「くった のんだ わらった」

昨日は玄関脇の北の部屋の床を床暖房にする工事日でした。
3・11以後、我が家の脱原発をいろいろ考えました。その結果、太陽光も屋根の傾きが不向き、その他の方法も効率から考えると設備費がかかるだけ。それでは、ガス風呂釜を換えるついでに床暖にしてエアコンの電気とストーブの灯油を節約しようかということに。特に北側の部屋は日が当たらずシンシンと冷えるので有効かも。
節電に関しては、先日若いお母さんが街頭インタビューで「電気、使いません。つけたらすぐ消す。電気代月1000円以下! 一人で頑張ったって皆がやってくれないと」と答えていてビックリしました。節電、我が家も頑張らなきゃ!です。
問題は、まだ2年半以上働くつもりの夫の仕事場兼山の道具置き場。動かす物の量を考えただけで嫌になってきます。でも、せっかく工事をするなら今が一番、仕事を辞めてからではあの部屋は使わなくなるかも・・・と二人で悩みに悩んで、よし、やるか!となったのが10日ほど前。先週から片付けに掛かって段ボールを「サンデイ」で譲ってもらって詰め込み始めました。サンルームと居間が荷物置き場。6畳の部屋によくもこれだけ収まっていたものと思うほどのすごい量です。
ガレージの奥には、この木曜日、子供会の新聞雑誌収集日に出すため手放すことにした本が置いてあります。あめ色になったシェイクスピア全集など諦めきれないはずですが、70歳を前に丁度良かったと夫も随分思い切って溜め込んだ書類や本を処分することに。ま、10年ほど前にこの部屋を明け渡す時私も経験済みですが。さて、前日までに片付けて、あとは家具類だけと思っていたら、「残っていました」と一重ねの本や雑誌を引きこもっていたダイニングに持ち込まれました。その中に絵本が三冊。
つい最近の日曜日、食事が終わった後、息子が「あぁ、食った飲んだ笑っただ〜」と言ったので、「ほんとね〜」と私。

夫が「何? それ?」というので、絵本の話になりました。(仕事に夢中だったあの頃、母子家庭でしたので…我が家に限らず?)

上の息子が幼稚園、下の子はまだ 2,3歳くらいの頃、福音館の月間予約絵本をとっていました。その中の一冊がこれです。
絵とお話が面白くって、六甲から引っ越すとき、”これは残しておこう”ととっておきました。ポーランドの民話がもとになっています。

ひばりの夫婦が草原の中に巣作りを始めて、奥さんが卵を産みました。
ある日、モグラが地面を掘って巣がグラグラ揺れ始めました。
ひばりの奥さんがだんなさんに「何とかして」というと、「森の狼に頼んでみる」と飛んでいって、狼に「モグラを追い払ってくれませんか」と頼むと、狼は「ただじゃいやだぜ。ごちそうをたらふくくわせてくれたら」。
ひばりは困りましたが、「村へ行ってみましょう、きっと何とかなるでしょう」と村へ。狼も走って村へ。
村では、結婚のお祝いをしている一軒の家があり、ごちそうがいっぱいテーブルの上に並んでいます。
ひばりは、上手に村人を連れ出して、その隙に狼はごちそうを次から次へと平らげました。
森へ帰ると狼は、「くった、くった、まんぷくだ。こんどは、ビールを飲ませてくれたらモグラを追っ払ってやろう」。
しかたなく、ひばりはビールの樽を積んだ荷馬車の御者の周りを飛んで、おでこをつついたりして怒らせました。
御者は棒を振りかざしてひばりめがけて力いっぱい振り下ろすと、樽に当って辺りはビールの川。
ビールを飲んだ狼は、「ごちそうも食ったし、ビールも飲んだ、今度は思いっきりおかしいものを見せてくれたら、追っ払ってやろう」。
あきれたひばりは、なんとずうずうしいと思いながら仕方なく、「それじゃ、とのさまのおやしきへ」
「ひばりは そらを とび、おおかみは のはらを はしっていきました。」
お城のベランダで宝物のクリスタルガラスの蝋燭たてに見とれていた殿様は、大事な蝋燭たてにひばりがチョンととまったので
怒った殿様は持っていたステッキでひばりに殴り掛かります。ひばりは素早く身をかわして、代わりに大事な蝋燭たてが粉々に。
「おおかみは それを みて、 おなかを かかえて わらいました。 ころげまわって わらいました。」
さて、この後です。読んでいる母親(その頃、30代前半の私)も、(子どもたちも?)、
狼は約束を破って、ひばりを食べてしまうのか…とハラハラしながら次のページをめくりますと・・・
「そして、おおかみは まきばへ かけつけて、じめんを けちらしました。
びっくりした もぐらは、 あわてて にげだしました。


ひばりの ふうふは、ぶじに たまごを かえしました。」

(ふぅ〜〜ん、おおかみ、約束、守ったの〜) よかった、よかった。
と(思いがけない?結末に)すっかり幸せな気分になります。


それからは「くった のんだ わらった」は人生最大の喜びと3人の母子は思うのでした。
                        (37、8年前のお話でした。絵本200円、送料120円)