映画「宝島」と「なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか?」と「国宝」と「沖縄から…」

◎映画「国宝」と「宝島」。私としては沖縄の「宝島」の方が大ヒットしてほしかったのですが、残念ながら大ヒットには至らなかったようです。原作の小説はどちらも読みました。国宝は小説の方が過酷で映画の方が歌舞伎の演目が入っていて映像として華やかで、また特に俊介の不幸が軽減されている分、見やすくなっていました。脚本の良さと映像作品としての仕上がりが上等だったということかなと思っています。

「宝島」は沖縄のいわゆる暴動と言われる事件を扱っていて、戦後の沖縄と米軍、沖縄と本土の問題が深刻ですし、原作も決して読みやすい小説にはなっていないので映画化は難しいだろうと思っていました。特に登場人物の造形や関係に無理があるような気がしていました。それでも、沖縄のことは知るべきですし、取り上げられるべきではあります。古座暴動と小学校へ米軍機が墜落する場面はよくぞ・・・とビックリする迫力でニュース映画を観ているようでした。もう一度観たいと思ったら上映期間が終わってしまっていました。国宝の上映が何か月も続いているので、油断していました。先日「国宝」を観に行ったミニシアターが取り上げてくれるのを期待しています。

◎ところで、共に「宝」を含む「国宝」と「宝島」、この二つの映画を比較した記事が出ています。「国宝」は絶賛されたのに「宝島」は黙殺されたとタイトルに書かれています。これはヒドイと思いますが、興行成績ではそれくらいの差が出たということですね。ツィートを拾ってみましたのでそれを並べてから・・・

#映画宝島 歴史教育や報道では届かなかった層ー「知らなかった」「関心がなかった」人達にも沖縄の現実を考えるきっかけを与え、 スクリーン越しに悲惨さや理不尽さを“体感”させ、教科書では伝わらない人間の痛みや葛藤を知るホントに凄い映画です👍 #映画宝島は劇場で体感して #大友啓史 #妻夫木聡
引用
 
 
リンダ
 
@cinemax_linda
#映画宝島 戦後80年で公開される意味… 物語を楽しむ映画ではなく、何を知り何を考える映画だと思う これほど熱を帯びたスケールの大きい映画は久しぶりで、ここ数年で最大のハイライトと言っていい 知ってる歴史は断片で表面的、一番衝撃的だったのは「沖縄のことを何も知らなかったんだ」ってこと。

語られてこなかった沖縄の歴史。広島長崎の原爆、東京大空襲は「日本の物語」になっているのに、なぜ沖縄はそうではないのか。
なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」 #Yahooニュース

 

なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」
 
記事はこちら↓

 

★「胸が痛むものは見たくないという人が多いのだ」、本当だろうか…確かに、気になるけれど本土の者からすると後ろめたいし下手に関わりたくない、という気持ちがあるのかもと想像したり:

 

黙殺されたのではなく、胸が痛むものは観たくないという人が多いのだ。 しかし私は日本国民鑑賞必須の映画だと思った。
 
なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」(文春オンライン)

涙が出ました😢
わかりやすい良い記事です。
 
なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」(文春オンライン)
単なるエンタメの人気不人気の話ではない。私を含む多くの人の心の中にある「壁」が炙り出されて数字になる。読んでみてほしい。
 
なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」 |

めちゃくちゃいい記事。
関連のない別作品を比較するのは好きじゃないけど、国宝と比べて宝島の扱いの酷さは本当に悲しい。内容は僅差、予告も含めた鑑賞体験だと普通に宝島が上回る。
ウチナーグチが聞き取れなくても、普通に台詞の内容は分かるからな。

🔲少し端折ってコピーしてみました:

なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」

 これほどまでに、2作の映画に対する日本の観客の温度差が違うのはなぜだったのだろうか。『国宝』が日本の実写映画歴代最高記録に迫り、『宝島』の上映が次々と終わっていく今も、筆者の中では答えが出ない。「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています」と、映画公開の4か月も前から妻夫木聡が必死で観客に呼びかけた言葉の意味について考え続けている。

『国宝』監督が妻夫木聡に『宝島』の感想を

「関わる人たち全員がね、もちろん監督筆頭にさ、かなりこう覚悟というか…ちょっとやりたいとか、これ良さそうだからやりましょうではできない、それくらいのスケール感だし、完成にまで持っていく執念、関わった人たちの全員の執念が、なんか焼き付いてるよね」

 2025年9月26日にNHK Eテレで放送された『スイッチインタビュー』EP2の後半で、李相日監督は映画『宝島』の感想を妻夫木聡に語っている。

 19日に放送されたEP1から2週連続の対談相手は妻夫木聡。李相日監督の作品には『69 sixty nine』『悪人』『怒り』と3作にわたって重要な役で出演し、監督と俳優としてそれぞれ高い評価を獲得してきた「戦友」ともいえる関係だ。

 「ありがとうございます。まさか見てるとは思わなかった」と妻夫木聡が照れくさそうに言った「まさか」は、この対談の収録時点ではまだ9月19日封切りの『宝島』は公開されておらず、つまり試写か映像資料媒体ですでに見ていたことに驚いていたからなのだろう。

(中略)

『国宝』と『宝島』。2作の日本映画は、まるで鏡に映ったように何もかもが対照的だった。日本の伝統、歌舞伎の中で生きる2人の青年を描く『国宝』が静とするなら、アメリカ占領下の沖縄を舞台に、米軍基地を襲って物資を盗み出す「戦果アギヤー」の青年たちを描く『宝島』は動。そして対照的なのは内容だけではなかった。現時点で160億を超える『国宝』の興行収入に対して、『宝島』の興行収入は公開31日を経過した時点で、6億円強。公開スクリーンは次々と減りつつある。

『スイッチインタビュー』の初回、EP1で妻夫木聡が『国宝』の映画的完成度、吉沢亮横浜流星を筆頭とする俳優陣の演技を繰り返し絶賛したように、筆者も『国宝』の美しい完成度を否定するものではない。興行収入が必ずしも内容の良さに比例せず、良い映画がヒットしないことが珍しくないこともよく知っている。

 だがそれでも、これほどまでなのか、と、『国宝』と『宝島』に対する日本の観客の温度差に対する冒頭の問いに心は戻る。『国宝』はあらゆる賞賛と喝采の中でロングランを続け、『宝島』は黙殺と粗さがしのような「批評」の中で興行が打ち切られていく、その残酷なほどの格差が映画の完成度による差だとはどうしても思えないのだ。

(中略)

SNSで批判された妻夫木聡の発言の“真意”

 映画公開の3か月も前、映画の宣伝キャラバンの第1弾として、宣伝アンバサダーである妻夫木聡が大友啓史監督や広瀬すずとともに沖縄を訪れ、地元中学生たちを前に「沖縄の平和と未来」をテーマに特別交流会を行ったことがあった。

「自分たちは生まれた時から、当たり前に米軍基地があって、映画の中では当たり前ではなく、米軍に反発していたことを知り、戦争の憎しみとか悲しみが風化しつつあることを知った」という意見が中学生たちから出る中で、妻夫木聡は「基地があるから生きていけた人もいる。ただの憎しみだけじゃないと思う。実際、当時を知る人は、怒りだけじゃなかったと言っていた。アメリカに対して怒りを持った人もいたけど、アメリカがいるからこそ生きられた人もいたと思うと中学生に問いかけたのだが、この言葉が記事として切り取られるとSNSで「米軍基地を肯定するのか」と激しい批判を浴びることになった。

 原作、映画の内容を見れば米軍基地と現状を肯定する内容であるはずもなく、その反対であることは明白なのだが、「沖縄出身の俳優でもないくせに沖縄の負担を軽く見ている」という批判(その多くは沖縄県民というより本土のリベラルな人たちのものだった)は激しくネットで渦巻いた。

中略

『国宝』とはまた違う、『宝島』が持つ“力”の正体

『国宝』と『宝島』。同じ年に公開された2作の映画は、「宝」という文字をはさんでまるで反転した鏡像のように対照を描いている。国の宝と、宝の島。妻夫木聡が「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています」と語ったとおり、宝島の「島」とは沖縄だけではなく、島国である日本列島への問いかけとしての射程を持った言葉だ。

 記事冒頭で『宝島』への言及を引用した『国宝』の李相日監督も、かつて妻夫木聡が出演した映画『怒り』で沖縄米兵暴行事件を描いたことがあるその『怒り』で被害者の少女を演じたのが、『宝島』でヤマコを演じた広瀬すずだった。

「なぜあんなに厳しかったのか自分でも思い出せないくらい」「信じてしまうことで失うこともある」と語る李相日監督のもとで、役者として若くしてターニングポイントを迎えた広瀬すずは、かつて沖縄の海のロケで李相日から受け取ったものを『宝島』という映画に届けるような演技を見せている。

 映画『宝島』の中では、返還前の沖縄県民立がフェンスの前でデモをするシーンが登場する。広瀬すず演じるヤマコも鉢巻を頭に巻き、シュプレヒコールで叫ぶ。

『戦争反対、基地はいらない』『アメリカ出ていけ』

 いまや「沖縄抜きの愛国」に熱狂する日本の観客の前でこのシーンを演じることは、リスクの低い選択ではない。だが自ら李相日監督の『怒り』への出演を熱望してオーディションを受けた10代のころから今に至るまで、広瀬すずは李相日監督が語る「覚悟」のいる作品、激しいエネルギーを要求される作品を好んで選んできた。

 李相日監督の『怒り』と大友啓史監督の『宝島』は、広瀬すず妻夫木聡という俳優によって地下水脈のようにつながっている。

「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています」という妻夫木聡の言葉には3つの意味がある。ひとつはいう間でもなく語られてこなかった沖縄の歴史。もうひとつは、その沖縄の歴史を「日本の物語」にしてほしいという思いだ。広島長崎の原爆、東京大空襲は「日本の物語」になっているのに、なぜ沖縄はそうではないのか

 そしてそのあとに妻夫木聡が続けた「皆さんの物語」という言葉には、国を超えてこの映画を届けたいという思いがあるのではないか。「うちらは何人も何人もくるされ(殺され)て、向こうは1人死んだら大騒ぎさ」という広瀬すず演じるヤマコの言葉は、パレスチナをはじめ多くの圧政を知る世界の観客に「これは私たちの物語だ」と思わせる力がある。

 映画の興行は終盤になりつつあるが、この時代の日本で作られた『宝島』という映画は未来に残る。「島」も「国」も超えた場所まで、この映画の宝が届くことを願わずにはいられない。

(CDB)

★全文はコチラで:なぜ『国宝』は絶賛され『宝島』は黙殺されたのか? SNSで発言を批判された妻夫木聡が必死に伝えようとした「本当のメッセージ」

 

★「国宝」、原作も映画もまだまだ勢いが止まりません:

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映画が大ヒットを続ける中、原作『#国宝』(吉田修一 著)も異例のロングセールスを記録。勢い衰えることなく、ついに累計発行部数200万部を突破しました!
まだの方もぜひ、スクリーンの映像美と共に原作が持つ人間ドラマと歌舞伎の世界へ▼

★韓国でも、香港でもと相次ぐ上映、そしてエストニアの映画祭にも!

◎終わりにしようと思ったら沖縄発の記事を見つけました。

総天然色で火傷しそうな熱量 悔しさと感謝が交錯 沖縄で見る映画『宝島』(8)(沖縄タイムス) - Yahoo!ニュース

・ 遅ればせながら、映画「宝島」を観た。なんくるないさぁ」というウチナーグチを全国区にした妻夫木にぃにぃが、燃えるコザの中心で「なんくるならんどー」と叫ぶ…。そういう映画だった。膨大な数の名前が流れていくエンドロールを見ながら、とても複雑な感情が僕の中で渦巻いていた。

 僕の中に沸いてくる複雑な感情の大半を占めていたのは「感謝」の気持ちだった。沖縄の映像業界で作品を作ってきた僕にとっての「宝島」は、アーカイブ映像で何度も何度も繰り返し見てきたモノクロのオキナワ史が、総天然色で、しかも火傷しそうな熱量で迫ってくる圧巻の映像体験だった。

 伝説の歌「沖縄を返せ」の大合唱、蛇行する復帰デモ行進の波、宮森小ジェット機墜落事故の生々しい現場、群衆の怒りが爆発するコザ暴動…。  どのシーンもこみ上げてくるものがあって『ふとぅふとぅ』した(日本語の『たぎる』とは少し違うのだが…)。そこは、「沖縄を返せ」で歌われている、まさに「民族の怒りに燃ゆる島」だった。

コザ暴動直後の嘉手納基地内で、主人公グスクがこう言う「こんなことが続くわけがない。俺は人間を信じる」と。55年後を知っている僕は、胸が締め付けられた。グスク、まだ続いているんだよ…。

沖縄では大ヒットしている「宝島」なのだが、内地では苦戦しているらしい。大友監督や妻夫木さんはじめ関わった日本のトップクリエイターたちは、沖縄に寄り添い、沖縄を伝えることの難しさを、そして何より、日本に「届かない」もどかしさを痛感しているに違いない。「コレが伝わらないのか?」と…。

でも諦めないでほしい。僕ら沖縄の制作者は「届かない」もどかしさを何十年も味わい、それでも諦めずに沖縄から発信し続けている。諦めたら、そこで試合終了だから…。もっと沖縄を描きましょう。届くまで何度でも。グスクのように、まだ人間を信じていたいから…。(GODOM沖縄 プロデューサー)=おわり