返ってみると相当取り上げてブログに書いているので我ながらちょっと驚いています。その横浜さんがブレイクするきっかけになったドラマ「初めて恋をした日に読む話」は持田あきさんの漫画が原作で連載はまだ続いているそうです。このドラマも高校生と塾講師の15歳の年齢差のあるラブコメディの形をとっていながら、昨年のブログでは親子の葛藤を描いていると書きましたが、ほかにもいろんな見方が出来てなかなか味わい深いドラマだったと今更ながら。

◇出会いの最初、都心のビル群が見える丘の上で春美順子(深田恭子)が由利匡平(横浜流星)のピンク頭に手をやって「無敵ピンク いい色」と言いますが、これがこのドラマの基調です。異様で違反で反逆の色を『いい色』と評価し、若さを『無敵』と讃えるドラマ。常識的大人から外れてみえる順子を匡平(ゆりゆり)は『変な大人』と呼び、いつか自分もその『変な大人』になりたいと願います。このドラマは世間的には不良、異様で異質と思われる少年とその少年を偏見や差別なく受けいれる大人たちとの成長物語です。

順子に思いを寄せる大人の一人、東大出の商社マンの雅司(永山絢斗)も匡平と関わるうちに出世より個人の都合を優先するヘンな大人になりますし、もう一人、匡平の担任の社会科教師山下中村倫也)も変でカッコイイ選択をします。8話は、文部官僚(匡平の父)と政治家(山下の元妻の父)の賄賂をめぐる内容で、教え子とその父親の窮地を担任教師の山下が救います。義父が金を受け取ったことを認める代わりに、義父の地盤を受け継ぐため教師を辞めて秘書になる取引をして、その結果社会的正義をも実現します。ラブコメディなのに…とちょっと驚いた内容でした。最終話、順子と匡平の二人にもピンクハートを貫けるか試練が待っています。

◇このドラマでブレイクした横浜流星さん、思春期の少年の心情をとても繊細かつ的確に表現していました。映画「天気の子」の新開誠監督『思春期』について「好きな人が全然こちらを振り向いてくれない苦しさや、うまくコミュニケーションをとることができないやるせなさ、どこかに運命の人がいるはずだという憧れなど、思春期の感情の痛さ、激しさ……」と書いていますが、「はじこい」の横浜さん演じる由利匡平にぴったり当てはまります。

◇年末には10話一挙再放送があり、地方では今年に入って昼間に再放送が始まっているとか。機会があれば、大人(高齢者?)でも楽しめるドラマだと思うので如何でしょう・・・

◎ドラマはやはり脚本が命。その点、エランドール賞受賞で特に評価された作品として、この「初めて恋をした日に読む話」「チア男子」「4分間のマリーゴールド」の三作品が挙がっている(https://thetv.jp/news/detail/219816/)のは納得です。冬ドラマが始まっていますが、読売テレビの新連続ドラマ、横浜流星さんの人気を当て込んだ視聴率狙いの無駄使い?にならないか心配です。(↓写真は「チア男子」の”晴希”(左)と「4分間のマリーゴールド」の末っ子”藍”) 

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 🔲 新人賞には6人が選ばれています。

🔲ドラマ「はじ恋」の最終回でさえ視聴率は10%に達せず9%台だったと聞いています。またNHK大河ドラマ「いだてん」も過去最低を更新したと話題になったくらいですが、エランドールでは大河に出演した神木隆之介さんと安藤サクラさんが新人賞を受賞していますし、プロデューサー賞も受けています。そして映画「新聞記者」は

特別賞です。テレビドラマが視聴率と関係なく作品本位で評価されているのが嬉しいです:(太字は私が見た作品と俳優さん)

2020年 エランドール賞 受賞作品・受賞者

新人賞:TVガイド賞
神木 隆之介 /1993年5月19日生 埼玉県出身【所属】アミューズ
【映画】「フォルトゥナの瞳」

【テレビ】「いだてん~東京オリムピック」「集団左遷!!」

安藤 サクラ / 1986年2月18日生 東京都出身【所属】ユマニテ
【テレビ】「まんぷく」「いだてん~東京オリムピック噺~
「マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~」

横浜流星/1996年9月16日生 神奈川県出身
【所属】スターダストプロモーション
【映画】「愛唄 -約束のナクヒト-」「L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。」「チア男子!!」「いなくなれ、群青」
【テレビ】「初めて恋をした日に読む話」「あなたの番です -反撃編-」
「4分間のマリーゴールド

清原果耶/2002年1月30日生 大阪府出身
【所属】アミューズ
【映画】「愛唄 -約束のナクヒト-」「デイアンドナイト
【テレビ】「なつぞら」「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」「螢草 菜々の剣」「マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~」「俺の話は長い」湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー」 

吉沢亮/1994年2月1日生 東京都出身
【所属】アミューズ
【映画】「キングダム」
【テレビ】「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」「なつぞら

橋本環奈/1999年2月3日生 福岡県出身
【所属】ディスカバリーネクス
【映画】「十二人の死にたい子どもたち」「キングダム」
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」
【テレビ】「今日から俺は!!

プロデューサー賞田中友幸基金
【映画】「翔んで埼玉」若松 央樹 / 古郡 真也 

【テレビ】「いだてん~東京オリムピック噺~」 清水 拓哉 / 家冨 未央 / 大越 大士

プロデューサー奨励賞
【映画】「蜜蜂と遠雷」石黒 裕亮 /【テレビ】「凪のお暇」 中井 芳彦

特別賞
映画「新聞記者」製作チーム

 エランドール賞|一般社団法人日本映画テレビプロデューサー協会 

◇NHKBSプレミアムでつい最近見た山本周五郎原作「さぶ」は横浜さんと同世代で共演作品もある二人の俳優(杉野遥亮森永悠希)が主役を務めています。ビルの景色から始まり現代の若者に向けてのドラマだとアピールしていますが、本で読んで泣かされたのを思い出しながら一気に見ました。いずれ地上波の総合でも放送されると思います。

◇同じく映画「愛唄-約束のナクヒト」で横浜さんと共演した清原果耶さん主演葉室麟原作「蛍草 菜々の剣」もBSで放送されましたが、NHK総合の「土曜ドラマ」(PM6:05)で放送(4回連続)されますのでおすすめです。

◎映画に行く時間がなかなか作り出せない、本をじっくり読むまとまった落ち着いた時間が取れないと言い訳しながら手近なテレビのドラマをリアルタイムや録画で見るようになりました。一つは9時、10時台のニュース番組をあまり熱心に見なくなった所為でも。時空を超えて自分とは別の人間たちが織りなす人間模様は作品次第で面白いものです。今年も良い作品に出会えますよう。

 ⇒右のチラシは、横浜流星さん3年ぶりの主演舞台となる『巌流島』。オリンピックの期間と重なるように、7月から始まって8月、9月、東京、名古屋、大阪、福岡の公演が予定されています。チケット争奪戦が予想されますが、これも映像化されるのを待つしかないかな・・・

PS:2月6日の授賞式の様子を:

www.youtube.com