橋下徹元知事の逆転敗訴と山崎雅弘氏ツィート「必読。→原子力資料情報室声明『川内原発止めるべき』」


◎「橋下さんが市長を止めて大阪も少し静かになってよかったね」というのは、母の感想ですが、その橋下氏の大阪高裁の決定について書いているブログを見つけましたのでメモ代わりに:「澤藤統一郎の憲法日記」さんの「野田正彰医師記事に違法性はないー大阪高裁・橋下徹(元知事)逆転敗訴の意味」(http://article9.jp/wordpress/?p=6768

一審大阪地裁は一部認容の判決となったが、昨日(4月20日)大阪高裁は逆転判決を言い渡し、橋下徹の請求を全部棄却した。欣快の至りである。


高裁判決は、野田医師の誌上診断は、橋下の社会的評価を低下せしめるものではあるが、その記述は公共的な事項にかかるもので、もっぱら公益目的に出たものであり、かつ野田医師において記事の基礎とした事実を真実と信じるについて相当な理由があった、と認め記事の違法性はないとした。橋下知事(当時)の名誉毀損はあっても、野田医師の表現の自由を優先して、橋下はこれを甘受しなければならないとしたのだ。

◎政府は月曜日、やっと熊本の地震を「激甚災害」に指定しました。市町村や県単位では対応できない災害に対して国が前面に出て対処する、それが国の役割でもあるはずです。山崎雅弘氏のツィート欄から取り出してみました:


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 4月24日

熊本地震激甚災害指定へ 25日に閣議決定(朝日)http://bit.ly/1qHLluI  最初の震度7発生から数えて、11日目にようやく閣議決定するという東日本大震災時の管政権は、発生翌日(2日目)に閣議決定していた


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 4月24日

日本政府が東日本大震災にどう法的に対処したかに関する米国連邦議会図書館の調査報告(Togetter)http://bit.ly/1NIiprK  首相周辺やその支持者の認識とは異なり、アメリ連邦議会図書館の国際法務調査院は菅政権の東日本大震災時の政府の対応を高く評価している

日本政府が東日本大震災にどう法的に対処したかに関する米国連邦議会図書館の調査報告 驚きの内容。勝見貴弘氏による詳細な解説連ツイをまとめました。米国連邦議会図書館資料から読み解く(注:完全翻訳ではありません)3.11時の政府の対応の足跡。当時の菅直人政権がどのような措置をとりながら災害対策に奔走していたか、またそれらの活動が(復興庁HPはじめ日本政府が現在も公表中の資料の中にあるにもかかわらず)なぜ我々のもとに正しく伝わってこなかったのか、色々と見えてくるものがあると思います。
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山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 4月24日

管政権は「緊急事態」宣言を行わず、既存の関連法令を補う形で危機対応の施策を実施した。その一方、通常なら被害評価に時間を要する「激甚災害指定」について、甚大な被害額の見込みに基づき発生翌日に「本激」指定を閣議決定した。今とかなり違う。


外国人記者は見た「世界が注目 原発なぜ止めない?」http://bit.ly/1NIh9or 今負けたらやはり危ないと言われる」「止めずに乗り切れば、他の原発再稼働に繋げられる」「すごく大きなギャンブル」賭けられるのは国民の命。


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 4月24日

「忘災」の原発列島 熊本地震 それでも再稼働か(毎日夕刊)http://bit.ly/1MOVb8y


これまで『(原発が)安全だとは申し上げない』と繰り返してきた人にしては強気の発言に聞こえた。18日の原子力規制委員会の記者会見で、田中俊一委員長は『今は安全上の問題はない。科学的根拠がなければ、国民や政治家が止めてほしいと言っても、そうするつもりはない』と語ったのだ


専門家はどう見ているのだろう。米原発会社『ゼネラル・エレクトリック』で18年間、原発技術者として働いた原子力コンサルタント佐藤暁さん『米国では、原発周辺に大型ハリケーンが来襲すると予報されれば原発を止める。原発に被害がなくても、送電線や鉄塔が倒壊して外部電源が喪失し、深刻なリスクを及ぼしかねない』『本震で原発が大丈夫でも余震で送電線などが損傷する可能性があると考えれば、あらかじめ運転を止める選択もあるのではないか本当に非科学的なのは誰か


◎少し前の22日のツィッターで想田氏が「必読。→」と書いて紹介された「原子力資料情報室声明 熊本地震川内原発に関するコメント —あらたな脅威を引き起こさないために川内原発をとめるべきと私たちは考えます | 原子力資料情報室(CNIC)http://www.cnic.jp/6965 」は、とても納得のいく内容です。
原子力規制委員会の田中委員長がいくら「今安全だから運転しても大丈夫」と言っても、安全なのは「今」であって、原発事故の二度目はあってはならないのですから、「安全な今」のうちに原発を止めるのが常識というものです。「声明」は原発の停止こそ、「冷静で科学的な判断であり」「防災減災の観点からも望ましい」としています。後半部分をコピーです。

原子力資料情報室声明 
熊本地震川内原発に関するコメント —あらたな脅威を引き起こさないために川内原発をとめるべきと私たちは考えます

2016/04/20 NPO法人原子力資料情報室



<前略>


 川内原発は現在1・2号炉が運転中で、それぞれ157体の燃料集合体を装荷中です。このほかに、使用済み燃料が、1号炉では1128体、2号では818体、それぞれの使用済み燃料プール中に保管されています原発は運転をとめてしまえばただちに安全だ、というものではありません。燃料棒中にたまった放射能による発熱(崩壊熱)をとりのぞきつづける必要があるからです。それでも、運転停止後1日たてば、運転時の発熱量の0.5%程度にまで下がることで、運転中よりははるかに危険性が下がりますこの場合、仮に、地震によって使用済み燃料プールが機能喪失するという事態におちいったときに、人的・物的な資源をそちらの対処にふり向けることができ、原発の運転を停止するメリットは大きいと考えます


 原発の事故は、直接原発が破壊されることによってのみ起こるのではありません原発近くの変電施設や送電施設が地震によって破壊された結果、送電ができなくなり、原子炉の緊急停止するほかはなくなり、同時に外部電源の喪失状態におちいることになります。このとき、非常用ディーゼル発電機が起動に失敗すればただちに危機的な状態になりえます。非常用ディーゼル発電機が起動したとしても、地震の影響で補給手段が絶たれ、発電機用の燃料がなかなか届かないということになれば、やはり原発事故はまぬがれません



 現在、建物が倒壊するおそれがあるなどの理由から、自宅から避難し、屋外や駐車場にとめた自動車の中で生活することを選ばざるをえない人たちがたくさんいます。こんなときに原発事故がおきて放射能が放出されたら・・・、と考えるとぞっとします。屋内待避を基本としているいまの原子力防災の考え方は、大きな地震原発事故が重なって起きたときにはまったく相容れないものであることが今回実証されましたさらに、道路の寸断、鉄道線路や橋の崩壊など、放射能を避けようとして避難することもままならない事態が起きています


 まだ川内原発に直接的な被害が起きておらず、原発の停止作業をして安定な状態(冷温停止)にまで落ち着かせるのは、いまなら技術的にそう難しいことではありません比較的安全に余裕を持って停止することができるいまのうちに原発を停止するというのは冷静で科学的な判断であるし、防災減災の観点からも望ましいことだと考えます。

小学館のパンフレット「葛飾北斎富嶽三十六景」の写真から:
1)隅田川関屋の里(ロンドン、ヴィクトリア&アルバート美術館)
2)武州千住(ぶしゅうせんじゅ)(神奈川県立歴史博物館)
3)従千住(せんじゅより)花街眺望ノ不二(島根、葛飾北斎美術館)