烏骨鶏の卵とNさん追悼お茶飲み話

◎夫はテントを担いで山に登るのが趣味。その為に10数キロの荷物を担いで山に登る訓練山行が欠かせない。時間が無い時は10キロ以下の荷物にして、あるいは軽めの荷物にして、天候と出発できる時間に合わせて近場の山歩きを楽しみにしています。先日、山裾の斜面で畑にもならない土地の囲いの中で鶏が放し飼いにしてあるところがあると言っていました。ところで、翌日のこと、そのオーナーの外人さんに卵を売ってくれないかと持ち掛けたそうです。外人さんは、この卵は烏骨鶏で契約しているところに卸しているので無理だと断ったのですが、中学生くらいの男の子(日本人)に「家にないか?」と聞いて、男の子が4個の卵を持ってきたそうです。1個150円で買ってきたと、卵ケースを取り出しました。

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山の道具にはこんなものまであるんですね、生卵や茹で卵を運ぶケースですが、もらってこようと思って準備していったそうで、驚かれたようです。外人さんの子どもさんはきゃしゃな女の子が一人いるようで、顔もその人に似ているそうです。

ところが、わが夫、「烏骨鶏」を知らない。1個150円は高いな~と思ったけどと。

料亭やこだわりのあるレストランで使う最上級の卵じゃないのと私。ケースから出して見ると、我が家が生協から購入している卵より、一回りか二回り小さい卵でした。さて、どうやって食べたら値打ちがあるか。一番いいのは、熱々の卵かけご飯にして味わうのがいいかなと思っていますが、余りに芸がないような。調べてみます。

◎ところで昨日は夫が朝早くから姫路の高御位(たかみくら)山へ山仲間と出かけました。お昼前、Sさんから電話があったので、私も丁度会いたいと思っていたので、いつもの午後からの時間に”ゆっくりのつもりで来て”と返事。雑誌と新聞を受け取って、報道特集旭川のいじめの話から。

コーヒーを淹れながら、ガラスの器の底にカステラの薄切りを置いて上からバナナの輪切り、その上にカスピ海ヨーグルトを掛けて出しました。

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二人の共通の先輩で長年の友人(と呼ばせていただきます)のNさんについて、今となっては思い出話になってしまいますが、話しました。緊急事態宣言が開けるのを待って、Nさんから一緒に食事をということで9月にイタリアンの食堂でピザを食べて、その後、ゆっくりお茶しようと誘ってタクシーで我が家へ。夏に溝と外構工事をして、北の道路側の玄関口が変わっていますのでお披露目のつもりもあってお呼びしました。

コロナ以来の我が家でのお茶会です。その時も、母の入所がショック、家での独り暮らしがなぜ出来ないのと言われました。別れるときは先にSさんが帰って、私とお喋りしながらタクシーを待って、家に着くと、必ずNさんからは、お礼の電話があります。

その後、10月に入って、Sさんには電話があってNさんと駅近くのお店でかつ丼の昼食を共にしておられます。私も丁度その頃か一寸後の先月末頃、京都の柴漬けが手に入ったので夫に車を出してもらって届けに行きました。それから3週間ほどしての訃報でした。

Sさんは、きっとNさんの強い思いが引き寄せたのよと。私は「悲しくないのがいいよね。Nさんの生き方を身近に見せてもらって、本当に立派だな~と思える。誰の世話にもならないで家で死にたいと貫かれたところが素晴らしいし」と。二人で、あれは何年前だった?初めてヨガで会ったのはと、しばし、追悼のお喋りを。リンゴをスライスしてバターで焼いてシナモンシュガーを掛け、紅茶を淹れて、よもやま話を。

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そういえば、今日私が身につけているビーズのペンダントはNさんの作品。セーターの上に羽織っているベストはHさんのもの。お二人とも私たちの目の前から突然消えてしまわれたけど…生き方のお手本としては貴重な体験をさせていただいた先輩です。

Hさんというのは、ヨガで知り合った方で、駅向こうに住んでおられた3つほど先輩さん。夫を施設に入れてから、少し認知症が出て、私とは直接のお付き合いは本を介してと、我が家のお茶にSさんと一緒に来られたり、Sさんと一緒にお宅に寄せていただいたり。そういえば、その時、自分で焼いたという栗の実と葉っぱの形のお皿を二人に一枚づつ頂きました。

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Sさんはその後も家が近いこともあって深いお付き合いでした。それが8月末、娘さんにどこかの施設に入れられて、その後スマホに電話すると通じなくなっていたそうです。ショックでSさんは体調を崩されて、しばらく連絡が無いと思ったら市立病院に入院ということもありました。Sさん曰く、せっかく夫を施設に入れてやっと自由になれたのに、今度は自分がその自由を失って…と。人生いろいろです。

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丁度前日お茶仲間から頼まれて月謝袋を新しく作り直していて、余った紙でポチ袋なども作っていたので貰ってもらって、つい最近手に入れたヨガのお稽古バッグを見てもらうことに。派手なのを選んだのでどうかな?と思っていましたが、明るくていい色合い。軽くてたっぷり入りそうだし、いいよと言ってもらって嬉しかったです。選ぶとき、80過ぎてもお洒落で明るくて可愛いものを身につけておられたNさんを思い出して思い切りました。

いよいよお開きの時間。私が最後に勝手口から入ってNさんに柴漬けを渡した時、必ず貰いっぱなしにしないNさんが冷蔵庫からZipの袋に入れたお茶を「これ持って行って」と渡されました。開けられずにそのまま冷蔵庫に入れてたのを取り出して一袋をSさんにお渡ししました。Nさんからの最後の佐賀のお茶です。

享年93歳のNさん、ありがとうございました。安らかに。