中村哲さんの映画と池井戸潤原作の映画「アキラとあきら」

阪急電車に乗って十三までというのは今は避けた方がいいかな…と思って未だ見ていない中村哲さんの映画ですが、江川紹子さんのツィートです:

 
 
 
 
 
 
 
Shoko Egawa
 
@amneris84
中村医師にこそ国葬を、という意見もあるけど、この方は望まないと思いますよ。それにかけるお金があるなら、それで現場を支援して欲しい、人々に食糧を、とおっしゃるのでは。国葬問題やそれに伴う怒りはいったん置いて、虚心で見るといいんじゃないかなあ…
引用ツイート
 
 
Shoko Egawa
 
@amneris84
·
見てきました。中村医師は、水路をつくり、茫漠たる砂漠と化した大地を豊かな緑に変え、生活を取り戻しただけでなく、現地で人を育ててこられたんですね。それが映画のラストでよくわかりました。いろんなことを考えさせられる作品。ぜひ!上映館情報などはこちら⇒ kouya.ndn-news.co.jp
 
 
画像

「特別な1日」さんがレビューを書いておられます:

世界は理不尽である:劇場版『荒野に希望の灯をともす』 - 特別な1日 (hatenablog.com)

☆蛙ブログで中村哲さんを取り上げたのは「菜の花の笑顔と銃弾」の2009年2月からですが、ペシャワール会報の中村哲さんの現地報告も度々取り上げてきました。

NHKBS1スペシャル「良心を束ねて河となす~医師・中村哲 73年の軌跡~(1)」(書き起こし) - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)

BS1スペシャル「良心を束ねて河となす~医師・中村哲 73年の軌跡~(2)」(書き起こし) - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)

【2】中村哲さんの『柳の話』と『緒方貞子さんの思い出』 - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)

昨日は夫が早朝から山行に出かけましたので、私は映画「アキラとあきら」を観ることに。歩いて20分(自転車で5分)の映画館へ。貯まっているポイントを使ったので無料でした。池井戸潤原作のいわゆる経済ドラマ、日曜劇場の「陸王」はシッカリ見ましたが、話題になった「下町ロケット」や「半沢直樹」は熱心とは言えませんが見ています。映画は地元のメープルホールの「コインdeシネマ」で空飛ぶタイヤを見ています。今回は、原作を読んで映画を観ました。月曜の日中にしてはかなりの人が入っていました。入口のポスターを写真で。

「アキラとあきら」はWOWOWで先にドラマ化されています。連続ドラマなので10話ほどの話だろうと思いますし、その時出版された文庫本でもたっぷり上下2冊分の内容、それもかなりの起伏や大展開のある内容を2時間の映画に?と思いましたが、よくまとめられたものと感心するぐらい上手にまとまっていてかつ劇的でした。ほとんどが深刻なシーン、ホッとするのは最後の最後。かなり我慢が必要な映画でもあります。映画を観る予定の方はこれから先は読まないで:

父親の経営する町工場が倒産し、幼くして過酷な運命に翻弄(ほんろう)されてきた山崎瑛(竹内涼真と、大企業の御曹司ながら血縁のしがらみに抗い続ける階堂彬(横浜流星、偶然同じ名前を持つ2人が、情熱と信念を武器に社会に立ち向かう姿を描く。日本有数のメガバンク産業中央銀行」に同期入社するも、山崎は自らの信念を押し通した結果、左遷される。一方、順調に出世していた階堂の前にも、親族同士の骨肉の争いという試練が再び立ちはだかる。

同期入行の主役二人のアキラとあきらが耐える期間がかなり長く、銀行の融資が上司のシビアな方針でなかなか借りたい人の思いが叶うような融資にまでこぎつけず、見ている方もアキラ・山崎暎(竹内)の苦労と悔しさ哀しさに感情移入してしまいます。一方のあきら・階堂彬(横浜)も東海郵船の御曹司ながら家業をめぐる叔父たちとのイザコザなどにいや気がさして銀行員の道を選び、優秀ながら屈折した感情を抱え、同期の暎を良きライバルと認めつつ皮肉交じりのエールを送ったりしている。

入行から10年ほど経って、彬の父の死で跡を継いだ弟が叔父たち子会社との共同経営に乗り出したホテルの倒産から本体まで危うくなり、彬は退職して再建に乗り出す。見かねた暎は出世コースを蹴って、彬の会社担当を引き受ける。二人の力を振り絞っての再建の闘いが始まる・・・二人の若手スターの演技合戦。

横浜流星さん、「流浪の月」では幼い頃母親が家を出て愛し方が分からず好きな女性に暴力を振るってしまうDV青年を見事に演じて新境地でしたが、1年前の撮影時が重なる映画。彬は自分の本音の感情は、セリフではなくほとんど表情、目線とか見開いた瞳や顔面の筋肉、眉根や眉間のこわばりなどで表現。私は途中、何だか歌舞伎役者さんを見ているような気持ちになりました。歌舞伎の演技はオーバーで、ストップモーションの外連味たっぷりな分かり易い表現ですが、彬の感情もそんな風にリアルに伝わってきます。苦境に追い込まれる彬の演技と、一方で同じ苦境でも感情表現が自由な立場と性格の演技で表現する竹内涼真さんの暎はとてもナチュラルでおおらかにも見えます。二人が演じる役の出自や性格がもたらす演技の対比が面白い。

御曹司の彬(あきら)が「育ちが良い」といささかの憧れと嫉妬交じりで表現する暎(アキラ)の故郷の海が見える山の上でのシーンが二人の運命的出会いを思い起こさせる場面となって締めくくられます。生い立ちこそ貧乏な「アキラ」と裕福な「あきら」ですが、自由という点では明らかに階堂彬の「あきら」の方が不自由、長男でありながら家業を捨てた負い目もあって弟や叔父たちには自分を押し殺して接しています。

倒産寸前を知らせたアキラが、逡巡するあきらに『逃げるのか、本当は救いたいのだろう』と後押しして、あきらは銀行を退職、父の残した会社の社長となります。二人が力を合わせて会社の再建に乗り出す所から二人の運命が交差します。この再建の闘いを通して、あきらは本当の自分の生き方と血縁の絆を取り戻していきます(表情も柔らかく優しく繊細な表現に)、アキラは銀行員としてやりたかった本当の仕事、会社とその家族を救う仕事に乗り出すことに。

アキラの壁となって立ちはだかる”確実性”をモットーとする上司の江口洋介や、最後に融資の決定を下す頭取の奥田暎二、彬の壁となる二人の叔父のユースケ・サンタマリアと児島一哉、彬に対するコンプレックスから反発する弟の高橋海人、暎が銀行員になりたいと思った切っ掛けの銀行員を演じた満島真之介、二人の後輩の女性銀行員を演じた上白石萌歌、彬の父親の石丸幹二、妻の戸田奈緒・・・皆さん好演でした。監督は「きみの瞳が問いかけている」の三木孝浩さんで初めての経済もの。三木監督によると、経済ドラマではあるが、大人の『青春ドラマ』でアキラとあきらの『ラブストーリー』。

余りに脚本が良かったので調べてみました。ベテランでもなくて若手の池田奈津子さん。10月にNHKでもドラマが予定されていますので楽しみ:映画「アキラとあきら」脚本家・池田奈津子さんインタビュー 「ライバル2人の友情にあこがれ」|好書好日 (asahi.com)

ツィッターから2つを:

 
 
 
 
 
 
みやねえ|沖縄のライター・編集者
 
@miya_nee3
映画「#アキラとあきら 」公開初日に観てきた。あの複雑な原作を2時間でまとめるのは無謀だった。が率直な感想だけど、真っ直ぐで純粋な竹内涼真と才色兼備な横浜流星ほか、俳優陣の演技は見応えあり。映像の美しさも伴いキレイに仕上げてきたなと思う。叔父2名の悪役ぶり、お見事でした👏
 

 
 
 
 
 
 
 
 
✰みか~ん✰⚽🏦🖌️🎭🌲🏚🌲🏚
 
@pojikopoji
『最後に土下座をするのは誰だ!?』 マサに「新たな池井戸ワールド」!!
そうきたか!!✨ 観る前と後では今までの池井戸作品の土下座のイメージや意味、重みがガラリと変わる…!!! #アキラとあきらと共に闘え #あきらとアキラ
 
 
画像

最後に26日、公開日の朝日新聞、見開き2ページ全面広告の写真: