避難所のピアニスト

民放の番組で、被災地域の避難所で14歳の少年がピアノを弾いているという話題を取り上げていました。
この少年は自閉症で、母親は集団生活がやっていけるのか、とても心配していました。
ところが、ピアノが弾ける少年は、集団避難されている方たちのラジオ体操の伴奏をするようになりました。
クラシックの名曲から、学校で習う歌や、流行りの曲も、何でも弾ける少年の周りには沢山の人が集まるようになり、
子どもたちや避難所の皆さんにも歌声や笑顔が戻りました。
昨日のNHKでは、この少年と母親が、母親の実家の世話になるというので、
避難所最後のお別れのピアノ演奏を取材していました。
送られる母親にも送り出す被災者の大人たちにも美しい涙がありました。
昨日の讀賣夕刊に「義援金700億円越す」という囲み記事が第一面に。
31日までに日本赤十字社中央共同募金会に国内外から寄せられた義援金が計716億円。個人や団体から「億単位の寄付」も寄せられているそうですが、「ゆめ風基金」もその団体の一つです。手元にその機関紙「ゆめごよみ風だより」の臨時号が届いています。代表理事の牧口一二氏の呼びかけが載っています。
東北関東大震災 いままでプールしてきた基金のすべてを活用してもらおう!」
「ボクたち仲間の障害者・児は、どうしているだろう。盲聾(見えず聞こえず)の仲間たちは隣人とともに逃げられただろうか。人工呼吸器と周りの人を友にしながら生き抜く仲間たちはライフラインが絶たれた街で大丈夫だろうか。慣れない環境になじみにくい子どもたちはどうしているだろうか。」

ゆめ風基金では、この大災害で被害を受けた障害者に救援金を届けます。


NPO法人「ゆめ風基金」とは1995年の阪神淡路大震災をきっかけに被災障害者市民を支援する活動の中でうまれました。
この16年間で11、758人の賛同者がえられ、北関東豪雨、有珠山噴火、東海豪雨鳥取地震、十勝沖地震、北陸豪雨、台風21号〜23号による広範な被害、新潟の中越地震、福岡沖地震で被災した障害者たちに支援金を送る等の活動をしてきました。
今回、各地の障害者団体が結束して全国組織の「東北関東大震災障害者救援本部」が東京と大阪の連携で立ち上がり、ゆめ風基金は大阪の事務局を担います。皆様方のご支援をよろしくお願いいたします。http://yumekaze21.blog39.fc2.com/

スタジオジブリ宮崎駿監督の言葉も是非記録しておきたいと思います。
3月28日の新作「コクリコの坂から」の主題化発表会見で登壇し、東日本大震災で被災した人々への思いを語った。

「今も埋葬できないまま瓦礫に埋もれた多くの人を抱える国で、
原子力発電所の事故で国土の一部を失いつつある事態の中で、
アニメーションを作っている自覚を持っている」。言葉はときおり涙で途切れた。
私たちの島は繰り返し地震と火山と台風と津波に襲われてきた。
それでももう一度、より美しくする努力をする甲斐のある島。絶望する必要はない。」

「今は高所から文明論を語るより死者を悼みたい」と話した。       (3月29日の日経新聞より)