「英国王のスピーチ」

今日29日は昭和天皇の誕生日で祝日ですが、イギリスではもうすぐウィリアム王子とケイト妃の結婚式がウエストミンスター寺院で行われ、その後バッキンガム宮殿に向けて馬車によるパレードが予定されています。ダイアナ妃の忘れ形見の王子はウエストミンスター寺院で15歳のとき母の葬儀に参列しています。馬車も、30年前、ダイアナ妃がチャールズ皇太子との結婚パレードの際に使った馬車ということです。
我が家にはウェッジウッドのあの独特の淡いブルーの結婚記念プレート(白いレリーフでお二人の横顔が真ん中に)があります。夫の仕事上、お付き合いのあったイギリス人からのプレゼントでしたが、ダイアナさんは離婚、そしてあの事故、あまり飾ることの無いお皿になってしまいました。
ダイアナさんの面影が残るウィリアム王子、ケイトさんとの幸せなロイヤル・ウエディングと末永い幸せを祈っています。


今週に入って、圧迫骨折で電動のベッドを借りていた母が、床上げというかベッドを引き取っていただけるまでに回復してきました。そこで、もう終わってしまったかと思っていた「英国王のスピーチ」がまだ上映中ということで、先日、久しぶりに夫と二人で出かけました。
今年のアカデミー賞の作品賞、トム・フーバー監督が監督賞、主演のコリン・ファースが主演男優賞、そして脚本賞も受賞しています。
ヘレナ・ボナム・カータージョージ6世の奥さんの役。吃音矯正を見事に成し遂げたライオネル・ローグをジェフリー・ラッシュ。3人の主役の演技が素晴らしい。

脚本が見事というか、吃音矯正という主題を中心にすえて、その吃音の主が次期国王の座につく身分の人であり、最初にやってきた奥さんが吃音を治して欲しいと願っている妻であり、吃音障害が精神的・心理的な背景を伴うものであり対等の関係での信頼関係が築ければ必ず矯正できるというスピーチ矯正専門家ローグとの人間関係が上手に描かれて興味が尽きません。
人前に出ることが苦手な人が国民の前でスピーチをしなければならない立場にあるという不幸。吃音に至る背景も治療の中で生い立ちを語らせていたり、兄であるエドワードとの確執、父王亡き後の後継問題。政府との関係。当時のヒットラー台頭のヨーロッパ情勢。そして、そのヒットラーのドイツとの戦争が避けられない事態となり、開戦に際し、英国民と統治下にある人々に一致団結を訴える9分間のスピーチを生放送で、という最終場面へと盛り上がります。
宮殿内の奥まった一室、ローグの指揮?で国王のスピーチがスタートし・・・
1993年、ロンドン滞在が私の最初の海外旅行でした。バッキンガム宮殿のあの鉄柵の前まで行ったことがあります。内側(宮殿側)から見るとあんな風に見えるの〜という最後のシーンがあります。それに、王位を捨ててシンプソン夫人との結婚を選んだエドワードの話は子ども時代にも聞いていたイギリス王室の有名なお話でしたが、その弟の国王にこういうエピソードがあったというのは全く知らずでした。エリザベスとマーガレットの二人の姉妹が登場しますが、上の少女が今のエリザベス女王と思いながら見ていました。
英国王室の一人の国王のお話でありながら普遍的な人間物語、勇気と愛と友情の物語になっています。

(今日、これが2つ目のアップです)