NHKドラマスペシャル「白洲次郎」

3月7日、土曜日、WBCの第二戦「日韓戦」が長引くかもと録画の予約をしていて正解でした。イチローの初ヒット、松坂のピッチング、村田のホームラン、そして挙句のコールド勝!と心おきなく圧勝の一戦を楽しむことが出来ました。

というわけで日曜日、録画で第二回を見ました。第一回は俳優より本人たちがカッコイイと演じる方も大変ね〜なんてことでなかなか、2回目でやっとドラマの世界へ。全編、流れる音楽と映像がとても素敵! 暗めでライティングを効かせた室内シーン、「戦争前の疎開」先となった鶴川の武相荘のシーン、畑仕事をする田園シーンなど、どれもやわらかな光の美しい場面が印象に残ります。

さて、その中でのドラマ。2回目までで、英国留学から、実家の倒産、帰国後の正子との結婚、戦前、戦中、戦後の次郎の政治的な立場、近衛文麿の通訳として関わる過程や吉田茂との関わりが描かれ、タイトルの「1945年のクリスマス」、天皇からのプレゼントをマッカーサーに届けた際の無礼な態度を叱りつけるというエピソードで終わります。いよいよ、GHQとのやりとりがと思っていると第3回は8月!出演者の病気のため収録が遅れてというのでは仕方がありません。8月には1,2回連続再放送後に続けて放送予定とのこと。

あまりドラマ化されない世界のお話なので興味深く見ました。戦前のエリート教育を受けた人たちの生活と意識。特に英国留学で考え方の基礎を築いた白州次郎がカントリージェントルマンの生き方を日本で貫こうとする、そしてノーブレス・オブリージュ(貴人の役割)をめぐっての近衛とのやりとり、など日本のエリートのお手本が英国紳士道にあったところなどは面白く見ました。

白州正子は半世紀先に生まれた日本女性の悩みを持って生きていたようです。伯爵令嬢で米国留学経験者、次郎同様当時の日本の常識からは抜け出た意識の持ち主。居候の河上徹太郎(後の文芸評論家)の影響で文才に磨きをかけ青山二郎小林秀雄(出ていたようですが誰が何処でかは分らず、多分青山役の亀次郎さんの火つけのシーン?)との交流が始まって、いよいよ白州正子になっていくところです。

神戸の「白洲次郎白洲正子展」を見ていたので、武相荘のシーンで写る家具やソファなど見覚えあり?とも思えて特に2回目はここでの場面も多く身近に感じました。あの時代にあって日本の立場を客観的に見ることのできる人たちがどれだけいたか・・・。戦争拡大を止めることが出来なかったのはそういう意味で国民のレベル、教育、教養、文化の面での国力が足りなかった所為だったのでは、と思ったりします。民衆のレベル[情報量]が今の北朝鮮のような・・・というと言い過ぎ? 8月を楽しみに・・・

2月28日 第1回「カントリージェントルマンへの道」〜次郎のイギリス留学から開戦まで
3月 7日 第2回「1945年のクリスマス」〜敗戦から近衛文麿の死まで
8月予定 第3回「ラスプーチンの涙」〜憲法改正、そして独立へ