「今年は戦前77年・戦後77年の年」と「石川九楊『日本語の乱れ コロナで加速?』」(朝日新聞)

2022年の今年は1945年から77年目に当たります。1945年の77年前は1868年の明治維新に当たります。それで、1945年(昭和20年)の敗戦の年を境に、戦前77年、戦後77年の同年月戦後喜寿のお祝いと言ってもいいかもしれません。

その1945年1月生まれの書家、石川九楊さんは私と同学年ということで、以前から同年配で活躍されている方として注目していました。

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1月29日(土)の朝日新聞「いま聞く/Interview」というコラムに石川九楊さんが取り上げられ、「日本語の乱れ コロナで加速?」というタイトルで語っています。同い年と言ってもいいぐらいの私の耳にも痛いことが書かれていますが、「言葉・文字」という視点でのお話が面白いのでコピーと写真で移しておきます。

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日本語の乱れ コロナで加速?

「大変な時代に居合わせたとは感じますが、今は自作詩を書く気にはなれずにいます。コロナウイルスは自然がもたらしたものであり、基本的には受け入れるしかないと思うからです。」

ツケが回ってきた

「ですが、『今までのツケが回ってきた』という思いはあります。グローバルという言葉には世界に影響を与えるという意味がありますが、今回の新型コロナの拡散はまさにそのグローバルの結果でしょう。しかし、人類の対応はと言うと、自国を守るのが精いっぱいで、各国が共同してインターナショナルな救済措置を取る事すら難しい。非常にいびつな状況です。」

「石川さんは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、『日本語の乱れが加速し、それがあらわになりつつある』と語る。」

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変な造語・専門用語を垂れ流し

「手書き」減ってることも背景

キリスト教世界の人々は話す際に神を意識している。一方、東アジアではタテに書くという行為を通じて初めて天を意識する。だから、書くことが行われなくなると、言葉の信憑性(しんぴょうせい)は失われ、言葉は崩壊してしまう。まさに今の状況です」

 現代社会では手で書く機会が減り、活字などが取って代わっているが、石川さんは「声が肉声であるように、『肉文字』こそが文字であり、活字は文字ではありません」と話す。そこには一点一画を書くという膨大な思考と創造がないからだ。

 「文字は点画を連ねて書いていくから文字になる。『愛』と自ら書くのと、アルファベットでaiと打ち込み、それを何回か変換して『愛』という言葉を選択するのはまったく違う」(10行略)

「ぼくはワープロやパソコンを使うようになって日本の文学が変質してきたと感じています。先人は手で書くことによって、数々の文学作品を生み出してきた。スポーツとeスポーツは別物。今の文学が従来とは異質な『e文学』になっていないと誰がいえるでしょう」

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