沖縄慰霊の日と「万国津梁の鐘」


いよいよ参院選が始まりました。昨日は期日前投票の一番乗りが我が町で。18歳の池田高校の女子学生でした。箕面市では、4月の改正公職選挙法を受けて、投票時間が制限いっぱい2時間前倒しの6時半から、終了時刻も制限一杯2時間伸ばして10時までです。駅前の滝道入り口の交番のすぐ近くにある期日前投票所の平尾会館で一票を投じる姿がテレビや新聞に。そして、昨日はまた沖縄慰霊の日でした。

◎次男が沖縄転勤になった2014年の6月、南部戦跡めぐりで平和の礎のある摩文仁の丘を訪ねたのが、偶然、慰霊の日の前日でした。その前年の夏のTBSドラマで知った島田叡(あきら)氏、大阪から決死の覚悟で沖縄に赴任、最後の官選沖縄県知事を務め、多くの沖縄県民の命を救ったという島田叡知事と、県職員453名の慰霊碑「島守の塔」は残念ながら訪ねてお参りすること叶わずでした。昨日、ニュースで式典の様子を見ていましたが、あの時の海の色、空の色と同じでした。本当に美しい青い海です。(写真はその時のブログから)
◎翁長知事のスピーチの中に「万国津梁の鐘」が出てきます。県立博物館で見てきましたが、意味については今回調べて初めてわかりました。琉球は平和国家であり隣国(朝鮮・中国・日本)の架け橋となった歴史に倣って、翁長知事は、新たな役割の決意を述べておられます。”万国津梁”という憲法の平和主義ともぴったり一致する重要な役割を沖縄だけでなく日本としても果たせるようになりたいものです。

万国津梁の鐘(ばんこくしんりょうのかね)

万国津梁の鐘。沖縄県立博物館蔵。


 東アジア世界と東南アジアを舞台に大交易をくりひろげた琉球の心意気を,首里王府は「万国津梁(ばんこくしんりょう)の鐘」にきざみ,首里城正殿前につりさげました。

琉球國者南海勝地而 鍾三韓之秀以大明為
輔車以日域為脣歯在 此ニ中間湧出之蓬莱
嶋也以舟楫為万國之 津梁異産至宝充満十
方刹

 きざまれた文章の意味は「琉球国は南海の恵まれた地域に立地し,朝鮮の豊かな文化を一手に集め,中国とは上アゴと下アゴのように重要な関係にあり,日本とは唇(くちびる)と歯のように親しい関係をもっている。この二つの国の中間にある琉球は,まさに理想郷といえよう。よって,琉球は諸外国に橋をかけるように船をかよわせて交易をしている。そのため,外国のめずらしい品物や宝物が国中にみちあふれている」という内容で,東アジアから東南アジアを自由に行き来した王府の自信と,ほこりがしるされています。
(引用元:http://rca.open.ed.jp/city-2001/homehistory/con2/card06_3.html

◎「沖縄慰霊の日、翁長知事「非人間的な凶悪事件に、県民は不安と憤り」辺野古移設中止求める(全文)」(全文はコチラ:http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/22/okinawa-celemony_n_10623188.html


(前略)
今回の非人間的で凶悪な事件に対し、県民は大きな衝撃を受け、不安と強い憤りを感じています。沖縄の米軍基地問題は我が国の安全保障の問題であり、日米安全保障体制の負担は、国民全体で負うべきであります。日米安全保障体制と日米地位協定の間で生活せざるを得ない沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由・平等・人権、そして民主主義は等しく保障されているのでしょうか?


真の意味で平和の礎を築くためにも、日米両政府に対し、日米地位協定の抜本的な見直しとともに、海兵隊員の削減を含む米軍基地の整備縮小など、過重な基地負担の削減を、直ちに実現するよう強く求めます。


特に普天間飛行場辺野古への移設は、県民の理解は得られず、これを唯一の解決策とする考えは到底許容できるものではありません。


一方、世界の国々では貧困・飢餓・差別・抑圧など、人命と基本的人権を脅かす多くの深刻な課題が存在しています。このような課題を解決し、恒久平和を実現するためには世界の国々、そしてそこに暮らす私たち一人一人が一層協調し、平和の創造と維持に取り組んでいくことが重要であります。


私たちは万国津梁(ばんこくしんりょう)の鐘に刻まれている通り、かつてアジアや日本との公益で活躍した先人たちの精神を受け継ぎ、アジア・太平洋地域と日本の架け橋となり、人的・文化的・経済的交流を積極的に行うよう、一層努めてまいります


戦争の経験が息づく沖縄に暮らす私たちは、過去をしっかりと次の世代に継承し、平和の実現に向けて貢献を果たす上で、大きな役割を担っているのです。


本日、慰霊の日にあたり、犠牲になった方々に心から哀悼の誠を捧げるとともに、平和を希求してやまない沖縄の心を礎として、未来を担う子や孫に残すため、誇りある豊かさを作り上げ、沖縄が恒久平和に取り組んでいく決意を、ここに宣言いたします。

◎「沖縄慰霊の日、安倍首相が女性殺害事件に「強い憤り」 会場ではヤジも(全文)」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/22/shinzo-abe-okinawa_n_10623198.html

◎<「構造的差別知って」 佐藤優さん、母の戦争体験語る>(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-303201.html



・【久米島23日の慰霊の日を前に、作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんが22日、県立久米島高校(前川守克校長)を訪れ、平和講演会を開いた。久米島出身の母・安枝さんの沖縄戦の体験を紹介し、戦後71年が経過しても米軍基地が横たわる構造的な差別から、沖縄の尊厳を回復するすべを語った。


・4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件を例に挙げ、「米軍基地があるが故に沖縄だけひどい目に遭うことは構造的な差別だ。(沖縄を取り巻く)矛盾に気付かないのは差別が構造化されているからだ」と指摘した。「沖縄に対する差別について知り、語れるようになることが強くなるということだ。政府に頼らず、自らの社会を強くすることが大事だ」と強調した。


◎<那覇高野球部が島田顕彰碑清掃>(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-303490.html

 那覇高野球部1年の41人が22日、那覇市奥武山にある沖縄戦当時の県知事・島田叡(あきら)さんの功績をたたえる「島田叡顕彰碑」の清掃活動を行った慰霊の日に向けたお清めと、住民保護などに奔走した島田さんの生涯を継承することが目的。島田さんは旧制神戸二中(現兵庫高校)出身。生前野球選手として活躍していたことから、那覇高野球部が顕彰碑を清掃するに至った

 根波朝唯(ともただ)さん(15)は「フェアプレーを重んじたと聞いた。野球人としても人としても偉大で学ぶことばかり。表面的でなく、心情まで学び取って継承したい」と語った。


◎夕方の毎日放送のニュース番組では、キャスターが沖縄に出かけて現地から報告していました。
沖縄の戦後は終わっていない。大田昌秀元県知事は、現状をどう見るか、何度も訊ねられて、重い口を開いて「日本の国内植民地だ」と。大田さんは1990年から二期県知事を務めました。今年91歳とか。
確かに、この春から連続して米兵や軍属の起こす事件は、まるで植民地での事件や事故だと思っていましたが、「日本の国内植民地」となれば、返還前より沖縄の事態は深刻・残酷になっているということです。沖縄を抑圧するのは米軍に加えて日本政府となります。
自民党政治の責任は免れないと思います。アメリカとの関係を大事にするあまり沖縄を犠牲にしていないか・・・新たに辺野古を米軍基地として差し出したり、戦争法(安保関連法)を日本の憲法を犯してまであんなに乱暴なやり方で成立させる必要があったのか。暴走する安倍政治をここで止めないと…とますます思いました。