4月のお茶のお稽古

桜吹雪になった昨日が4月のお稽古日、3人揃ってのお稽古でした。
花入れの珍しい花は、白いけまん草とサーモンピンクの椿のつぼみ。
「けまん草」は、ピンクのものを随分以前に手に入れて庭に植えましたが消えてしまいました。ピンクの花の形を釣り糸にかかった鯛(タイ)に見立てて「タイ釣り草」とも言います。先生の説明によりますと、ケマンソウという名前は、花が降ら下がっている様子を寺院のお堂を飾る装飾品「華鬘(けまん)」に見立てて付けられということです。
お花に見とれて、掛け軸の方、写真を撮り忘れました。「柳緑花紅」というお家元の扇子の文字を表装して掛け軸にしたものでした。
水屋に入って、お茶碗を選び、水に浸してある茶巾を絞り、お茶碗の中に置きます。茶せんを紐の結び目を上にして置き、茶杓を選びお茶碗に載せます。建水の中には選んだ蓋置を置き、柄杓を置きます。
主菓子をいれた喰籠(じきろう)が準備されています。その横にお干菓子を入れた可愛い器。これがNaさんがオアフ島では見つからずハワイ島でご主人と探し回って手に入れたというヤシの実の器です。先生がハワイのお土産に注文されていたもので、今ではなかなか手に入らないそうです。大小二つのお土産のヤシの実を、先生が漆塗りの塗り師に頼んで中は朱赤に縁は黒、周りは透明の漆塗りにして立派な菓子鉢が出来上がりました。昨年、やっと手に入れたという2つの器を知っているだけに見事な茶器に変身した器に興奮しました。1日の箕楓軒でのお茶会にも先生が持ち込んでおられ、皆さんが珍しい!と驚いていました。こういう楽しみ方もあるんですね〜。

さて、このヤシの実の菓子鉢に気を取られたせいか、「旅箪笥(たびだんす)」という桑の木で作られた棚に鍵のついた蓋のある”携帯お茶棚”が出されていたのですが、之も写真に撮り忘れています。戦場や野点用のもので、「芝点て」といって中仕切りの棚板を取り出して下に置けば、その上に茶せんとお棗(なつめ)を置いてお茶が点てられるというものです。(昨年の4月のお稽古のブログの記事には写真があります)

釜は天井から鎖を垂らして釣る「つり釜」です。表千家ではつり釜は4月、裏千家では3月だそうです。お釜も小ぶりの筒釜。裾に流水の模様が入っていました。
旅箪笥の中に入っていた水差しはオーストリアの壺で、プッソという花が描かれています。立礼式の時に使われた黒い耳付きの壺もオーストリアのお土産。(写真はチョット近寄りすぎました)  お茶碗は桜の絵が描かれた京焼のものや大ぶりの志野のお茶碗。蓋置の絵は連山がピンクで「吉野山」、お茶碗のグリーンの連山は「遠山」と呼ぶそうです。

主菓子は「花紅(はなくれない)」という名前がついた春らしいもの。白あんで柔らかくてとても美味しかったです。
お干菓子の方は「さまざま桜」といって、芭蕉の句からきているそうです。 
        さまざまのこと思い出す桜かな    芭蕉   元禄元年(1688年)45歳