放射性物質と「何かに制御された奴隷」(金原ひとみ)

放射性物質が次々と確認されています。セシウムプルトニウムについでストロンチウムも。
小出裕章氏のお話を、いつものブログの書き起こしから一部を:
(詳しくはコチラ=http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65768970.html

小 出「例えば、甲状腺を引き起こす頑強はヨウ素という放射性核種です。それで今問題になっているのは、プルトニウムストロンチウムとかいうようなものが出てきたと言っているわけですけれども。プルトニウムストロンチウムも骨にたまります。はいですから、骨の癌であるとか、白血病であるとか。」
小出「プルトニウムの場合には、もし吸い込んだ場合には、まず肺に引っかかってしまって、肺癌を ひきおこすという、それが一番の猛毒ですので。これを調べる必要があると思い……ま、す。ただし、私はこの番組でもなんども言ったと思いますが。 えー……、プルトニウムストロンチウムヨウ素ももちろん問題ですけれども。今現在私たちの最大の脅威は、セシウムだと思います。


水野「あの、こうした子どもたちの現状を考えますとね。先程小出さんおっしゃった、今、戻れるという、故郷に戻れるという幻想を振りまく状況が続くとですね、ますます子どもの被害の確率が高まるとわたし思うんですが」「ここのところ、どう考えますか」


小出「えー、計画的避難区域に戻った人達がいて。今日たしか、保育所だとか幼稚園だかなんだかが再開したというようなニュースを聞きました。えー……、私としてはなんとも痛ましいと思いました」


水野「うーん……。再開できたときの子供たちの笑顔を見れば、わたしたち、周りの者は嬉しくはなるんですが、いっときは。もちろんそうですよね」「しかしながら、やっぱりその幻想がどう言った状況を招くかということをやっぱり私たちは見つめなきゃいけないってことですね」



小出「そうです。」平野「どうもありがとうございました」小出「はい。ありがとうございました」(「たね蒔きジャーナル」より部分)

もう一つは、金原ひとみさんの「制御されている私たち〜原発推進の内なる空気です。
これは、東京新聞の10月11日の夕刊に発表され、その内容が話題になっているそうです。
連日になりますが「eirene's memories」さんの今日のブログからで、全文はコチラ:http://d.hatena.ne.jp/eirene/
金原ひとみさんは「蛇とピアス」で芥川賞(08年)を受賞した1983年生まれの作家。
記事によりますと、二人のお子さんのお母さんですが、下の子がお腹のなかにいるときに3・11を迎え、翌日の12日、福島第一原発1号機が水素爆発を起こした3時間後、娘さんの手を引いて夫と3人で岡山へ避難されました。4月に岡山で出産後は、夫と別れての岡山暮らし。長女は保育園、次女は母乳で育て、人に預ける時は豆乳、という暮らしだそうです。
記事の一部から:(段落を開けてカラーと太字にしたのはcaelの勝手で・・・)

今回の件で、いまや一部の利権のためだけに原発があることが周知の事実となった。




食べ物の基準値は引き揚げ前の値に戻し、汚染食品は乳幼児の口に入らないように規制する、そして危険とされる場所に住む人々の疎開は国が全面的に援助し、生活を保障する。


こういう誰にでも分るはずのことが出来ないのは、政府や東電の社員が悪人だったり、無能だからではないのか。


<略>


しかし、多くの人が癌で死ぬ可能性よりも、個々の人間とは無関係、無慈悲に動いていくこの社会に対して、私たちが何もできないことの方が、よほど絶望的なのかもしれない。


私たちは原発を制御できないのではない。私たちが原発を含めた何かに制御されているのだ
人事への恐怖から空気を読み、その空気を共にする仲間たちを作り上げた現実に囚われた人々には、もはや抵抗することはできないのだ。


しかし、それが出来ないのだとしたら、私たちは奴隷以外の何者でもない。


それは、主人すらいない奴隷である。             「東京新聞夕刊・10月11日に掲載」