『ウィズコロナ、コロナとの共生』ではなくコロナは『排除・棲み分け(ゾーニング=分断)』

最近は『ウィズコロナ』『コロナとの共生』と言うが、経済活動を復活させるため、やむを得ず言っているに過ぎない。気にせず普段通りやりましょう、というムードでは困る」これは、先週の土曜日(11日)だったか?朝日新聞に載ったインタビュー記事の中の一節です。

 私はこれに共感、同意します。常々、自然は手つかずが美しいというのを聞いて、それは違うと思ってきました。手つかずの自然は恐ろしい。山の中の廃屋がわずか1年でどんなことになるか・・・山の中でなくても放置された民家や空き地の植木や草や蔦がどれほどの勢力で覆いつくすか。美しい自然とか景色と言うのは人間の手が入った自然であって、遠目に美しく見えても手つかずの自然は恐ろしいものです。それは動物も一緒。野生の動物は怖い。ペットの動物とは違います。ウィルスだって同じです。

内田樹さんがリツイート

小田嶋隆 @tako_ashi 7月15日

「ウィズコロナ」は「コロナの封じ込めは事実上あきらめました宣言」に聞こえる。「一病息災」だとか「ガンと共存して生きる」みたいなお話から安易に思いついた妥協点なんだろうけど、そのココロはつまるところ「休業やら自粛やらで経済をこれ以上縮小させたくない」という資本の強欲だよね。

🔲人間は自然を征服・コントロールできるという驕りを捨てて、自然に対する畏怖・畏敬を忘れてはいけないと思っていますが、素人考えでものを言っても始まりませんので、朝日の記事「今聞く 生態学者の五箇公一さん コロナとの共生 異を唱える訳はと題するインタビュー記事を紹介です。

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ごか・こういち 1965年、富山県生まれ。国立環境研究所生態リスク評価・ 対策研究室長。農学博士。専門は保全生態学、農薬科学、ダニ学。京都大学大学院修了後、宇部興産を経て環境研に転じる。生物多様性に関する国や自治体の政策に数多くかかわるとともに、ロックファッションでテレビなどのマスコミに頻繁に登場し、環境科学の普及啓発に力を入れている。

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 新型コロナウィルスとの戦いが長引き、「共生」がいわれるようになった。だが、ロックファッションでも知られる生態学者の五箇公一さん(55)は、「排除」の必要性を訴える。人間は自然との距離をどうとるべきか。(編集委員・石井徹)

 🔲途中からですが書き移してみます: 

境界線あっての共生 

彼らの世界荒らす人間社会を変えないと

 

安全取り戻すため

(前略)

 「最近は『ウィズコロナ』『コロナとの共生』と言うが、経済活動を復活させるため、やむを得ず言っているに過ぎない。気にせず普段通りやりましょう、というムードでは困る」

 「新型コロナは知識が追い付かない間に、世界に広がってしまった。感染しても発症しない人が大勢いて、人間社会に残っていれば、高齢者や持病のある人は重篤化する危険にずっとさらされ続けなければならないインフルエンザに比べて圧倒的にコントロールできていないので、排除と言う作戦を取らざるを得ない。ワクチンと新薬の開発を急ぎ、科学の力でコントロールしなければ、安心安全な社会は取り戻せません」

 「共生」は共存共栄も連想する。ウィルスを人間社会から排除した例に、天然痘がある。

 「地球上からウィルスを無くすことは出来ない。本当の『共生』は、彼らのすみかである野生の世界と、人間の世界をゾーニング(分断)して、彼らの世界をこれ以上、荒らさないようにすることです。」

 

破壊ベースの経済

 それは、私たちの経済のあり方にかかっているという。

 「たとえコロナに勝っても、開発や破壊をベースとする経済の構造を変えないと、もっとすごい病原菌やウィルスが出てくる恐れがある今ある資源をいかに循環させて共有していくか、人間社会の変容やパラダイム転換こそが本当の課題です二酸化炭素の排出を抑えても、直ぐに温暖化は止まらないし、異常気象からも逃れられない。暴走する列車に、急ブレーキをかけても惰性で動き続ける。だが、かけなければ脱線して大惨事になる。これを機にSDGs(持続可能な開発目標)などをスタートせざるを得ません」

  生物多様性を評価する国際組織IPBESによると、100万種の動植物が絶滅危機にある現在は、「史上最悪の絶滅の時代」といわれる。その原因は人間活動だ。でも、生物多様性保全が必要なのは、人間自身のためなのだという。

 「希少種が死にそうだから大事にとの論調が多いが、問題は、希少種が絶滅するほど環境が劣化すると普通の生物も数を減らし、生態系機能がまひすること。人間に都合の悪い生物がどんどん増えてしまう。そんな環境になれば、まず一番に影響を受けるのは人間です」

 

丁寧に環境を保つ

 そして、生物多様性から離れた世界にしか生きられないのも人間だと。

 「生き物が身近にいっぱいいるのは、人間にとって必ずしもいいことではありません。食料を取るものも、病気を起こすものもいる。少なくとも家や街の中からは、排除して生きている。自分のすみかを守る意味で、生物学的に当然の反応です。日本の里山だって、生きものと相まみれていたわけではない。人間のエリアに入ってきたものは殺して食べ、下手に奥山に入れば人間が食べられた。境界線があっての共生でした」

 人間のもろさ。それを自覚すれば、コロナ後に進むべき道が見えてくるのかもしれない。

 「自分たちで環境を維持してしか生きられないことを考えれば、もっと丁寧に世界をつくっていかないと長くは保てないその第一歩は地産地消地域ごとに自立した地方分散型社会をつくり、緩やかにつながる。生物学的には『メタ個体群構造』というが、たまに交流して遺伝子をやり取りすることで、全体として安定した進化を繰り返す。人間社会も一緒ですよ。