9月のお茶のお稽古

昨日は、先月末のお稽古から2週間、半月後のお稽古です。
午前中、Nさんから電話。東京からです。お孫さんが高熱を出して心配で駆けつけて、大事に至らなかったようですが、翌日帰阪でお休みとのこと。
膝の悪いNさんのために立礼式の黒塗りのお道具が出してあって、その上に鮮やかな模様の器が乗っています。
柄や色から「イタリア製?」と訊ねましたら、そうだとの事。
蓋つきですが、略式の立礼に合わせて、少しくだけた見立て使いだそうです。
Nさんがお休みということで、畳式でやりましょうと、立礼の道具は片付けられました。

お花は竹で編んだ籠に白くて大きな槿(むくげ)とピンクの秋海棠(しゅうかいどう)。
お軸は「江月照松風吹」。月明かりがこうこうと照り松林には風が吹いている」という意味かな。
「月」が9月の季節を表しています。大徳寺のお寺に人づてに頼んで書いてもらったものだとか。
香合は思わず「本物?」と言ってしまいましたが、「いえ、木彫よ」と。まるで枯れた”ほほづき”が置いてあるかのよう。
「開けてご覧」と言われてソッと開けてみたら、なるほど、器になっています。見事な技です。
置いてある折り重なった厚紙の束は「紙釜敷き」と言って、実際この和紙の上に直接お釜を置くのだそうです。
さて、お点前のお稽古です。今日は、前回スムーズに行った袱紗(ふくさ)捌きがもたつきました。ピンと張った時に音が鳴らないし、三つ折にした時がなかなか揃いません。溝を作らないからだと教えていただき、その通りにしたら、鳴りました。落ち着いて幅を指で作りながら袱紗さばきのやり直しです。やっと、上手に出来ました。
棚は、白木の変った棚で、名前を「三木町棚(みきまちだな)」と言います。和歌山のお城下に三木町という町があって、そこで表千家の4代目の家元が作らせていた棚だそうです。珍しく引き出しが付いていて、菓子折りから作ったという説と、杉と桧(ひのき)と樅(もみ)の三種類の木を使って作ったからと言う説があるそうです。実際の棚も、上下の板は木目の美しい杉板、柱は桧、引き出しは樅の木でした。オールシーズン使えるそうですが、白木が涼しげなので、6月とか9月に使うとか。
水屋に入って茶巾の絞り方や組み方を教わりました。9月ならではのお茶碗が5,6個ならべてありました。金色の大きな月に桔梗を選びました。桔梗は夏から秋までつかえるけれど、月が入っているので9月のみとのことです。写真に撮ろうとしたときは既に水屋に片付けてあったので、写真のお茶碗はトンボにススキと、黒地に芙蓉の花のお茶碗。お菓子は羊羹のようなお菓子と、ゼリー状の寒天のお菓子に金魚が泳いでいます。

2人で2服づつお薄茶を点てて、後は先生から茶事について色々お話を聞かせていただきました。