「3・12の思想」を読む前に

今朝からブログタイトルを一新しました、といっても手伝ってもらってですが。
一人で考えるのではなくて、お仲間と一緒に考えるというので、蛙が二匹になりました。
長浜のガラスのカンガエルと、奈良の寝そべって気楽にカンガエルです。これからもよろしく!


昨日は午後から母が千里中央の俳句教室の日なので帰りに病院に寄るということで、4時ごろ病室で落ち合うことに。私たちより先に母がきていて、父の鼻のチューブ(酸素)がとれたと喜んでいました。指先に血中酸素濃度を測る器具をつけていますので、今度はこれが取れることが目標です。

さて、8日の日曜日の「たかじんのそこまで言って委員会」、時間がなくて落ち着いて見られなかったのですが、ひな壇の人たちに「できる」「できない」を問う問題で、確か「原発再稼働は出来るか、出来ないか」だったと思うのですが、アメリカ人のメア氏が聞きずてならない発言をしました。
このケヴィン・メア氏、この番組では 有識人?扱いしているようですが、Wikipediaで調べてみました。<在沖総領事在任中から数々の言動が物議を醸し、沖縄からは「軍政中の琉球列島高等弁務官と何ら変わらない」と激しい怒りの声が上がった。2008年7月には「こんな総領事は要らない、平成のキャラウェイ気取りはやめよ」と琉球新報から社説で非難された。米大学生向けの講演内容は2011年3月に発覚し、これに対し沖縄県議会は撤回と謝罪を求め、また抗議する旨全会一致で決議。県内各自治体議会からは抗議・非難の決議が相次いだ。元沖縄県知事大田昌秀は「要請申し入れのために会った事があるが、いかにも“上から目線”の人物で、外交官というより軍部の文官。沖縄はアメリカ軍将兵の血で購われた土地だから何をしようと自分達の勝手と考えているアメリカ人の一人」と評した>とありました。
大田元知事の「外交官というより軍部の文官」というところ、私はてっきり軍人さんだと思いこんでいて、肩書が元外交官というのに驚きました。奥さんは日本人で日本が大好きなんだそうです。
それで、この日、メア氏はこう言いました。「日本では交通事故で毎年5000人死んでいるのに、車をなくせという人はいない。それなのに、原発事故で一人の死者もでていないのに脱原発と大騒ぎしている」と。さすが、ほかの人たちは呆れて言い返せなかったのか?誰一人反論する人はなく、その後、自民党の国会議員で元自衛隊員の佐藤正久氏だけが福島県出身者としてまともなことを言っておられましたが、この件についての発言はありません。

もうひとつ、とても印象深かった番組があります。それは、NHKの「プロフェッショナル」の番組の春の特集で、茂木さんが出演して過去の番組をダイジェストしていくつか一緒に振り返る中で、気仙沼のカキ漁師の畠山重篤氏を取り上げたコーナーでした。ダメだと思っていたカキの養殖が、稚貝が見つかって今年美味しいカキが戻ってきたという番組がありました。(蛙ブログ昨年12月13日「奇跡のカキ”復活へ/津波で全ては失われた/海と語らう養殖の巨人/家族の闘い8か月」)
その後日談として、畠山さんが今年2月9日、国連のフォレストヒーローズの一人として表彰され国連本部で記念の講演をする姿が放送されました。その中で畠山さんは「気仙沼の海も津波で全部やられてしまったが、一年経つと豊かな海が戻ってきた、支える森と人がしっかりしていたからだ」と訴えておられました。

3・12の思想

3・12の思想

メア氏は車の事故と原発事故の違いが判らない人のようですが、車の事故と原発事故は違います。交通事故現場が周囲何十キロにわたって何年も何十年も立ち入り禁止区域になるでしょうか。事故現場周辺の犬・猫・家畜が置き去りにされて餓死したり、豊かだった農作物や野菜や果物が食べられないからと言って打ち捨てられたりするでしょうか。福島の放射能被害を無視したこういう発言がメア氏を軍人と勘違いした原因かなと思ったり・・・。
そして、畠山さんが国連で訴えたように、津波災害は一年経てば豊かな海がもどってきます。自然の回復は早く、また陸地の方も時間を掛ければ復旧、復興はできます。しかし、原発事故は元通りになるのに何百年かかるかわからず、通常の人間の時間(寿命を100としても)では元に戻らないといっていいでしょう。3・11は天災ですが、それに続く原発事故は人災です。「3・12の思想」の著者の矢部(やぶ)史郎氏はこの原発事故を「3・12」と名付け「東京電力放射能公害事件」と呼びます。

木に咲く白い花:利休梅(トップの写真)とサンルーム西側のジューンべリー(2枚)。
西日除けのジューンベリーは余りに近くて、花が咲いているのにやっと気づきました。
名前通り6月には赤い実がつき食べることが出来ます。

◎「3・12の思想」は「原子力都市」(http://d.hatena.ne.jp/cangael/20120415/1334467204)の内容を踏まえて書か(話さ)れています。