1940年の映画「レベッカ」

14日(水曜日)は2ヶ月に1度の「コインdeシネマ」、今回は「レベッカ」でした。
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ヒッチコック監督のハリウッド・デビュー作品。1940年のアカデミー作品賞・撮影賞受賞
(監督賞にヒッチコックもノミネートされたが、「怒りの葡萄」のジョン・フォードが受賞)
主演ローレンス・オリビエ、ジョーン・フォンテーン(「風と共に去りぬ」のメラニー役・オリビアデ・ハビランドの妹!)
映画は勿論白黒。ジョーン・フォンテーンのナレーションで廃墟の豪邸マンダレーをカメラが進んでゆきます。
回想で物語が始まり、主役の彼女の名前は最後まで明かされません。
アメリカ人の彼女がニューヨークの富豪の奥さまの秘書として南仏モンテカルロに滞在中、大金持ちの英国紳士マキシムと恋に落ち、マキシムの再婚相手となる。前半は、英国のお城のような大豪邸マンダレーに住むことになり、シンデレラストーリーかと思えば、マキシムの前妻レベッカの影がつきまといだす。今もレベッカを崇拝しつづける家政婦ダンバース夫人は心理的にも彼女を追い詰めていく。この過程が恐ろしい!
ダンバース夫人の思惑通り、マキシムはまだ亡きレベッカを愛していて、自分はこの屋敷で孤立していると思いこむ彼女は、起死回生の策として、マキシムに喜んでもらおうと仮面舞踏会を計画し、自分が何に扮するかは秘密にしておく。ダンバース夫人のアドバイス肖像画の婦人像に扮することにした彼女はマキシムを怒らせてしまう。彼女が扮した女性こそレベッカ!その人だった。ダンバース夫人の計略だったことにやっと気づく彼女。
このとき、海の方では、船が難破、座礁して大騒ぎに。その船の下に見つかったのが、レベッカの亡くなった原因ともなったボート。マキシムの態度の急変に彼女は思う、「マキシムはやはりレベッカのことが忘れられず、本当に愛しているのは自分ではなくレベッカなのだ」。 ところが、ボート小屋でマキシムから意外な告白、「本当はレベッカを憎んでいた」事を彼女は知る。と、ここから、俄然ドラマは一転して、「誰がレベッカを殺したのか?」「自殺か他殺か?」「マキシムは?」という謎解きに。

最後は「目出度し、めでたし」で終わるのですが、2時間10分、緊張の連続。
フィルムは、映像も音声も古色蒼然といった感じでバイブレーションがかかっていますが、内容は少しも古くなくって、どきどき、わくわく。
主演のお二人の演技も見ごたえ十分。特に、幻のレベッカと張り合ってマキシムの愛を失いたくないという女心の細心な描写が秀逸です。
家政婦さんの怨念、執着、嫉妬、も十分恐ろしく、最後の炎上シーンまで一気です。
一緒に見た4人の誰も生まれていない1940年の映画が生き生きとこれ程までに楽しめるのも本当にスゴイことです。
アルフレッド・ヒッチコック監督万歳!