原発爆発映像と「砂の器」

毎日お訪ねしているブログ(「keniti3545の日記」http://d.hatena.ne.jp/keniti3545/20110914 )に載っていた、武田邦彦氏のブログの引用、私もそのままコピーします。武田氏が書いておられるように、福島原発の爆発シーンの映像は確かにほとんど流されません。セシウムが広島原爆の168個分だったとかいいますが、この爆発シーンを見れば何よりもこの原発事故の恐ろしさと深刻さがわかると思います。
というのも、昨日、Uさんと電話で話していて、「関心のない人や日々の生活を楽しく送っている人には話してもナカナカ通じない。放射性物質の幼児にとっての危険性を訴えても、そこまで神経質?というような反応があって悲しい」ということでした。Uさんの場合は、横浜に住んでいる3歳児の母親である娘さんが、子どもさんに与える食事の管理を厳格にされていますので、祖母で母親のUさんとしては孫と娘のために出来るだけ汚染されていない食品を集めて送ったりされて協力できます。これが、息子で嫁の場合は、と考えると、祖母の心配をどのように伝えていいのかは難しいかもしれません。息子に意見を言って、息子を通してお嫁さんに気をつけるようにと伝えても、お嫁さんにその気?がなければ、息子の立場は難しくなるでしょう。問題は幼い子どもを放射能汚染から守ることではあるのですが・・・
そういう時、この国の政府や報道のあり方が、事態をなるだけ深刻ではない方向で導こうとしているとすると、余計に個人では難しいことになります。そして、実際、3月の事故発生以来、政府も報道のあり方も年間1ミリシーベルトを20倍にして平気という国に私たちは生きています。

15日の同じ「kiniti3545日記」さんのブログでは武田邦彦氏の暫定基準値についての横浜市のケースが取り上げられています。(「お母さんが子供を守るための武器(1) 暫定基準値は危険」)
それでは、もう一度、あの事故は一体何だったのか、映像以下をコピーしてみます。


「戦争後、もっとも大きな事件の映像」        写真を見てください
                                        ↓
http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2011/09/14/photo.jpg



整然と並んでいる原子力発電所。すでにその時には1号機が爆発、さらには2号機の内部も破壊していたのですが、それでもプルトニウムを含む燃料を使っていた3号機の爆発はすさまじいものがありました。一瞬、建物の右(南側)に閃光が走り、轟音とともに爆発、その噴煙は300メートルほどに達しました。


2006年の新耐震指針の審議の時に、「予想外の時には原子力発電所が破壊し、大量の放射線が漏れ、付近住民が被曝するということを想定して置かなければならない」という審議の前提に驚き、原子力発電を続けることに批判することにした私は、この爆発をネットで見て呆然とし、日本の原子力開発に携わったことに強く反省をしたのです。


科学者・技術者は実験事実や観測事実に忠実でなければならず、この爆発を見て、それまで「原発は安全」と社会に言ってきたことに深い自責の念を持たないとしたら、それは科学者でも技術者でもないでしょう。その意味で、今でも「活動を続ける原子力の関係者」が存在すること自体、私には理解できないのです。


しかし、その原因の一つが「この映像がテレビでも新聞でも繰り返し放映されない」ということにあると思います。ここ10年、アメリカで起きたニューヨークの貿易センタービルの爆破事件(いわゆる9.11)の映像は繰り返し流すNHKや各テレビは、この日本の未曾有の災害の映像をほとんど流さないからです。


本来であれば、1号機の爆発と3号機の爆発の差、そこからの噴煙(放射線の灰)の移動などの事実関係や、さらに続いた「原子炉が休止していた4号機の爆発」についても微に入り細に入り報道するのが日本のテレビでした。なにか小さな芸能人のスキャンダルはもちろん、食品会社の不祥事でも1週間ぐらいは同じ映像を見せられてきたのです。


原発の爆発・・・ほとんどの人が「本当!?」とビックリする事態が起こっても、「3号機でモヤが見えますね」という誤報を出して、この事実は歴史の中に封じ込められようとしています。日本のエネルギーの主力として進めてきた原発、広島原爆で世界で唯一、大規模な被害と被曝を受けた日本人・・・それがこんな結果になったのです。


今からでも遅くはないので、私たちはアメリカの9.11よりも、この映像を繰り返し報道し、目に焼き付け、そして日本のエネルギー政策と「社会的ウソと錯覚の発生」について再出発を決意しなければならないでしょう。


平成23年9月14日)武田邦彦

先週末2夜に渡って放送された朝日放送の「砂の器」、録画で見終わりました。
今回は玉木宏演じる若い刑事を主役に、女性新聞記者が新たに加わったり、結構大胆に翻案された脚本がなかなか丁寧に作りこんであって、演技ともども楽しめました。
犯人の指揮者の父親との逃避行は、原作のハンセン病に対する差別が酷かった時代を背景にしたものとは、どうしても変更余儀なくされるリメイクですが、山本学演じる犯人の父親の故郷が石川県の山中温泉(親戚がいます!)だったり、で、方言がチョッとチョッとと思ったり。
でも、羽後の亀田から出雲の亀ダカへの推理とか、紙吹雪からシャツの切れ端探しなど、清張作品の王道とリメイクならではの新しく加わった分との面白さで最後までグイグイと…でした。今西刑事の小林薫がとってもよかったです。
玉木さんは、NHK朝の連ドラで地味な花火師を演じた時から、「氷壁」、「あおによし」、「ノダメ」の指揮者まで、かなりフォローしてきていますが、いいですね! 先輩刑事を師匠と仰ぎつつ、自らの空襲下妹を見殺しにしたというトラウマから、同じ臭いを持つ佐々木蔵之介演じる指揮者を直感で犯人とかぎ当て、追い詰めていく青い正義感がよかったです。
★写真は全て比良のピッツァcafe”季気HOUSE”の庭で12日(月)に撮ったものです