「嘘から出た真」と「東電破たん処理」

IOC総会で2020年のオリンピックが東京に決まるにあたって安倍総理が世界に向かって確約した内容が功を奏したと言われています。「みんな楽しくHappyがいい♪」さんでは、あの時の安倍総理の言葉を一つ一つ検証しています。
全文はコチラでウソの中身を確認しましょう:
つまり、健康問題については、今までも、現在も、そして将来も! 全く問題はない!!」(9/8IOC総会・安倍総理大臣原発事故発言のすべて文字起こし):http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3252.html

ここでは、一目で嘘だと解る写真をコピーしてみます。
汚染水が外洋に漏れている可能性を否定できないと東電自身が認めています。

●「第一原発の港湾内の0.3平方km範囲内、の中で、完全に、ブロック、されています」安倍総理



“外洋に漏れている”(2013年8月31日 報道特集TBSより)

昨日、今日と2020年の東京オリンピック決定のニュースを見ていると、日本の招致活動が相当周到な準備とお金をかけてやられていることがよくわかります。勿論携わった大勢の方たちの熱意と努力あってのことです。
IOC委員の多くは、日本の招致委員長でもあるIOC委員の竹田恒和氏を見ても、日経のコラム(9/7蛙ブログ)にもあったように、スポーツ貴族(竹田氏は元皇族)であり、オリンピックは高邁な理念の祭典というよりは各国スポーツエリートやスポーツ貴族の社交と駆け引きの場でもあり、利権のうごめく世界であり、そして純粋スポーツ選手の夢も叶える大舞台でもあるというのが見えてきます。
そのIOCの委員に向かって、日本の総理大臣はウッソー!と分るようなウソを堂々と発表しました。約束もしました。
普通、オリンピックを開催しようという国がいくら開催国になりたいからと言って、ウソをつくなんてことは想像もしませんので、あれほど自信満々に「汚染水はブロックできている」といえば、「出来ている」と思うだろうし、「今までも、今も、これからも全く(健康に)問題ない!」と言われれば、「問題ないんだ」と思ってしまいますね。(汚染水漏れを追求していた外国人記者・ジャーナリストはウソだと見破っているでしょう)
安倍さんは、本気で思っていた節もありますね。普通なら、本当のことを知っていれば、あれだけのウソをあんなに堂々とは言えないでしょう。安倍さんは福島の被災現場を本当に知らないんじゃないでしょうか。安倍さんにとっては、原発と言えば再稼動か輸出しかなく、野田前総理の「収束宣言」を否定、「収束していない」と言い換えただけで、福島のことは頭になかったのでは? 半年以上、選挙が終わってからも、総理から何か福島について発言があった記憶がありません。アベノミクスと外遊?に忙しくて、オリンピック招致と絡んでタンクから汚染水が大量に漏れている問題が海外から騒がれ出してから、なんでしょう。
ドナタかにオリンピック招致のための嘘も方便、「絶対安全」という”でっちあげ”レクチャーを受けて、そうかそうかと、あのスピーチになったような気がします。そうでなければ、普通の人間なら嘘だと解っている内容をあんなに無邪気に信じ切って大見得切ってウソの請負はできないはずです。
で、私は、安倍さんには、「ウソから出たまこと」を実現してほしいと思います。言ってしまったことは撤回できませんし、あとは、ウソを本当にするだけです。『日本が一つになってオリンピックを迎える』ことができるように是非とも福島原発事故への取り組みに本腰を入れて欲しいと思います。福島抜きに『日本が一つ』はあり得ません。そこで、まずやるべきこと、東電の破たん処理についてです。
東京新聞9月8日の社説の一部を引用します:

東京新聞の社説】
週のはじめに考える 政府は東電処理を見直せ

 
<前略>


 つまり、流出の可能性は当時から分かっていたのです。


◆東電任せと政府の無策


 それなのに、なぜ対策がとられなかったのか。菅直人元首相は自分のブログで「政府と東電の統合対策本部に検討を指示したが、約一千億円かかるということで東電が難色を示した」と告白しています。東電は巨額の費用を計上すると「債務超過」になりかねない事態を恐れたのです。ようするに「カネの問題」でした。


 「東電にカネがないなら、政府がもっと早く対応すればよかった」と思う向きもあるでしょう。その通りです。海は日本だけのものではない。事態を放置すれば、世界から批判を浴びて当然です。


 ところが、それはできませんでした。なぜかといえば、東電をつぶさず、あくまで会社として延命させたまま、東電の責任で事故の処理をさせるという枠組みをつくってしまったからです
<中略>


今回、安倍晋三政権はカネを出す方針を決めました。ただし、税金を使うには本来、大前提があります。事故に無関係な国民に負担を強いる前に、まず東電自身と利害関係者、つまり株主と銀行が負担をしなければなりません。株主と銀行は自分のビジネスとして東電に投融資したのですから、それは当然です。 


東電を破綻処理して自己資本と融資の一部を事故処理に回せば、約四兆円の資金が出てくるともいわれます。政府保有の株式一兆円分も紙切れになりますが、それを差し引いても、三兆円分は国民負担が減るのです。
 


 東電に対応能力がないという話が本当なら、政府が対応せざるを得ません。そのためには、政府は東電処理を見直す必要があります。今回の決定は「東電は四百七十億円すら負担できないのか」「それなら破綻したも同然ではないか」「東電がお手上げなら、なぜ自ら破綻処理を申請しないのか」など疑問点が山積しています。


◆事故は第2ラウンドに


 原発周辺の海の放射能濃度は八月の一週間で八倍から十八倍に増えました。事故は収束どころか、完全に「第二ラウンド」に入ったとみていいでしょう。政府が四百七十億円を出したからといって、汚染水問題は終わりません。


 事態の深刻さを認識して、事故処理の枠組みを根本から考え直す。時間との闘いです。


東京新聞 2013年9月8日

全文はコチラで:http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/7308364.html
写真は、昨日、久しぶりに水中歩行に出かけた道すがら撮ったものです。紅シジミに、垂れ始めた稲穂、色づき出したザクロ、そして桔梗。