ジンジャーが雨の中
次々とツボミが開いて
見られることもなく
また次々と萎れていって。
台風の翌日、倒れた花は
切って花瓶にさしています。
一番花をつけた花茎にも、
いまだに新しいツボミが出て、
こんな具合に花が開いています。
一体幾つの花を咲かせるのか・・・
一つの花は一日限りですが、花全体では延々咲き続けています。
◎毎日新聞の記事を2つ。一つは子どもの甲状腺検査を縮小するよう県に要望を出したという福島県小児科医会について、鎌田實氏が、検査をなくせば甲状腺がんの子どもを減らせるというのか?と本末転倒の考え方を批判されています。4年後のオリンピックを控えて、こういう結果はまずいんでしょうね、消せるものなら消してしまいたい・・・とでも? まともなお医者さんの考えることではないですが、こんな要望が受け入れられないことを願います。(引用元は「shuueiのメモ」さん:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20160922/1474480702)
甲状腺検査縮小 隠れる真実=鎌田實
毎日新聞2016年9月18日 東京朝刊
福島県小児科医会には、驚いた。福島県が実施している子どもの甲状腺検査のあり方を縮小することを含め、見直すよう福島県に要望を出したのだ。いったい、どういう考えなのだろうか。
甲状腺検査は、福島第1原発事故当時18歳以下の子どもを対象に行われている。1巡目の検査では、甲状腺がんと診断された子どもと、がんの疑いのある子どもは115人、2014年からはじまった2巡目の検査では59人。1巡目と2巡目を合わせると、甲状腺がんと診断された子どもは135人、疑いのある子どもは39人でたことになる。
もともと小児甲状腺がんは珍しい病気といわれていたので、この数字は、専門家にとっても驚きだったはず。県小児科医会は、予想外に多い甲状腺がんが発見されたことにより、子どもや保護者、一般の県民にも不安が生じているとし、検査やその後の治療の進め方の一部見直しを検討すべきだとしている。
検査で多くの甲状腺がんが見つかってしまい、みんなに不安を与えているから、検査そのものを縮小しようというのだろうか。検査を減らして本当に県民に安心を与えられるのか。不安になるほど、がんが見つかっているからこそ、検診によって早期発見、早期治療が必要なのではないか。
ぼくが理事長を務める日本チェルノブイリ連帯基金は、チェルノブイリ原発事故の汚染地域に102回医師団を送ってきた。今年4月、ベラルーシを訪ねたとき、ミンスク甲状腺がんセンターの所長であるユーリ・ジェミチェク医師はこう語った。
「ベラルーシでは放射能汚染が少ないところでも、子どもの甲状腺がんが見つかっている。福島の放射性ヨウ素の放出量がチェルノブイリの約10分の1だからといって安心しないほうがいい」
さらに、1巡目で多くの甲状腺がんと疑いのある子どもが見つかったのは、多くの人を対象に検査すると、それだけ多くの人に病気が見つかるという「スクリーニング効果」の可能性もあるといった。だが、2巡目でも多数見つかっていることは、スクリーニング効果では説明できないと話した。
県小児科医会が心配している「甲状腺がんへの不安」は、どうしたら取り除けるのか。それは、検査をしないことでは決してない。
ジェミチェク医師は「私たちは30年間、甲状腺がん検診を続けてきた。日本でも長期的展望で検査を行うことが大事だ。そうすれば早期治療が可能になり、子どもたちの命は必ず守れる」と強調した。
子どもの甲状腺がんはリンパ節転移が多い。しかし、手術など適切な治療をすれば予後がよく、ほぼ治る。本来、見つけなくてもいいがんを見つけたのだからといって、放っておくと、がんは進行し、重い手術になったり、リスクが高まったりする。
つまり、不安を取り除くには、しっかりと甲状腺検査をし、見つかったがんはできるだけ早期に治療すること。患者さんや家族の不安を取り除くために、医学ができることは、それ以外にない。
もし甲状腺検査を縮小すれば、不信感が起こり、かえって不安を増長することになる。
そもそも原発事故発生当時、放射性ヨウ素の汚染状況を調べなかったことが問題である。当時の子どもの甲状腺の被ばく量をほとんど測定していない。そのため、甲状腺がんと原発事故の因果関係は、ある、ない、の水かけ論のままである。
このときに各地域で、数人ずつでも甲状腺の被ばく量や、放射性ヨウ素の汚染度を調べておけばよかったのである。放射性ヨウ素は半減期が8日と短いため、今ではまったく見つけることができない。
再び、同じようなことを繰り返してはならない。甲状腺検査まで縮小してしまったら、何が起こっているのか不明になり、事実に蓋(ふた)をしてしまうことになる。
◎これだけ雨が続けば心配になります、福島の原発事故現場の地下水と海、そして放射能が流れた地域の水を貯めているダム。ダム湖の底に堆積している泥の中のセシウム濃度が・・・これも今朝の毎日新聞から:
高濃度セシウム:福島第1周辺のダム底に堆積
10カ所で8000ベクレル超
東京電力福島第1原発周辺の飲料用や農業用の大規模ダムの底に、森林から川を伝って流入した放射性セシウムが濃縮され、高濃度でたまり続けていることが環境省の調査で分かった。50キロ圏内の10カ所のダムで指定廃棄物となる基準(1キロ当たり8000ベクレル超)を超えている。ダムの水の放射線量は人の健康に影響を与えるレベルではないとして、同省は除染せずに監視を続ける方針だが、専門家は「将来のリスクに備えて対策を検討すべきだ」と指摘する。
貯水線量、飲料基準下回る
同省は原発事故半年後の2011年9月、除染されない森林からの放射性物質の移動を把握するためダムや下流の河川などのモニタリング調査を開始。岩手から東京までの9都県のダム73カ所で1カ所ずつ数カ月に1回程度、観測している。
このうち底土表層濃度の11〜15年度の平均値が指定廃棄物の基準を超えるダムは、いずれも福島県内の10カ所で、高い順に岩部(がんべ)ダム(飯舘村)1キロ当たり6万4439ベクレル▽横川ダム(南相馬市)同2万7533ベクレル▽真野ダム(飯舘村)同2万6859ベクレル−−など。ただ、表層の水は各ダムとも1リットル当たり1〜2ベクレルで、飲料水基準の同10ベクレルを下回る。
同省の調査ではダム底に堆積(たいせき)したセシウム総量は不明だが、10ダムのうち福島県浪江町の農業用「大柿ダム」で、農林水産省東北農政局が13年12月、総量を独自調査。ダム底の110カ所から抜き取った堆積土の数値をもとに10メートル四方ごとの堆積量を試算。セシウム134と137の総量は推定値で約8兆ベクレルになった。
国立環境研究所(茨城県つくば市)は近く、複数のダムで本格調査に乗り出す。環境省は「ダムに閉じ込めておくのが現時点の最善策。しゅんせつすれば巻き上がって下流を汚染する恐れがある」としている。【田原翔一、栗田慎一】