沖縄について

日曜の夜、お風呂に入って早く寝たかったのですが、一寸気になってETV特集を見たら、最後まで・・・
普天間基地問題・沖縄から本土への問いかけ」と題された1時間半の番組。新聞の番組欄にはテーマが4つ。
   ▽全国を奔走する元沖縄県知事大田昌秀
   ▽米軍基地集中の歴史と移設先を巡る14年間の迷走
   ▽彼岸をはばむ本土との意識の断絶
   ▽政敵との対話から解決策を探る
今朝のニュースでは、「沖縄県の米軍普天間基地の国外・県外移設を日米両政府に求める超党派の県民大会が、読谷村の運動広場で開かれ、主催者発表で約9万人が参加した」ということです。「自民党から共産党まで一致して」と朝のワイド番組でも。
鳩山首相ワシントンポストで馬鹿にされたとか、又、又、ワシントンポスト紙によると、岡田外相がルース氏と会って、自民党時代の現行案でいくと伝えたとか。これは、首相も外相も否定しています。こうなると、ワシントンポスト紙が明らかに何らかの、というより、自民党ブッシュ政権との合意案で行ってほしいという意図があり、圧力をかけて来ていると取れます。それを無批判に伝えて自国の首相を追い詰めて喜んでいる日本のマスメディアは、一体どこの国の利益を考えているの?と不愉快です。

ところで、昨日の番組では、最後に大田氏と知事選で戦った稲嶺氏との対談がありました。稲嶺氏は「軍民両方が使用できる飛行場を」というスローガンで知事になり、実際には実現しなかったとう経緯があります。お二人の話でも、安全保障上日本に米軍の駐留が必要なら日本全体の問題として考えるべきで、日本の国土の0.6%しかない沖縄に、在日米軍基地の75%があるのは差別だ、これ以上の負担は出来ないという点で一致しているようです。

私は、鳩山首相の腹案が、「沖縄の人たちにこれ以上負担をかけることはできない」という友愛の精神に基づくものなら、首相の態度はブレていないのではないか?と思っています。鳩山さんが日米関係のギクシャクを怖れて早々に現行案で行くという結論を出していれば、鳩山さん個人に対する日米からの攻撃は避けられたはずなのに、それをせず、飽くまで県外にこだわっておられるのは、良いことではないかと思います。
稲嶺氏も、「今までの基地問題沖縄県民に直接投げかけられて結局はお金で我慢させられてきたが、今回は、中央(政府=鳩山首相)が問題を引き受けて考えてくれているので、日本全体の問題になって良かった」という言い方でした。
大田氏も「今回こそ沖縄の問題を日本全体で考えてもらえるチャンス。これを逃せば、もう無いのではないか」と。大田氏は大正14年生まれ、16歳で沖縄戦を体験して生き残った方です。全国の中学や高校へ沖縄問題を訴えて出かけておられます。84歳の大田氏が生きておられる内に・・・と思わずにはおれません。
もうしばらく、沖縄の痛みを知る日本の総理大臣が出す結論を見守ってみたいと思います。