🔲韓国の戒厳令に「韓国軍や情報機関が『抗命』」で抵抗:
🔲民主主義国家の基本=国家のための軍隊ではなくて、国民のための軍隊:
🔲斎藤知事問題でもある民主主義と公益通報について、ジャニーズ問題で批判した松尾潔さんです:
★再びの映画「正体」
先日、お茶飲み友達のSさんと映画「正体」を観に出かけました。いつもの道ではない新しい道を案内しました。我が家から東に向かって、南に下らないで、上に向かって、二中道から受水場の北側を沿って道なりにいくと、坊の島の田圃への入り口に新しく出来た広い歩道のある道に出ます。北側、秋には彼岸花が咲く田圃越しに箕面の山が見えます。景色は良いけど、遮るものがないので、強い西風に背中を押されるようでした。20分ほどで着。
私は二度目ですが、原作が頭に在った一度目とは違って、二度目の方がフラットに観ることが出来ました。藤井道人監督・横浜流星主演の映画は、今回、初めて初週の動員ランキング(朝日金曜夕刊)が1位になっていました。社会派でサスペンスものでアクションありのエンタメ映画なんですが、人間と人間関係が丁寧に描かれた映画です。
18歳の高校生・鏑木慶一が不運なめぐり合わせで一家惨殺の殺人犯から死刑囚になってしまい、21歳で逃亡し、ある目的を達するために工事現場の作業員、フリーライター、水産加工の作業員や介護職員となって逃避行を続けるのですが、その間に触れあう主に3人の人たちとの人間関係が描かれます。パンフレットのヒントによると、光の三原色が意識されていて、青(吉岡里帆)と緑(森本慎太郎)と赤(山田杏奈)が合わさって光がさすと『白』になる話です。
「レ・ミゼラブル」のジャベールのような山田孝之演じる又貫刑事が後を追うのですが、彼にも心の中に葛藤が生まれます。松重豊演じる警察上部の冷酷で卑劣な要求に、警察権力にとって個人の命なんてこんなものかと思わされる場面も。
映画はその間違った権力の行使に抗い正そうとして立ち上がる人達の人間的な繋がりを描いています。過酷な運命の下、それでも鏑木は潜伏先でいろんな体験を経て少しずつ成長を遂げます。この過程がほほえましくもあり、再び逮捕された鏑木がそれぞれに面会した時に交わす言葉や表情、「生きたい」という思いには涙腺も緩みます。原作者も最後のシーンに参加していますが、この映画の結末に『救われた思い』と話しています。チラシのキーワードは「信じる、君を。世界を。」です。
鏑木の喜怒哀楽の全てを繊細かつ的確に演じた横浜流星、まさに鏑木を生きていましたし、全てのアクションも自分でという動の演技に対して、又貫刑事を演じた山田孝之の対極の押さえた静の演技も見事でした。工事現場の俯瞰や湖の美しいシーン、暗い面会場面など映像も演出も素晴らしかった。「観て損はない」は本当でした。
観た人達のXの感想を読んでいると、信じることの大切さや、信じるに値する人間になりたいというような言葉が沢山。あの終わり方で良かったとSさんも。冷たい向かい風の中でしたが、二人で明るい気持ちで帰ることが出来ました。丁度3時過ぎだったので我が家でお茶を飲みながら、冤罪についてや、やはり正義が勝つ社会であってほしい…など沢山お喋りしました。
★ひとシネマの記事、とっても”納得”の内容:
明治以来の日本人のDNAと感性を刺激する〝唯一無二の年末大作〟「正体」と「レ・ミゼラブル」
ライター
ほん・さんひょん 韓国映画専門ウェブメディア「CoAR」運営委員。全州国際映画祭ㆍ富川国際ファンタスティック映画祭アドバイザー、高崎映画祭シニアプロデューサー。TBS主催DigCon6 Asia審査員。政治学と映像芸術学の修士学位を持ち、東京大留学。パリ経済学校と共同プロジェクトを行った清水研究室所属。「CoAR」で連載中の日本映画人インタビューは韓国トップクラスの人気を誇る。
★拾ったX:
<「正体」は、日本国民の感性を刺激する映画だ。原作+社会派の感性と人間愛で極上のヒューマンドラマを作り出したのは、韓国ではNetflixの「ヤクザと家族」で驚異の9.26点を記録し、今や「アジアの若い名匠」・藤井道人監督である。>
🔲逮捕から58年後に無罪を勝ち取った袴田巌さんと支え続けた姉の秀子さんを取り上げたNHKスペシャルを山根基世さんが朝日新聞(7日)の「テレビ時評」コラムでとりあげています: