夕焼けと芦原池と『流』(東山彰良)

昨日の夕方、そろそろ戸締りと思ったころ、玄関の西窓がばら色に染まっているのに気づきました。これは夕焼け! と思って外に出ました。素晴らしい色に染まっています。

まだ青い空をバックに白く欠けた月も見えました。

金曜日、久しぶりに芦原公園を抜けることに。
池一面水草に覆われていました。除去のためボートが出ています。

椎の木に、もう実がなっているようです。南に向かって右が池、左が葦の茂み。

芦原池と中(なか)幼稚園の間の芦原

図書館から帰ったら、カゴに入った野菜が届いていました。能勢のお野菜です。大きさが分かるように本の上に置いてみました。玩具みたいに小さな南瓜とトビキリ大きな三豊ナス。

いつごろ、どうして、手帳に書き留めていたのか思い出せなかったのですが、立ち寄った図書館でこのメモを見て、借りてきました。又吉さんが『火花』で芥川賞を受賞した時の直木賞受賞作が、この東山彰良の『流(りゅう)』。
読みだしたら止まりません。朝の母とのコーヒータイムと、午後のデミタスコーヒーの出前以外は、夫の居ぬ間。家事を徹底的にさぼって読みふけりました。これは面白い。息子が薦めてくれた「三日月」も直木賞受賞作品でした。同じような読み出したら止められない物語の面白さがあります。
台湾が舞台の青春小説で、暴力的で、恐ろしい描写が続きますが、それ以上に、複雑で混沌とした台湾事情、共産党と国民党、大陸から逃げてきた外省人本省人の対立や、日本への反発と郷愁、などを巻き込みながら駆け抜ける主人公・葉 秋生が魅力的です。
物語は、1975年、秋生17歳、蒋介石の死と、祖父の殺害からスタート。犯人捜しの10年ほどが小説の内容。台湾から、日本、最後は大陸へ。ルーツ探しの旅でもあり、伴侶を求める彷徨でもあり。ヒントは冒頭の扉にかかれている言葉:「魚が言いました・・わたしは水のなかで暮らしているのだから あなたにはわたしの涙が見えません」。夫の帰国の前に読了。