「大阪空襲、国の責任否定」

今日は12月8日、開戦記念日というより真珠湾攻撃の日と言った方が分り易い? 70年前の今日のことです。
その戦争中、大阪大空襲で負傷した被災者や遺族23人が「国の不作為により戦後、何の救済もなく放置された」として国に謝罪と損害賠償(1人100万円)を求めて起こした集団訴訟の判決で、大阪地裁は7日、国の責任を否定し、原告の請求を棄却しました。今朝の日経新聞では:

 原告は1945年(昭和20年)3月〜8月に静岡、大阪、兵庫、宮崎、鹿児島の5府県で被災した60〜80代の男女とその遺族で「補償の対象を旧軍人・軍属や原爆被爆者らのみとしたのは法の下の平等に反する。国が(空襲被害者)救済のための立法を怠ったのは憲法違反」と主張した。
 判決理由黒野功久裁判長は「原告らは多大な苦痛や労苦を受けてきた。政策的観点から救済措置を講じるべきだとの意見もあり得る」と言及しながらも「国会の立法裁量に逸脱はなかった」と国の賠償責任を否定した。
 また「国の職務として戦地に赴いた軍人や、原爆被爆者の特殊性を考えると、一般市民である原告との間に明らかに不合理な差異があるとは言えない」として、憲法の平等原則には違反しないとの判断を示した。


この記事の内容だけでは原告側の主張が良くわかりませんが、昨夕の「アンカー」では、判決前の特集番組で戦時下の一般市民についての法律を取り上げていました。
右の写真の「防空必携」には、「全国民が『国土防衛の戦士である』」とされ、「互ひに助け合い、力を協(あわ)せ、命をなげうって必勝の信念をもって各自の持ち場を守ること」と書かれています。
また「防空法」という法律では空襲時の退去が禁止されていました。
消火活動も強制され、違反すれば懲役か多額の罰金まで。
防空頭巾でバケツリレーの訓練に駆り出されるということは聞いていましたが、逃げてはいけないということは知らなかった。原告の方が、こういう法律がなければ助かった命もあったと話しておられました。
私は、この番組を70年前の事としてよりも、今のフクシマと重ねて見てしまいます。まさに「国の不作為」(見て見ぬふり)で今も高濃度の放射能汚染地域で暮らし続けている人たちがいます。その方たちが10年、あるいは数十年後に放射能被害で国を訴えるようなことがあっても結果は同じでしょう。
過去は未来の為にこそです。同じことを繰り返させてはならないと本当に思います。
原告側は控訴の方針とか。
”国は責任を認めて、ひと言謝って欲しい”という訴えは続けられます。