◎日本アカデミー賞で最優秀作品賞と主演男優・女優の最優秀賞受賞をきっかけに「新聞記者」の再上映が決まりました。昨年は選挙前でしたが、今回はコロナウイルスで政府の対応の遅さ拙さ、事実が相変わらず知らされないという同じような状況下でこの映画の持つ意味は日々新たかも知れませんね。藤井監督のツィートです。コピーに河村プロデューサーのコメントを追加しました:
藤井道人
@mickbabel 3月12日
映画「新聞記者」
190館もの劇場で追加上映が決定致しました。ありがとうございます。
河村プロデューサーのコメントと、同じ思いです。 https://twitter.com/eiga_natalie/status/1238027337226018816『企画・製作・エグゼクティブプロデュースを担当した河村光庸は「このようなインディペンデント映画を日本アカデミー賞の最優秀賞まで引き上げてもらった多くの映画人の方々に深く感謝いたします」とコメントしている。』
◎1月23日、学生時代の友人3人と我が家でミニ同窓会を予定していました。大阪の一人はここ数年アメリカ暮らし、12月から4月まで日本で暮らすというので1月に集まることに。ところが奈良の一人が一週間ほど前に脳梗塞になり入院。京都の一人が早速お見舞いに駆けつけて様子を伝えてくれました。2月にはリハビリ病院に転院、3月にはお見舞いにと思っていたら、コロナウィルスで出かけられなくなりました。
そこで、本が好きな彼女のために何か絵本でもと思って先日近くの本屋さんへ。絵本コーナーで一渡り見て、選ぶのは難しいと思っていた時目に入ったのが宮沢賢治の名前。宮沢賢治の絵本があるの! 「おきなぐさ」。
あの全身白い産毛でおおわれて俯き加減に咲く
黒くて赤い花の翁草のことでした。
この花は黒繻子(くろじゅす)ででもこしらえた変り型のコップのように見えますが、
その黒いのはたとえば葡萄酒(ぶどうしゅ)が黒く見えるのと同じです。・・・
「おまえはうずのしゅげはすきかい。きらいかい」「大好きです。誰だってあの人をきらいなものはありません」
「けれどもあの花はまっ黒だよ。」
「いいえ、お日さまの光の降る時なら だれにだってまっ赤に見えるだろうと思います。」
岩手では翁草のことを「うずのしゅげ」(おじいさんのヒゲ)と呼ぶそうです。
春に咲いた花は2か月経つと「ふさふさした銀毛の房」になります。
強い風に乗って白い房は北に飛んでいきます。
しかし仲良しだったヒバリが高く舞い上がるのに事寄せて
宮沢賢治はこんな風に書きます。
銀毛は北に飛んで行ったけれどひばりが北へ飛ばなかったのは、
たしかに二つのうずのしゅげの魂が天の方へ行ったからです。
そんなら天上へ行った二つの小さなたましいはどうなったか。
私はそれは二つの小さな変光星になったと思います。
地上にあって黒く見えたり光を透かせば真っ赤に見えるおきなぐさの魂は、夜空にあってある時は黒くて見えず、ある時は赤く光って見える変光星になった・・・見事な宮沢賢治の世界観です。
リハビリ中の友人の慰めになるといいですが・・・
早生まれの彼女の今年の年賀状に「74年生きてきて初めてわかったこともあり」と書いてあったので、1月我が家でその話を聞かせてもらうことになっていました。
つい最近75歳になった彼女から、その話を聞かせてもらう日が楽しみ・・・
さあ、送ろう