花の街フィレンツェを訪ねて(2)

6月16日土曜日、雨の中、息子が車で蛍池まで送ってくれて、関空行のバスに乗り込みました。3年ぶりの夫婦二組、2回目の海外旅行。私たちは文字通り2回目ですが、Fさんご夫婦はその間、オーストラリアや中欧など何回かの海外旅行もなさっています。昨年大阪に来られた時は、滝道を少し歩いた後で、お食事をしたり、夫の実家のお墓参りで加賀市に立ち寄った時には、魚料理の美味しいお店で食事を頂いたりと交流を深めてきました。
さあ、出発です。イタリア航空12時50分発が30分遅れの13時25分発に変更。初っ端からイタリア時間です。大阪からローマまで9740km、12時間の飛行機の旅。機内食が配られる時、斜め前の座席の若い方たちだけに先に配られて、何やらどっと歓声があがりました。どうしたの?と聞くと新婚さんカップルと二組の両親御一行様でした。”私たちローマで結婚式をあげるんです”と女性の方が嬉しそうに報告してくれて”それはオメデトウ!!”でした。アリタリア航空からお祝いのウエディングケーキが特別についていたのだそうです。カメラで写しておられたので、ついでに撮ってもらいました。
さて、12時間の間に映画を一本見ました。前の座席についているテレビを触っていると、映画が写り出して、マット・ディモンがイタリア語を喋っているので、アメリカ映画の吹き替えだとわかりました。どうも、妻を亡くして二人の子を抱えて心機一転家を買って出直そうとする父親の話ですが、その家は閉鎖中の動物園がくっ付いた物件だった!というので、「ROSEMOOR ZOO」を再建しながら親子が妻・母を亡くした悲しみを乗り越えていくお話でした。実話で動物園は表彰もされているとか。調べたら新しい映画で、原題は「We bought a zoo」、日本題は「幸せへのキセキ」。(右上の写真は3人の主役/子どもたちが良かったです)
翼のすぐ横の席から、クロアチアからアドリア海上空を飛んでイタリア本土が見え始めました。ローマ空港ではローマの松の群生が見えました。いよいよローマ・フィミチーノ空港に到着。結婚式に臨むというお二人に、”お幸せに!”と別れのご挨拶を。幸せそうでした。
さて、2時間半の待ち時間で国内線に乗り換えてフィレンツェまで、ですが、ここでも1時間遅れで出発。ところが、到着時間は30分遅れ。トバシて飛行時間を30分短縮したのね〜!とびっくり。22時30分フィレンツェ着。どうやら16日中にホテルに入れそうです。タクシーで、こんども、イタリア人ドライバーがトバシて駅の近くのホテル「UNICORN」に11:20分到着。今回はどのホテルも朝食付きですので、翌朝の朝食時間を打ち合わせて、それぞれの部屋へ。

1日目、6月17日(日)フィレンツェ1日観光です。

初日の朝食の後、少し気分が悪くなったのは前回同様。私だけ部屋に。皆さんは中央駅でバスの時刻を調べ、21日のサレルノからタオルミーナまでの電車の切符を買いに。Fさんたちは2度目のフィレンツェなので、塔の街・サンジミニャーノへバスで。夫が戻ってから30分ほどじっとしていると落ち着いてきたので私たちも出かけることに。数日前、日本から10時45分で電話予約したウフィツィ美術館へ向かう。
ルネッサンス発祥の地、15世紀にメディチ家の庇護のもと最盛期を迎えた街。ホテルを出たらすぐ見えるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会、ひときわ大きな丸屋根のクーポラを頂く巨大なドゥォモ(大聖堂)を遠くに見ながら、まずは目的地のウッフィッツィ美術館へ。今日は日曜日、月曜日でなくてよかった。なるほどたくさんの人たちが並んでいる二つの入口を通り過ぎて予約窓口を探して入る。予約料金4ユーロの値打ちはありました。

  
この大きな建物は、もともとメディチ家の事務局、トスカーナ大公国の行政局があったことから「ウッフィッツィ(オフィス)」と名付けられたんだそうです。なんだオフイスのことか〜です。
建物は16世紀半ばにコジモ1世の命でヴァサーリが設計。その後息子の代に上階をギャラリーに改装、この時のコレクションが現在の美術館の起源となった。1765年に公式に美術館として開館したとあります。
世界史や美術史でお馴染みの名画がたくさんありますので、事前にお目当ての絵を調べておいて,あとは駆け足状態。ジョット、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」(絵葉書の写真1)と「春」(2)、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」(3)、ミケランジェロティツィアーノなどなど。絵葉書を買って名画の記念に。美術館はコの字型にアルノ川に直角に立てられていますので、曲がり角のところで川にかかるヴェッキオ橋が見えます。川の写真はウッフィツィから見たヴェッキオ橋。
さて、外に出て、まずは腹ごしらえ。紅白のカーテンを付けた間口半間ほどのお店。パニーニというサンドィッチを売っているお店に入りました。ケースの中に入っている野菜類やその場でスライスしたハム類を選ぶとパンに挟んで出してくれます。私は用心して野菜だけを選びました。お目当てのパニーノ(複数形がパニーニ)にありついて一息いれて、これからアルノ川にかかるヴェッキオ橋を渡って対岸へ向かいます。
橋の上は、両側に貴金属店がズラリと並んでいます。中には閉まっている店があって、お店自体が金庫のようです。

川の南岸にはピッティ宮という豪商のお城のような大邸宅があって、中には5つの美術館と博物館が。ラファエロの作品が充実しているというパラティーナ美術館に入りました。一室全部ラファエロという部屋があり、お馴染みの絵の実物がここにありました。美しい色合いの聖母子が豪華な縁取りの丸額に収まっています。一流の絵師の絵をたくさん収集しているということが富と権力を表していたのでしょう。
名画に疲れた後はボーボリ庭園に向かいました。真夏のような太陽の日差しの中を歩くのは大変ですが、イタリア式庭園の中を上へ上へ上って最上段まで。そこから横道にそれて下ると、木陰の向こうに芝生が広がって梅の木が植わっているところに寝転がっている人がいます。山登りは得意の夫ですが平地は苦手、それ以上は「行かない」とここで一服。私は、庭園の最上段にあたる東屋風のオシャレな建物につながる両側から登れる階段を上って最上段まで。芝生のところに戻って見ると一本の低い木に梅の実が大きくなっています。

  

対岸の大聖堂のクーポラ(大円蓋)やジョットの鐘楼も見渡せ、鳥のさえずりが聞こえたり、木陰の風が心地よい、静かな時間でした。
約束の時間はホテル5時ということで、帰り道、ドゥォモに寄ることに。
日曜日だったせいかどこからか太鼓や笛が聞こえてきて、時代物の衣装を着けた行列のお通りです。
さて、巨大な大聖堂の中も今まで体験したことのない巨大空間でした。椅子が並べてある教会とは違って綺麗なタイル張りの床が目立ちます。聖堂内はカメラが禁止のはずですが、フラッシュを使わなければ許可されているのか皆さん堂々とカメラを向けているのを見て、私も写真を撮ることに。
] ホテルに戻ってシャワーを浴びて7時過ぎ夕食のため揃って外に。
トラットリアという気軽な雰囲気の食堂の外のテントでイタリア最初の食事を。前菜とメインを何品か取って4人で分け合うという前回のスタイルで。ボーイッシュなウエイトレスさんがキビキビと元気にテーブルを廻ってくれて注文を取ってくれます。メロンと生ハムが美味しかったのですが、あとはもうひとつ。初日のフィレンツェの夜です。