行き詰る資本主義世界の近づくリセット=転換する時代(「青空学園だより」と「反戦な家づくり」)

◎昨日は昼間、東京の長男から、久しぶりに取れた長期?休暇のあとの長電話。まず、お祖父ちゃんお祖母ちゃん、その後大丈夫?から始まって、沖縄での弟の様子を兄として安心した、いい同僚に囲まれてしっかりやっているという報告みたいな電話でした。長男はいつも弟を意識していて、変に自分と違う弟を持ち上げてコンプレックスを感じたりしています。不思議です。兄弟特有の何かなんでしょうね。それでも、兄として両親を安心させてやろうという電話だったんだと思い、有難く聞いておりました。そして、月曜日の昨日は母の俳句の日。2句目は孫娘(私には姪っ子)がホテルから自宅までの道を大きな車を上手に運転してくれた時をうたっています。


    秋晴れの初会、再会、小田原城


    路地曲がる度に暮れ行く日の短か



◎大阪、先週金曜日の関電前抗議に「青空学園だより」さんが参加、ブログを書いておられます。その中で二人の「心に深く残った言葉」を紹介されています。一人は関西シールズの大澤茉実さん。全文がコチラに:「中身のない言葉では、もう私たちを動かすことはできない」SEALDs KANSAI・大澤茉実さん 憲法改正で「国民を縛ろう」とする安倍政権の退陣を求めスピーチ!http://iwj.co.jp/wj/open/archives/272784
大澤さんはまだお若いですが、その20年ほどの人生賭けての言葉が胸を打ちます。
もう一人の言葉は、 民主党・野田政権時代からTPP反対の声を上げ続けるグループ「金の亡者から命を守るために抗議する人々」の中心メンバーだという火炎瓶テツ氏の言葉をこちらから引用されています。:2015/10/20 「戦争の動機も原因も経済。軍国主義新自由主義は双子の関係なんです!」TPP反対の「公約詐欺」 ? 自民党の本部前で火炎瓶テツ氏らが抗議集会http://iwj.co.jp/wj/open/archives/271170
◎そして、ブログ主のnankaiさんは、こんな風にまとめておられます:


まったくその通りである.そしてその資本主義が実は終焉を迎えている.もう拡大する余地はない地球は有限である資本主義は拡大し続けなければ存在しえない.よってそれは終焉を迎えざるを得ない今日,唯一拡大しうる分野は兵器産業である.強欲資本主義は戦争で儲けるしかなく,紛争をあおりファシズムに走る.現代世界の紛争はこのファシズムが作りだしたものである.こうして崩壊する帝国は世界に惨禍をもたらす.今日人類が直面する最も困難な問題,それは実はアメリカ問題なのである.


現在は,資本が人間を資源として使う段階から人間が経済を方法とする段階への,転換という時代である.この認識を打ち立てよ.そしてやつらを通すな新たな,ものの循環する尊厳ある人の世を,理念をもって生みだそう.当面するわれわれの理念,それは次のようにまとめられるのではないだろうか.


天賦人権・人格互敬/人間平等・人民協和/万物共生・原発廃炉専守防衛戦争放棄

◎資本主義が行き詰まる世界とアメリカ、その中での安倍首相の役割を捉えたもう少し深刻でネガティブなムードが漂う分析を読みました。「反戦な家づくり」さんの「道はない しかし 道はできる」(http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-1428.html)です。全部が全部、納得という訳ではなく、正直、解らないところもありますが、大きな世界の流れの中の日本が描かれていると思いますし、日本の課題が「独立と反戦」というのも、そういう言い方もできるかな…と思いますし、一部 nankaiさんの理念とも重なるようにも思います。抜き出してコピーです。


マルクスの時代の資本主義は恐慌でリセットされたが、今日の資本主義は、戦争による制度と資産の徹底破壊によってのみリセットされる。


しかし、実際にリセットされるのは機械でも電気信号でもなく、生きた人間だ。
リセットされることで、多くの命が奪われるが、金融資本はそのようなことを気にかける機能を持ち合わせていない。


金融資本を動かしているのは、米国を中心とした1%x1%x1%の人間たちだ。
だが、いわゆるユダヤの云々のような、個人的な陰謀ではない。マネーがマネーを生み、一瞬でも休んだらマネーに押しつぶされる圧力で、0.0001%の人間たちも、止まれば死ぬという危機感で必死に走り続けているのだ。


絶えず投資するフロンティアを必要とするマネーは、あえて貧困を作り出し、戦争による廃墟を作り出し、内戦による荒廃を作り出して、マッチポンプで拡大を続けてきたが、もうそろそろこのような場当たり的なやり方に限界が来ていることに気がついている。
巨大なマネーは、世界を大きくリセットする必要に迫られている。


極右を使ったウクライナの政変も、IS(イスラム国)なる集団の出現も、そうした必要から生まれてきた。
世界大戦というリアリティの前に、オバマプーチン習近平が辛うじて踏みとどまっていることで、今のところ大戦争にまでは至っていないけれども、何かの留め金が外れれば、取りかえしの付かないことになる。



何がキッカケになるかは、可能性がたくさんありすぎて分からないけれども、かなりギリギリの瀬戸際にいることは間違いない。

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そうした世界の中での、安倍晋三だ。


中東から東欧を主戦場とする大戦に火がついた時、いったい誰が闘うのか?。
誰もが、米軍が主役であると想像するだろうが、米軍にはあるものが決定的に不足している。
それは カネ だ。


マネーのための戦争をするのに、マネーが不足しているという冗談のようなことが、現実に起きている。
金融資本は、戦費は負担しない。戦費は、貧者から税金という形で徴収し、武器弾薬費として金融資本が吸い上げていく。だから、戦費自体は投資ではない。
戦費を使って廃墟にした後に、金融資本は悠々と投資をするのである。


ところが、ここに至るまでに金融資本は、国家自体を徹底的に食い物にしてきた。
自分たちだけはどんどん減税し、そもそも巨額の経済活動は国家が把握して課税することすらできないようにしてしまった。
だから、世界中で税収が不足し、国の運営はままならなくなっている。


その典型が米軍である。
2013年から強制歳出削減が始まり、年10%を超える予算減を余儀なくされてきた。
2016年度は ウクライナとISの「おかげ」で増額するらしいが、それでも世界大戦をひかえた世界に冠たる米軍の姿にはほど遠い。



そこで、アフガン戦争からは、身代わり作戦を取りはじめた。
多国籍軍とかいうタテマエで、NATO軍に戦わせたりしてきたが、なにせヨーロッパの国はそれほど従順ではない。
いくら米国が「テロとの戦い」と叫んでも、自分の国の利害で判断する。


そこでクローズアップされるのが、世界8位の軍隊を持ち、米国の言うことなら自国の利害を無視してしたがうあの国である。
経済的にも、世界3位であり、まだまだ絞りとる余力がある あの隷属国家である。


隷属国家のトップには、次の条件が必要だった。
1)絶対に自分の頭でものを考えない
2)戦争にあこがれている
3)自意識過剰
4)恥とか常識が完全に欠落している


こうして、一度政権を投げ出した政治的欠格者が、再び政権の座につけられることになった。
彼の使命は、日本を「米軍の代わりに世界で戦争のできる国」にすること。


2012年末に政権に返り咲いたその男、安倍晋三は、2013年参院選、2014年衆院選という念押しをした後、ついに宣戦布告をした。
本人は渡されたとおりの台詞を言っただけで、宣戦布告をしたという自覚はないかも知れないが、カイロにおいて、また人質殺害後の会見において、実質的な宣戦布告をやってしまった。


そして、その布告を実行するための法律をも、憲法も国会も常識も踏みにじって、文字通り暴力的につくってしまった。



安倍晋三を引きずり下ろし、せめてもう少しでも自制の効いた人間をトップに据えない限りは、この戦争は止まらない。
どこかで戦端が切られるやいなや、大戦争に引きずり込まれる。
引きずり込まれるどころか、高揚した安倍晋三は、歓喜に血走った目で自衛隊を戦場に駆り出すだろう。

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事態はここまで来てしまった。
にもかかわらず、その危機感を共有できる場面すら極端に少ない。


既成の政党は、この事態の深刻さに比べたらどうでもいいことでゴチャゴチャともめ事がつづき、それに嫌気がさした人たちは得手勝手に自己満足に浸る。
トップランナーたるべき人が、各地方に数十人いれば何か打開の糸口はできるのではないか。そう思っていろいろと試行錯誤してきたけれども、私の微力では何も手が及ばないことが明らかになってきた。


この自己矛盾をかかえながら、それでも何とか前を向くためには、焦点距離を変えるしかないと思いつつある。
1年単位ではなく、10年単位で見ると言うことだ。


と、言うのは簡単だ。
しかし、今10年単位でものを考えると言うことは、その経過のなかに、おそらくは戦争があり、敗戦がある ということだ。


そんなことは考えたくない。
でも、冷静に考えれば考えるほど、それを覚悟せざるを得ない。


そうなったとき、そこまで行ってしまったときに、ふたたび1945.8.15を繰り返すのか。マッカーサーに万歳三唱しながら、自分たちの犯罪をけろっと開き直るのか。

それとも自分たちの頭で、本気で反省するのか。
その時点を見つめざるを得ない。

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「自分たちの頭で」 「本気で反省する」


これが日本の戦後に決定的に欠落してきたことだ。
意図的に、スポイルされてきた要諦だ。


そして、この「自分たちの頭で」 「本気で反省する」 を言い換えると、「自立と共生」になる。
そしてさらにより具体的に言い換えると、日本の独立と、反戦なのだ。

(菊の花の写真は、図書館横の箕面市菊花展会場に並べられた菊)