銀メダルと関西各知事の「原発」と「半減期」

大震災と原発事故のため東京からモスクワに移されたフィギュアスケート世界選手権、男子シングルで小塚崇彦(22〕選手が銀メダルを獲得。前回王者の高橋大輔は、シューズのかかとのビスが外れるなどのアクシデントもあって5位、織田信成は、またまたジャンプ違反で6位。
1位はカナダのパトリック・チャン、2度の4回転ジャンプを成功させ280.98点で初優勝。SPとフリー、合計のすべてで世界歴代最高点を更新。2位の小塚は258.41点。3位は241.86点のロシアのガチンスキー。
今までの世界選手権日本人男子メダリストは佐野稔(1977・銅)、本田武(2002、03・銅)、高橋大輔(07・銀、10・金)
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SPで6位と出遅れた小塚くんが2位に巻き返したフリーの完璧演技はリストのピアノ協奏曲1番に乗ってでした。
この曲にまつわるエピソードが新聞に。「この曲は、祖父の光彦さんが元五輪代表の父、嗣彦さんの現役時代に勧めた曲。しかし、当時はピアノ曲で滑る選手がまれだったため、使うことなく引退。今季、小塚がその曲に乗って滑っていることを、光彦さんは涙して喜んでいる」。
小塚君が持っていた「日の丸」の旗の上には黒々と「がんばろう」の字が書かれていました。



さて、昨日、大阪市で開かれた関西広域連合の会合で、橋下知事原発新設中止提案は各知事からの賛同を得られず、新エネルギーの研究促進で一致。会合の後、橋下知事は「時期尚早だった」と述べ、大阪府単独で節電計画を策定する考えを示した。
連合長の井戸敏三兵庫県知事は「今後のエネルギー量を見定めないと、(新設するかしないか)軽々には言えない」と指摘。原発が集中する若狭湾に近い滋賀県嘉田由紀子知事は「ハイリスクなエネルギー構造は見直したい」としたが、「それぞれの府県でスタンスが違う。まずは議論の場をつくりたい」と話した。
連合非加盟の奈良県荒井正吾知事は別に記者会見で「エネルギー源に占める原発の比率は現状維持か、できるだけ下げた方がいい」と延べ、国の原子力政策を見直すべきだとの認識を示した。(以上、日経今日の朝刊より)

敦賀原発を置いている街のトップの方が「原発の電気を使っている人が今さらそんなこと(新規設置反対とか)を言うのがわからない」とか、福島の原発で働いている人が、「電気を使っていた東京の人間が今さら原発反対と言えるのか」と言っているのを聞いて、チョッと意外というか・・・分らないというか・・・。問題は、生活、仕事、お金が優先なんだな〜ということですが。
お茶のみ友達のSさんは、こういう反応に対しては、以前、沖縄と同じね〜と。だから政治が解決すべき問題なのですが、日本の今、政治がありません。その場、その時の判断で国が動いて、未来の領域を先食いして狭めているという感じがしています。遠謀深慮というか、国の指針、あるべき国の姿、進むべき道について日本の政治は何も持てず、闇雲に千鳥足で進んでいるようなものです。

放射性物質の「半減期」について(日経24日の「ナゾ/かがく」コラムより)
放射性元素が壊れると放射線を出し、時間と共に数が減っていく。もとの原子の数が半分に減るまでの時間が「半減期」だが、生物の体内での減り方や被曝についてはまだナゾが多い。


半減期には「物理的」と「生物的」があり、専門家によると「生物的半減期の方が、危険を考える時、重要な物差しになる」。


セシウム137は体外に排出されやすく、国際放射線防護委員会(ICRP)によると生物学的半減期は110日。(「物理的」は30年)
一方、ヨウ素131は、チェルノブイリ原発事故の追跡調査で乳幼児の甲状腺に溜まりやすい事が分り、140日後に半分になる。(「物理的」は8日)
ストロンチウム90は、生物的半減期が50年?、物理的半減期は28.8年
プルトニウム239は、生物的半減期は20〜50年、物理的半減期は2.4万年


放射性物質が骨や臓器のどの部分に蓄積しやすいのか、どんな時間で減るのかは医学的に不明な点も多く、研究者によって数値にばらつきがある。
半減期は一度にまとまった量の放射性物質を取り込んだ時の減り方を示しているが、長期間取り続けた影響の目安にはなりにくい。
海や大気に放射性物質が洩れ続けた場合、魚介類や農産物、それを食べた人にどんな影響が出るのか、長期の監視がいる。

「物理的」とは自然界にある場合、「生物的」とは人の体内に取り込まれた場合、という事ですね。
体内のどこに溜まって、どれだけの時間で減るのかは「医学的に不明」で「長期間取り続けた影響」についても「不明」ですから、今、日本の福島原発の事故による放射性物質の人体への影響は3ヵ月後か20〜50年経たないと分らないという事です。加えて、農業、畜産、漁業、犬、猫、鶏、牛、豚、海産物に今どれほどの被害を与えているかを考えると・・・原発に変わる新しいエネルギーに切り替えるという方向への政治的判断を求めたいと思います。
東日本大震災被害状況: 死者 14,575人、行方不明 11,324人、建物被害 364,309戸(28日午後4時現在)