漫画とドラマ・「松坂桃李さんの2つのドラマ」と「半径5メートル」「着飾る恋…」などなど

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◎自分が過去の世代の人間だな~とつくづく感じるのは、漫画が私たちの子ども時代と違って日本文化の代表として世界で認められているのを知ったときです。私の子ども時代は手塚治虫さんや水野英子さんが漫画雑誌で頑張っておられる頃。貸本漫画を読み漁ったこともありますが漫画家の名前までは知らず。学生時代は階級闘争が漫画で描かれていると持て囃された白戸三平の「カムイ外伝」、そして「あしたのジョー」、このあたりまでです。社会人になって母となり家庭に入って「釣りキチ三平」は息子を通して知りましたが、漫画からすっかり遠のいている間に少女漫画も壮大な大河小説みたいになったり、描かれる内容も心理描写が深くなり、生み出されるキャラクターは魅力的で破天荒。この頃、電車の中でいい大人が漫画本を読んでいると知って眉をひそめたりしていました。ところが今や、いいな~と思ったドラマの原作が漫画というケースがとても多くて驚いています。漫画はスゴイ!!と見直していますが、そのうえ海外でも人気だというのですから、本当に時代は変わってスッカリ置いて行かれてます。

 
 
 
 
@levinassien
 
 
90年代にパリの書店で「MANGA」という棚ができたときにそれまでの日本製Band dessinéeとどこが違うのかなと思って手に取ったら、頁を右にめくる製本でした(それまでは裏焼きしてたのです)。日本のマンガの本質に触れるためにフランス人はリテラシーを切り替えたのです。感動の一瞬でした。
引用ツイート
アルテス鈴木茂
 
@suzukisgr
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「マンガの生成期に育てられて」「還暦を迎え」た世代として、深い深い共感を覚えました。パリで日本の漫画が溢れている書店を目の当たりにし、ストックホルムでは駅のホームで『デス・ノート』を読む男の子に遭遇し、いかに海外に浸透してるかを実感しましたが、日本は漫画だ!と思います。 twitter.com/levinassien/st…

★よく見ると浮世絵の中にドラえもんがいます(コピーがうまくとれず、抜けた1枚はトップに): 

 
 
 
ひきこうもり
 
@Hikikomori_
 
 
緊急事態宣言直前に上野の森美術館でやってた、ドラえもんを浮世絵にする謎企画、割と面白かったのに開催期間たった2日しかなくて、来れた人たぶん超少なかったのでみんな見て…
 
 
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 ★そういえば京都の精華大の前学長は漫画家の竹宮恵子さんでした。精華大には日本で最初の漫画科があったのでした。次も内田樹氏の5月5日のツィッターから:
 
 
 
 
 
 
佳話ですなあ。
引用ツイート
三浦沙良
 
@saramiura
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三砂ちづる先生のこの話が少女マンガ(特に萩尾望都大島弓子竹宮惠子への)愛が溢れていて好きな回なのですが、ここに書かれている学生への竹宮先生の対応、大学教授としては当然なのかもしれないけれどもええ話です。 共有する物語 | みんなのミシマガジン mishimaga.com/books/osekkai/

★「共有する物語」に書かれているのは、日本だけでなく世界で共有されているというのですから、本当にすごい時代になってますね:

私たちがマンガの世界を共有してきたように、この、世界中の若い世代は、日本発のアニメやマンガを、竹宮先生が言うように、精密な言葉の主張を超えてダイレクトに本質に近づくような経験を重ね、共有しているのである。この人たちが社会の中枢にいる年齢になる時、この共有されている世界は、彼らをどのようにつなげていくのだろうか。それを見届けるまで、長生きしたいな、と、マンガで育った世代は、思わずにはいられない。

三砂ちづるさんの「おせっかい宣言・第66話」の「親を許す」はマイケル・ジャクソンのオックスフォード大学での講演について書いておられます。感動的な内容です:

親を許す | みんなのミシマガジン (mishimaga.com)

★★★さて、ドラマです。松坂桃李さん、今期はなぜだかポンコツ男子役が 2本。

そのどれも内容は意欲作。

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NHK総合土曜ドラマ今ここにある危機とぼくの好感度

第3回は、みのり(鈴木杏)と別れて少し気持ちを入れ替えて頑張る?神崎真(松坂桃李)。意味のあることを言わない好感度だけを前面にアピールする真。そして、学長(松重豊)と考古学繋がりで昔の教え子と外国人記者クラブの会見の席での直接のやり取りで、学長が思い直して日本をディスる(ディスリスペクト=尊重しないで悪口をいう)講演を許可する・・・というお話でした。随所に今の日本の大学や言論界での現状や典型的人物をチクリと皮肉っていて笑える。でも、学長権限で学問の自由を守ることが、次の学長次第では独裁的な権限強化につながって、強権的な政府や言論圧殺を考える学長が登場した場合は学問の自由が侵される危険性があることを指摘する辺り、大学が今直面している問題を考えさせられました。脚本(渡辺あや)がさすがです。水田理事(古館寛治)の大阪弁、良かったです。

☆来週はお休みで第4回は22日の土曜日

☆見逃した方は19日(水曜)に特番(総合 よる11時40分~翌0時29分)あり。

テレ朝系金曜11時24分「あのときキスをしておけば

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4月30日にスタートした「衝撃の入れ替わりラブストーリー」。こちらでも松坂桃李さんは漫画が好きなポンコツ青年・桃地のぞむを好演。第1回目から大好きな女性漫画家・唯月巴(麻生久美子)の家にバイトで入ることになって巴の方から一方的に親密な関係に。飛行機で沖縄に行く途中で事故に遭って漫画家先生が即死亡。隣りの席のオジサン(井浦新)に病院で「私が巴なの」と迫られる・・・という展開。

元夫(三浦翔平)が出てきたり、お葬式で母親(岸本加世子)に”ママ~信じて~”と泣きながら駆け寄ったり、井浦さんの熱演が困るくらいオカシイし、全く先が読めない奇想天外なお話の脚本は大石静さん。冬の日曜劇場「天国と地獄」も綾瀬はるか高橋一生が男女入れ替わるというお話でしたが、こちらの方が何倍もの衝撃。入れ替わる前の中年オジサンの素性も徐々に明らかにされるようですし、とにかく井浦さんの演技の迫力が猛烈!?戸惑いながらも徐々に入れ替わりを受け入れるらしい松坂君も迫真?どんな話になるのか興味津々です。

NHK総合金曜のドラマ10「半径5メートル

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 24歳の前田風未香(芳根京子は週刊「女性ライフ」の芸能ゴシップを追いかける「一折(いちおり)」班で失態を演じ、生活情報など身近な問題を掘り下げる「二折(におり)」班に移動。そこで、型破りなベテラン記者亀山宝子(永作博美)とバディーを組み、世の女性たちの“もやもや”や生きづらさなどの身近な問題=「半径5メートル」のネタから世の中を揺り動かしていく姿を描く。女装の雑誌編集者・北村有起哉、デスク・尾美としのりほか。☆芳根京子さんが20代中頃の等身大の雑誌編集者を、ベテラン永作博美さん相手に臆せず生き生きと美しく演じていて楽しみです。<脚本は「僕の生きる道」「僕と彼女と彼女の生きる道」「僕の歩く道」などを手がけてきた橋部敦子さん、演出は映画「幼な子われらに生まれ」(2017年)で、第41回モントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリを受賞した三島有紀子監督が担当>

★日テレ系土曜「コントが始まる菅田将暉、仲野太賀

第4回は俊太(神木隆之介)の回、母親との確執。死ぬ間際までお互い許し合えず、和解できず、母の死の床へ駆けつけてやっと言いたいことが言えて・・・コントトリオ「マクベス」ファンの姉(有村架純)と妹(古川琴音)、妹の誰をも抱え込む優しさがなんとも・・・コントに始まりコントに終わる工夫も生きている。

★TBS系日曜劇場「ドランゴン桜阿部寛長澤まさみ江口のりこ、及川博光

出ました「バカとブスは東大へ行け」。痛快です。怒鳴りつけて励ましてほしい受験生や親には受けるかも・・・

★日テレ系「ネメシス広瀬すず櫻井翔江口洋介

毎回録画で見ていますが、う~~~んという感じになってきました。父親探しの方に進展がないか楽しみにしていますが・・・

フジテレビ系月曜「イチケイのカラス

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竹野内豊が元弁護士で中卒、真実の追求に熱く、それでいてとぼけてもいる型破り裁判官・入間みちおを実に好演。東大卒の堅物裁判官・坂間千鶴(黒木華はじめグループで協力する一話解決の裁判ドラマも毎回良い内容ですし、一話から貫く司法・最高裁判事日高亜紀(草刈民代との闘い?の方も来週から前面に出て来るようで楽しみです。

  ★テレビ東京系(月曜日)「珈琲いかがでしょう」 

 途中の回から録画で見始めました。評判の良かった「凪のお暇」の原作漫画家コナリミサトの同名漫画が原作とか。中盤に入って移動珈琲店主青山一(中村倫也)の過去が明らかになってくるあたりです。1月に観た映画と同じくヤクザのチンピラ役で磯村勇斗夏帆さんが青山の淹れるコーヒーのとりこになるOL。<脚本と演出は、映画「かもめ食堂」(2005年)の荻山直子監督>

 ★フジテレビ系火曜「大豆田とわ子と三人の元夫

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松たか子松田龍平角田晃広岡田将生

もういいかなと思いつつ見るとセリフのやり取りがさすが~坂本裕二と思って見てしまいます。セリフのテンポの心地よさ、会話の内容のクールさ、元夫三人の存在のシュールさがたまらないですネ。主題歌もいいし、ナレーション(伊藤沙莉)もいいし、やはりこれは面白い。

TBS火曜「着飾る恋には理由があって

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ドラマは「綺麗に着飾ることで自分の居場所を得ていたヒロインが、価値観の違う人々とひとつ屋根の下で暮らしながら、恋をしたり、友情を深める中で、鎧を脱ぎ捨て、自分らしく生きる姿を描く“うちキュン”ラブストーリー」と紹介されています。

ヒロインの真柴くるみ(川口春奈)はシェアハウスの隣の住人、キッチンカーでカレーを売る陽気でお喋りなミニマリストの藤野駿(横浜流星)と関わるうちに、1話ではマニキュアを止め、2話ではヒールの靴を止め、3話では、住人4人で富士山の見える絶景のグランピングへ。秘湯の温泉に浸かるうちにオシャレなワンピースまで風に飛ばされTシャツ・もんぺ姿に。夜、2人きりの焚火で写真を撮ろうとすると、駿にスマホを取り上げられ「デジタルデトックススマホ断ち)」と手を繋がれ、挙句に「夢に見た」と言われる。「もしかして私のこと好きなのかもねー」とからかうと「どうかなー、ちょっと待って、考える、そうだね…たぶん 好き…だね」「多分って言われても」「じゃ、ただの好きー」とあっけなく告白?まで。

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本当の人間関係ってこうやって築いていくんだ……一つ屋根の下、4人集まっての生身の人間同士の会話、行き違いや誤解、仲直りの謝罪や感謝の言葉、身の上話や何気ない励ましの言葉、2話では冷蔵庫前の成り行きキスまであって、本当のふれあいってこういうことだったはずと思わせてくれます。

本編はくるみ目線で語られ、2話以降も最後に謎解きのように実は駿目線ではこうだったという短い種明かしが楽しい。いよいよ、何かと無理して頑張る真柴に無理するなとお節介な声を掛ける駿がミニマリストになった理由、「天才シェフとおだてられ若くして店を持ち、経営のこととか何も分からないで結局、店を潰してしまって、もう無理して頑張るのも辞めて持ってるもの全部捨てて…何もなくなったけど、よく見えるようになった……俺が」という過去が少しオーナーの香子(夏川結衣)の口から語られます。陽人(丸山隆平)と羽瀬(中村アン)の二人の関係や香子の留学が詐欺だったことなど、そして駿とくるみは両想いに。次回は、真柴が7年間想い続けた葉山(向井理)が帰国か・・・。主演二人の繊細で丁寧な演技、くるくる変化する表情がとても雄弁で楽しくて気持ちよい。

★日テレ系水曜「恋はDeepに

海洋大学の鴨井(橋本じゅん)研究室の特任研究員の海洋学者・渚海音(石原さとみ)と海のリゾート開発に乗り出す会社(鹿賀丈史)の御曹司・蓮田倫太郎(綾野剛)との”大人のファンタジーラブロマンス”とか。星が浜の開発を担当する者と、破壊に抵抗して海を守る者、ロミオとジュリエットです。海の生物の化身らしき海音(みお)は陸での命があと2か月、一方の倫太郎は亡き母との約束のマリンタワーの建設は諦められないという、この先どうなるのか・・・倫太郎の兄(大谷亮平)や弟(渡邊圭祐)の動きも先が読めないし・・・最後はかぐや姫みたいに月ならぬ海に帰るのか?