ジューンベリーの赤い実と解体工事

我が家のジューンベリーの木
ずいぶん成長して、目の届くあたりで咲く花が無く、
花の季節(桜の直後かな)を見逃してしまいました。
ところが、洗濯ものを干すとき
ベランダから下を見ると
赤い実が沢山見えます。
あれあれ、こんなに花が咲いていたの?
というわけで、カメラの届く範囲の
赤い実を写してみました。
 
斜め向かいのSさん、4月末に母親の三回忌を済ませて、丸2年、桃山台(最近、北千里のエレベーターのあるマンションに引っ越されたとか)からバスに乗って後片付けに通い続けておられた生活に終止符を打たれました。3人息子の長男さんで昭和20年生まれ。ご挨拶に見えた時に、「よく頑張られましたね」と労をねぎらったところで、しばらくお話を。

武蔵野音大を出たお母様はバイオリンの先生。70歳まで生徒さんに教えておられました。敷地の南半分は芝生で手入れはご主人のお仕事。奥様は東の花壇にバラを育てておられて、よく見せて頂いたり、バラを切って戴いたりしました。そして庭の真中に巴旦杏(ハタンキョウ)の木があり、取り切れないほどの実がなると、鳥にいたずらされない内に取りに来て〜と声がかかり、食べごろのスモモを取らせていただいたりしました。晩年は認知症を発症、家から閉め出されたというので我が家で隣の母も呼んで一緒にお茶しながらご主人を待っていたこともありました。その後、施設に入所され、一昨年、丁度前の年に亡くなられたご主人と同じ月に亡くなられたと聞きました。

この日の息子さんのお話では、会社を定年で辞めるころと重なり、仕事を続ける選択肢もあったが、通いで介護に当たることにして10年。家を処分しようと思ったら、満州時代の日記が出てきた。引き上げの話は聞いたことが無かった話なので、生きているうちに聞いておけばよかったと思った。捨てられないし長い時間がかかったと。「あの時代の話は親も話さないし、聞きにくいですね〜」と私。「何となく聞いてはいけないことなんだと気を遣ったりして…」と仰っていました。同世代、感じることは同じですね。三回忌の法要を済ませたという翌日から不動産会社の所有になり、先週の月曜日から解体工事に入るというチラシが入っていました。月曜の朝、生垣に穴が開き、重機が入り、夕方にはあっけなく生垣は取り払われて(上二枚の写真)。一週間たって久しぶりに静かな日曜の朝、家はすっかり取り壊されて、辺りはいつになく明るくなっています(写真↓)。
土曜日の工事が終わった夕方、ご近所のOさんご夫妻が通りがかりに、立ち止まっておられたので、奥さんと立ち話。「広いもんですね〜」「2軒か3軒、建つと言われてましたね〜」「どうなるんでしょう〜」「若い世帯が来て、この辺りも若返るかも」なんて話して別れました。
母は、親世代の亡くなった後、子ども世代が引き継いで住むというケースがもう無くなったわね〜と。確かにそうです。60〜70代世代が今更住んでいたところを引き払って転居するという事は考えられないですね。それだけ、親世代も長生きして、子ども世代も年を取るという事です。柏葉アジサイの白い花の穂も開きだしてきました。