金曜デモと天皇陛下の「ご心配」について

寒さが堪える最近、陽が落ちれば一段と冷え込む昨日も、東京の官邸前では脱原発のデモに2000人近くの人たちが集まって抗議しています。
毎回のようにデモの様子を報告して下さる「特別な1日」のブログ主さんSPYBOYさんの今回の記事は、小泉元首相の脱原発に事寄せて、個人の責任と静かな決意を語って心に染み入ります。写真をお借りして一部引用してみます:
●全文とデモの様子を伝える写真は是非コチラを訪ねて:
「2度目の冬が来る:★1115 再稼働反対!首相官邸前抗議!」http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20131115/1384525883

12日の小泉純一郎の記者会見、『原発即時ゼロを目指せ』という発言はちょっと感銘を受けた原発の償却期間があとどれくらい残っているか考えてしまうから、ボクだって『即時ゼロ』は言いきる自信はない。小泉がいい根性していることは認めざるを得ない。(中略)
原発問題の本質は何かというと、勿論 安全が一番大事だってことだ。そういう意味で小泉の今回の発言はリーダ[ーとして正しい。なんだかんだ言って、安倍ちゃんとはだいぶ器の大きさが違う。


ただ、方向性を考える指導者はある意味 放言でもしていればいいのかもしれないが、我々一人ひとりは大局を睨みつつ、日常を、明細を、少しずつ積み上げていかなければならない。そのかわり指導者は大きな責任を取るべきだし、一人ひとりは個人単位で小さな責任を取る、のが理(ことわり)ってもんだ。東電も政治家も東大のインチキ学者も原発事故の責任を誰一人とっていない日本の現実は必ずしもそうではないのかもしれないが(笑)、そこは勘違いしないようにしないと。


小泉を原発に反対する一人の人間として受け入れるのは良い。前科はあるにしろ、この一点では彼も仲間だだが彼が言っていることに浮かれたり、頼ったりしてはダメだ政治家に役人、インチキ学者、マスコミ、そういう連中に任せていては民主主義はダメになる、というのが311の最大の教訓だ。一人ひとりがもう少しずつ考え、もう少しずつコミットしていかなければ、また同じことが起きるだろう。 (色字と字の大きさby蛙)               

●●もう一つは「天皇陛下のご心配」について、昨日15日(金)の「日本がアブナイ!」(http://mewrun7.exblog.jp/21323347/)さんから、事実関係を並べてみます。
・13日(水)、「13日に、山本太郎氏の事務所に、刃物が入った封筒が届いた。封筒の裏面には「近日中に刺殺団を派遣します」という脅迫文が印刷されていたという。(-"-)」

 山本氏の事務所関係者によると、13日午前10時ごろ、参院議員会館の郵便物のデリバリーセンターの担当者から事務所へ「山本氏あての封筒が、金属探知機に引っかかった」との連絡があった。山本氏の秘書がセンターにおもむき、警察とともにB4サイズの封筒の中を確認したところ、刃渡り9センチ、全長19センチの折りたたみ式ナイフが入っていたという。

 さらに、封筒の裏面には「近日中に刺殺団を派遣します」との殺害予告文が印刷されていた。差出人は「日本民族独立解放戦線総裁 畑井昇」となっており、住所は兵庫県三田市役所の番地が書かれていた。山本氏は同日中に被害届を提出。警視庁は脅迫容疑で調べを進めている。(スポーツ報知)

・14日(木)、「この件に関して、宮内庁が、今上天皇が案じていると発表したとのこと。(・o・)」

宮内庁の風岡典之長官は14日の定例会見で、秋の園遊会の際、天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員宛てにナイフが入った封筒が届いた事件をめぐり、新聞記事を読んだ天皇陛下が心配をされていることを明らかにした。
 14日に天皇、皇后両陛下と会った際に陛下が話されたという。(産経新聞

で、「日本がアブナイ!」さんは、『今上天皇は、山本氏が自分に手紙を渡したことで、批判がエスカレートしたり、不当な脅迫、暴力行為の被害にあうこと憂慮し、あえて宮内庁にそれを発表させることで、問題のある&過度な批判や行為を牽制しようと考えたのではないかと察する。(・・)』と書いています。
・そして14日の産経が、自民党の鴻池氏(「安倍氏率いる超保守議連「創生日本」のメンバーでもある」)の「天誅(てんちゅう)」発言を報じています。

自民党鴻池祥肇元防災担当相は14日の麻生派会合で、秋の園遊会天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員宛てにナイフが入った封筒が届いた事件に関し「切腹用の刀が送られたそうだ」と述べた。不穏当な発言との批判が出そうだ。
 「犯人は私ではない。私は近くに寄って、すぱっといくから。間接的な殺人はしない」とも述べた。
 鴻池氏は7日の派閥会合でも、山本氏について「天誅を加えなきゃいかん」と非難していた。(産経新聞

●●●天皇陛下のご心配については私も「アブナイ!」さんと同じで、天皇陛下は今回の山本太郎氏の手紙手渡しが戦前の「不敬罪」のような捉え方で反発する人たちを警戒されているのではないかと思います。その「ご心配」についての意味を探る記事を「☆句の無限遠点☆」さんが15日付のブログで書いておられます。コチラ:<天皇の山本議員を「心配する」というメッセージの意味するところ>(http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20131115/1384530026
私は今回の園遊会での手紙問題では、内田樹先生がツイッターで呟かれた内容が適確に本質を言い当てているように思います。行為自体の良し悪しは別として、若い山本太郎議員が止むにやまれぬ思いで手紙を書いて福島の問題を何とかしてほしいと思い至るには、天皇陛下への「信頼」、「何とかしてほしい、天皇陛下に頼めば何とかなる」という気持ちがあったからです。(本当は自分が何とかしないといけない国会議員になったのに)。でも、何故、天皇なら何とかしてくれそうと思われるようになられたのか・・・内田先生はこう言っておられます
誰も気づかないうちに天皇陛下の「政治的実力」は非政治的な行動を通じて蓄積されていったのです。今日本でいちばん信頼されている「公人」は間違いなく天皇陛下ですから。政治家と官僚の質があまりに劣化したために天皇陛下の「公正さ」が際立ってきている。2013年10月31日 - 23:21」