金曜デモと明るい未来へマルクス・ガブリエル氏と内田樹氏と斎藤幸平氏

★昨日は11月最後の金曜日、いつものように「特別な1日」さんから再稼働反対のデモの様子を:

 と、いうことで感染症の拡大で今週も金曜官邸前抗議はオンラインです。 

★★★引用元のSPYBOYさんのブログのタイトルは:『お皿の上の物語』と『マルクス・ガブリエル氏の講演''New Normality''』 - 特別な1日 (hatenablog.com)

 タイトルにもあるように哲学者のマルクス・ガブリエル氏の講演を聞いた内容を記事にしておられます。(赤字by蛙)

・この人は、80年代から90年代にかけて流行った「全体の構造、関係性の中では全てのものは等価である」という相対主義構造主義を越えて、『世の中には普遍的なものが存在するという新実存主義』という立場を唱えている人です。一言で言うと、『世界には普遍的なものはない、という普遍的なものがある』という風にボクは理解しています(違っていたら教えてください)。

・ガブリエル氏の講演は最初に『ユニヴァーサル・バリュー』(普遍的価値)と『New Normality』(新しい価値基準)についてお話します』、と宣言して話が始まりました。

ぜひ、ブログを訪ねて全文を:『お皿の上の物語』と『マルクス・ガブリエル氏の講演''New Normality''』 - 特別な1日 (hatenablog.com)

🔲コロナ後の世界を考えるツィートがありましたので、ついでに張り付けてみます。

11月8日か9日のツィートですが、なかなかブログで取り上げられなくてもう下旬になってしまいました。読みかけの斎藤幸平著「未来への大分岐」がマルクス・ガブリエルさんの後で止まってしまっています。内田氏の記事の中にも、資本主義、マルクス、コモン、コミューンという言葉が出て来ます。先にこちらの「なぜ日本は自発的に『貧困化』へと向かうのか?」から:

 
@levinassien
 
斎藤さん、『コモンの再生』ご紹介ありがとうございます。今月の凱風館でのご講演と対談を楽しみにしてます。
引用ツイート
斎藤幸平
 
@koheisaito0131
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内田樹さんの「コモンの再生」。柄谷も、内田も、斎藤もみんなアソシエーションとコモン!『人新世の「資本論」』をテーマに凱風館で対談するのが楽しみです。  なぜ日本は自発的に「貧困化」へと向かうのか? 内田樹が語る“日本再建のビジョン”
 

内田 「コモン(common)」というのは、「共有地」のことです。ヨーロッパの村落共同体には、みんなが、いつでも使える共有地がありました。そこで家畜を放牧したり、魚を釣ったり、果実を摘んだり、キノコを採ったりした。しかし、コモンは生産性が低かった。土地を共有していると、誰も真剣にその土地から最大限の利益を上げようと考えないからです。

 それならむしろ共有地を廃して、私有地に分割した方がいい。そういう考えで、コモンが廃され、私有地化したのが「囲い込み(enclosure)」です。その結果、それまでコモンを共同所有してきた村落共同体が空洞化し、私有地は大資本家によって買い上げられ、自営農たちは小作農に転落し、あるいは流民化して、都市プロレタリアートになった。

 たしかにコモンの消滅によって、土地の生産性は一気に向上しました。「農業革命」が行われ、無産化した農民たちの労働力で「産業革命」が実現した。資本主義的にはコモンの消滅は「たいへんよいこと」だったわけです。でも、それは中世から続いて来た村落共同体の消滅という代償によって果たされた。コモンの消滅とともに、村落共同体がもっていた相互扶助の仕組みが失われ、伝統的な生活文化や、祭祀儀礼が消え去った。この惨状を見て、再び「コモンの再生」をめざしたのがマルクスの「コミューン主義」です。

bunshun.jp

bunshun.jp/articles/-/413

🔲そして、斎藤幸平氏の「SDGsは大衆のアヘン」という記事です。確か「宗教はアヘンである」とマルクスが言っていたのですね。社会の矛盾の本質に目を向けないで一時的に心を慰める=誤魔化し・・・という意味で使ったのだったか、それに倣って「SDGsは『大衆のアヘン』である」と!? 

いま世の中が混沌として物事がすっきり見えてこないなか、マルクスの『資本論』の分析や言葉を使って今の資本主義を読み解くと分かり易いし、解決の糸口まで見えてくるということなのでしょうか・・・

内田樹さんがリツイート

 
 
 
斎藤幸平
 
@koheisaito0131
 
『人新世の「資本論」』のインタビューです!後編は明日公開予定。 資本論SDGsは「大衆のアヘン」。資本主義に緊急ブレーキを! gendai.ismedia.jp/articles/-/771 #現代新書

 🔲後編には内田氏も使っておられる言葉「コモン」が出て来ます。後編はこちら:

「効率化」は幸福をもたらさない。〈コモン〉の力で社会変革を!(斎藤 幸平) | 現代新書 | 講談社(1/4) (ismedia.jp)

――斎藤さんは、企業でもなく国でもない〈コモン〉という民主的なつながりで生産手段を共同管理し、労働や、また資源や財産、それこそお金をも皆で運用し合って共有していく共同体の再建を提案されています。それが「脱成長コミュニズム」ですが、新刊にもあるとおり、そうした実践がいま世界中で始まっていますね。

斎藤 はい、〈コモン〉とは、私営でも、国営でもなく、市民がもう一度自分たちの生活に必要なものを自分たちで管理していく、「市民営化」の道を目指す試みです。市民電力でもいいし、公共交通機関の無償化でもいい、給食の無償化・有機野菜利用もそうです。市民の力で、無限の利潤獲得に突き進む資本主義にブレーキをかけるしか、気候変動を止めたり、分断・格差をなくす道はありません

『人新世の「資本論」』がこんなにたくさんの人に読まれている理由もそこにあります。「この本で私が教えている」というより「皆がうすうす感じていたことを言語化したら、反響があった」というイメージです。これは、「啓蒙」ではなく「共感」ですよね。例えば、〈コモン〉の再生を目指す試みは日本にもいろいろあると思います。電気、水、給食、などそれぞれの分野で、バラバラの運動が進んできました。でも、〈コモン〉という概念を使うことで、そうした多様な問題はつながっていて、同じところを目指しているんだという気づきが生まれるはずです。

そして、これから若い人たちが新しい挑戦をするときに、利潤だけでなく、〈コモン〉を追求するプロジェクトを志向するようになってくれたら、と願っています。

――今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、ある意味で社会の不完全さ、おかしさ、ムダを可視化したともいえます。「うすうす感じていた」さまざまなものが鮮明になりました。

斎藤 エッセンシャル・ワークの軽視とブルシット・ジョブの増加、資源の浪費、気候変動まで、コロナ以前から少なからぬ人が感じてきた現代社会の危うさが明らかになっています。でも古い価値観では、対案が出せない。リベラル派の停滞の原因はそこにあるのではないでしょうか。

今こそ、新しい価値観をインストールする必要があります。特に気候変動に関しては、ミレニアル世代やZ世代といった「ジェネレーション・レフト」の若者たちが、変化の必要性への共感を広げています。彼・彼女らの感度に触れて、私も「共感の言論」の必要性を感じ、社会への訴えかけを続けています。

――その上で、「若者から変える」ことも大事ですが、もちろん「大人が変える」ことも大事です。

斎藤 もちろん、若者に希望を託すだけでは、無責任ですからね。私たち大人はジェネレーション・レフトからしっかりと学んで行動を起こし、自分たちの作り出したシステムにきちんと落とし前をつけないといけません。

(取材・文/正木伸城)

(写真は我が家にあるスウェーデンノルウェーの木工品)