「日本人女性はもっと発言すべきだ」レジス・アルノー(仏)編集長(東洋経済)

🔲森氏は、日本女性に「しゃべり過ぎ」だと苦言を呈した。しかし真実は逆だ。日本女性はあまりにも声を上げなさ過ぎる。しかも、大声で叫ぶべき理由は山ほどあるのに、だ。
と日本人女性のためにフランス人男性が日本の「女性たちの置かれた立場」を憂いての一文です:
 
 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
レジス・アルノー(『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京)「フランス人が憂う日本人女性の置かれた『立場』」(東洋経済toyokeizai.net/articles/-/410「2013年9月に、東京が2020年オリンピック大会の開催誘致を確定させたとき、日本の主催者たちは、世界最大のこのイベントが『本当の』
フランス人が憂う日本人女性の置かれた「立場」 | 政策
しゃべり過ぎる人のことを「女性」と認識するのであれば、森喜朗氏は間違いなく「女性」だ。先週、東京五輪パラリンピック組織委員会会長である同氏は、「女性の理事を
やしていく場合は、発言時間をある程度規…

🔲東洋経済の<日本人女性の置かれた「立場」について>フラン人編集者の記事、全文をコピーさせていただきました:

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フランス人が憂う日本人女性の置かれた「立場」

日本人女性はもっと発言するべきだ

 

しゃべり過ぎる人のことを「女性」と認識するのであれば、森喜朗氏は間違いなく「女性」だ。先週、東京五輪パラリンピック組織委員会会長である同氏は、「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度規制をしないとなかなか終わらないので困る、と言っておられた。誰が言ったとは言わないが」と発言。これが国際的に猛烈な反発を招き、コロナの蔓延とともにオリンピックを危険に陥れている。

アラームがなってもスピーチを続けた

この発言は日本オリンピック委員会評議員会ので、何と40分にも及ぶスピーチの中で行われたという。私の経験上も、日本で公衆の面前で話し過ぎるのは、たいていは女性ではなく男性だその中でも私の記憶に最も残っているのは、他でもない森氏である。

2019年10月30日、ラグビーワールドカップ日本大会の成功を祝してフランス大使館で催された大規模なパーティーの席で、主賓だった同氏は30分ほど続くスピーチをした。

スピーチ自体はよかったのだが、時間的に遅くなり、出席者はいつ終わるのだろうと思っていた。ほかの賓客たちのスピーチもその後に控えていたのだ。すると、スピーチの途中に、携帯電話が鳴り出した。会場の出席者たちは、いったい誰が失敬にもこのような場でこのような時に携帯を鳴らすのだろうと思った。そしてそれは森氏自身の携帯であることが判明した。

「スピーチをいつ終わればよいかがわかるように、私がアラームを設定しておいたんですよ」と彼は人々が笑う中で説明した。「でもまだ話したいことがあるんです」と彼は言うと、その後さらに15分間話し続けた。

2013年9月に、東京が2020年オリンピック大会の開催誘致を確定させたとき日本の主催者たちは、世界最大のこのイベントが「本当の」日本を世界に示す機会になるだろうと夢見た。彼らは、水素で動く空飛ぶタクシー、オーガニックの日本食材、新幹線の新たなモデルなどで、日本は世界を驚かすことになるだろうと思った。

【日本人女性はよくしゃべるどころか、声をあげていない】

 

彼らが気付いていなかったのは、東京オリンピックは日本の近代的な面のみならず、日本女性の惨めな状況といった後進的な面も明らかにしてしまうということだった。彼らにとって不幸なことに、「夢」が実現してしまったのだ

森氏の発言は、日本のことを少しでも知っている外国人にとっては驚きではない。日本の多くの女性たちは、森氏のような男性たちに日々対処し、声を上げずに苦しんでいるのだ。見下され、使い捨てにされ、威張り散らされ、時には攻撃されたりすることもある格下従業員としての扱いへの不満を、彼女たちはプライベートな場では表明するしかしおそらく、彼女たちはもっと声を上げるべきだ

一部の男性が考える女性の「役割」

森氏のような一部の日本人男性は、女性を大まかに2つのカテゴリーに分類しているように見受けられる。「母親」と「ホステス」母親は、結婚相手として子どもを産み、育てる女性たち。ホステスはお金をもらって、男性たちをもてなし、話を聞く女性たちだ。

少なくない日本人がホステスのいるクラブなどを、寿司屋やカラオケのような一般的な施設と捉えており、大臣や企業の社長なども普通に訪れている。私自身も2、3度訪れたことがあるが、居心地のいい場所ではなかった。私の感覚からすると、例外はあったとしても、女性が男性を「もてなす」ことによって料金が発生する関係はとても屈折したものに見える

日本の女性は一般的な職場でも男性に遅れをとっている。安倍晋三前首相が「ウィメノミクス」を言い始めたとき、世界経済フォーラムの男女平等問題報告書で、日本は101位だった。現在、日本は153カ国中の121位にランクされている。内閣府によると、中間管理職に女性が占める割合は11%、上級管理職で7%、経営者では4%にとどまっており、女性の出世ははばまれている。

男女の賃金格差も、、OECD諸国の平均が13%であるのに対し、日本は23.5%女性は職場で男性と同じように働くよう言われ、家庭と仕事の両立は不可能だ。日本に25年間滞在し、多くの女性にインタビューしてきたが、いまだに責任ある仕事を持ちながら複数の子どもを持つ女性に出会うことは非常にまれだ

この国では、女性は若い頃から大変だ。男性がアイドルやその若い身体への幻想に取りつかれている一方で、若い女性たちは自分たちの身体について、その情報を最も必要とする年齢で知らされない。

【日本の女性は若いころから大変】

学校で適切な性教育を施されないまま、異性との出会いに含まれる重大に危険を何も知らずに大人になり、時に望まない妊娠をすることがある。そして中絶ということになれば、経済的にも、身体的にも、そして倫理的にも(日本では中絶は刑法上犯罪になるので、それを避けるために女性たちは子供を育てる金銭的余裕がないのだと嘘をつくことを迫られる)、不必要な苦悩を味わうことになる。これはもっと日本で話されるべきテーマである。

医療も政治家も頼りにできない

医療についても時代遅れにさいなまされている。日本女性は、避妊薬の認可をフランス女性よりも32年後の1999年まで待たなければならなかった。日本では医師の処方がなければ緊急避妊薬は入手できず(フランスではドラッグストアで、900円程度で手に入れられる)、不必要な妊娠や中絶が発生することになる。

ちなみに、日本では2018年4月から一時期、妊婦が風邪などで病院を訪れる場合、追加の医療費を支払わなければならなかったこの「妊婦加算は少子化に逆行するとして翌年1月に凍結)妊婦に追加の医療費を払わせる国なんてほかにあるだろうか。

こんな状況なのに、女性たちは女性に頼ることすらできない自民党が先ごろ、主に女性に便宜を図る改革となる、夫婦別姓を認める検討をしたとき、猛反対する者の中には自民党女性議員たちがいた。

森氏の発言が、特に海外メディアで報道されて国のイメージに泥を塗ったにもかかわらず、日本の女性政治家は、国の将来を任されているはずでありながら、意外にも沈黙している自称「女性の擁護者」の小池百合子東京都知事は、不満を口にしただけであった

49歳のフランス人男性が、日本女性はどう生きるべきであるかを書くのは自然なことではない。しかし、日本女性が自分たちについての議論を始めるのが難しいようであるなら、私が自分の意見を述べてもよいではないかと思った。

森氏は、日本女性に「しゃべり過ぎ」だと苦言を呈した。しかし真実は逆だ。日本女性はあまりにも声を上げなさ過ぎる。しかも、大声で叫ぶべき理由は山ほどあるのに、だ。

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 引用終わり