官邸前と国会前の金曜デモと「気は優しくて力持ちの文科省に」(前川喜平)


5月4週目の金曜日26日のデモの様子をいつものように「特別な1日」さんのブログのルポから。今回のタイトルは「『文科省事務次官の話』と『2016年度の実質賃金』、それに『0526再稼働反対!首相官邸前抗議 』+『#共謀罪法案に反対する金曜国会前抗議』」です。
先週、ヨーガが終わって、階段から降りようとすると「4丁目の蛙さ〜ん」と呼ぶ声が。だれかな〜と思ったらSさん。一度だけブログのことをお話ししたことがありましたが、あれれ、読んでくださってるんだ。とっさのことで、お返事が出来なかったんですが・・・やはり、ブログ仲間のSPYBOYさんが毎週参加して詳しく官邸前・国会前のデモの様子を伝えてくださるこのブログを、蛙ブログを読んでいる方たちに伝えることは欠かせません。(パソコンを覗く習慣のある年代でもないですので本当に少数ですが・・・でも、彼方此方に数えればあの人、この人なので・・・)
さて、デモの前に、『文科省事務次官の話』ですが、これはビックリ。SPYBOYさんは、個人的にこの前川氏と会っておられた!! 次官になられる前の前川氏ですが、会った時に感じた人となりを書いておられますので、ぜひブログでじっくりと読んでみてください。
◎木曜日発売された週刊文春週刊新潮の記事を受けて(?)、夕方開かれた前川喜平氏の記者会見の様子をテレビで見る限り、誠実で冷静な話しぶりから人柄も良くてかなりの人物ということは分かります。やっと官僚の中にもまともな人がいたという嬉しさも。

←翌朝(金)のモーニングショーでは、文科省で4期上だった寺脇研氏が「弱い人を助けなきゃという気持ちが強い人。本当に優しい人。弱者を助けるには力を持たなきゃいけないと、それでトップに登りつめた」。
尾木ママも「文科省の中でも、前川氏を慕っていた人が多かった」。そして、今年1月、文科省を辞めるとき「気は優しくて力持ちの文科省に」なってほしいというメッセージを残した、その時涙を流して見送った人もいたそうです。
◆(PS:突込みです)PS:寺脇研氏の「掲載されなかった記事」について:

山崎 雅弘さんがリツイート
寺脇研‏ @ken_terawaki 7 時間前
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=874471639358037&id=100003856271097 
前川前事務次官の記者会見について、某全国紙からコメントを求められたのに、記者が原稿を出した後「上から」掲載見送りにされた件。本日朝刊に載るはずだった私のコメントを読んでいただけると幸いです

◎この1月20日文部科学省の皆さんへ」という前川次官から全職員に向けて送られたお別れのメールがあり、SPYBOYさんはそれを掲載した朝日新聞デジタルのURLを紹介しておられます。内容が素晴らしいので最後に全文引用しておきます。
SPYBOYさんも、この前川氏の今回の記者会見の発言については、こんな風に:

今回の彼の証言は、改めて人間に対する見方を考えさせられました。組織の中にいたら、誰だって自分の意にそぐわないことを強制されることがあるじゃないですか。戦中も治安維持法で言論が弾圧されたとき、心ある人たちはどうしたか。そういうぎりぎりの時 自分はどう身を処すべきか。誰だって間違いを犯すときがあります。そこで (安倍晋三みたいに)その間違いをなかったことにするか、それとも少しでも正そうとするか。マシな世の中にしようとするか。彼は『教育を守る』という点では首尾一貫しているように見えます。今は、間違いを正そうとする彼の言葉を皆で拾い上げる時だと思います。


◎前川氏は、加計学園問題に反対する側(厳しく当たる)としてヒョッとすると辞任を迫られたのかもしれませんね。
SPYBOYさんは「●ボクは週刊誌なんか読まないですが。」と⇒を紹介。私は週刊新潮を買って読んだのですが、前川氏は厄介払いされた可能性がありますね。
テレビでは、文書がリークされたとき、すぐ、安倍政権代弁者の田崎史郎さんは「文書は本物でリークした人物も分かっている、官邸に恨みを持つヤツ」と即答でしたね。ということは、辞任した後も目をつけられて、落ち度がないか探られていた可能性もありますね。
同じ官僚でも森友問題での佐川さんのように、国会で「知らぬ存ぜぬ」を得意げにドヤ顔で繰り返している人もいれば、辞めてからとはいえ、自分も人格攻撃を受けつつ元同僚や部下たちの立場を慮りながら「有るものを無いことにはできない」と権力の横暴に立ち向かう人も。SPYBOYさんが書いておられるように、組織の中で働いている人たちなら必ずある葛藤ですね。どこかで誰かが踏ん張らなければいけない時があります。

ということで今週も官邸前と国会前へ🚶今日の午前中は雨でしたけど、午後になり雨雲も消えました。気温は20度。ちょっと肌寒いくらいで、スーツを着てデモへ行くのにちょうどいい。(今日の参加者は主催者発表で700人


そのあと、国会前で『未来のための公共』の共謀罪反対の集会。

参加者はざっと2000人くらい居るでしょうか(主催者発表1800人)。いつものことながら、こちらは若い人が多い。学生、サラリーマン、OL、年配の人もいるけど、参加者は多様でバランスが取れている。つまり、客層😸が良いんです。個人で来る人が多いから自分の意思がはっきりしてる。

◎「23日の火曜日 厚生労働省から昨年度(4月〜3月)の賃金統計💰が発表され」「新聞の見出しは『実質賃金6年ぶりプラス 16年度、名目も増加 』ですから、さぞ景気が良く感じますよね。」のところ、今日の日経の一面トップはデカデカと「国内設備投資伸び最高 今年度13.7%」とか。
SPYBOYさんはブログで「実質賃金と名目賃金のグラフ」を用いて、結論「アベノミクス名目賃金は大して上がらず、実質賃金は下がり、国民の生活はどんどん苦しくなっている。それが実態です。」 これも必読です。
★★★ぜひ、ブログを訪ねて、2つのデモの様子と前川さんの名刺も。内容充実のブログはコチラ:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20170526/1495804417

◎それでは朝日新聞デジタルから、前川喜平氏の文科省事務次官としての”白鳥の歌”、最後のメッセージです:(引用元:http://www.asahi.com/articles/ASK1N563DK1NUTIL031.html

「気は優しくて力持ちの文科省に」次官、全職員へメール
2017年1月20日20時15分

       ◇

 本日、私は大臣から辞職を承認する辞令を頂戴しました。


 文部科学省の皆さんが元気いっぱい仕事に打ち込めるようリードすべき立場の私が、このような形で退職することは、誠に残念であり申し訳なく思っています。


 国家公務員法が定める再就職規制を遵守(じゅんしゅ)できなかったことは事実であり、文部科学省として深く反省し、しっかりと再発防止措置をとる必要があります。


 私を反面教師として、二度とこのようなことが起こらないよう、職員の皆さんは遵法意識を徹底し国民の信頼回復に努めてください。



 しかし皆さん、動揺したり意気消沈したりしている暇はありません。


 一日たりともおろそかにできない大事な仕事があるからです。


 文部科学省の任務は極めて重要です。私が考える文部科学省の任務とは、教育・文化・スポーツ・科学技術・学術の振興を通じて、誰もが明るく楽しくしあわせに人生を全うできる社会をつくること、未知なるものに挑戦し限界を克服し輝く未来へと前進すること、さらには自由で平等で平和で民主的で文化的な国をつくり世界の平和と人類の福祉に貢献することです。


 そして、私が考える文部科学省職員の仕事は、子どもたち、教師、研究者、技術者、芸術家、アスリートなど、それぞれの現場でがんばっている人たちを助け、励まし、支えていくことです。


 特に、弱い立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官の第一の使命だと思います



 その意味でも、文部科学省での最後の日々において、給付型奨学金制度の実現の見通しがついたこと、発達障害や外国人の児童生徒のための教職員定数改善に道筋がついたこと、教育機会確保法が成立し不登校児童生徒の学校外での学習の支援や義務教育未修了者・中学校形式卒業者などのための就学機会の整備が本格的に始まることは、私にとって大きな喜びです。

 
 一方で、もんじゅ廃炉と今後の高速炉開発に向けた取り組み、文化庁の機能強化と京都への移転、高大接続改革の円滑な実施など、数々の困難な課題を残して去ることはとても心残りです。


 あとは皆さんで力を合わせてがんばってください。


 そして皆さん、仕事を通じて自分自身を生かしてください。職場を自己実現の場としてください。初代文部大臣森有礼の「自警」の表現を借りて言うなら「いよいよ謀りいよいよ進めついにもってその職に生きるの精神覚悟あるを要す」です。


 森有礼は「その職に死するの精神覚悟」と言ったのですが、死んでしまってはいけません。人を生かし、自分を生かし、みんなが生き生きと働く職場をつくっていってください。



 ひとつお願いがあります。私たちの職場にも少なからずいるであろうLGBTの当事者、セクシュアル・マイノリティの人たちへの理解と支援です。無理解や偏見にさらされているLGBT当事者の方々の息苦しさを、少しでも和らげられるよう願っています


 そして、セクシュアル・マイノリティに限らず、様々なタイプの少数者の尊厳が重んじられ、多様性が尊重される社会を目指してほしいと思います。


 気は優しくて力持ち、そんな文部科学省をつくっていってください。


 いろいろ書いているうちに長くなってしまいました。最後まで読んでくれてありがとう。


 それでは皆さんさようなら。


 2017年1月20日 前川喜平