九十四歳翁選挙に立つ

以前に何度か漢詩をご紹介した作者の方から新作を戴きました。
朝日新聞に記事が載ったのでしょうか、脱原発を願って昨年末の衆院選挙に立候補した90代の方を詠んだ歌です。
語意、大意とも作者ご本人の解説です。



<語意> 
遺偈(ゆいげ)=高僧が死後に残す言葉
幽憶(ゆうおく)=胸に深く抱く思い、深い考え
仲仲(ちゅうちゅう)=憂えるさま
終身乃計=管子(中国春秋時代の思想家)の言葉。
「一樹百穫なる者は人なり」といい、
生涯の中で最後に一番大切な策を行う、
それは「人を植えること」。
つまり人材を養成することと言っている。



<大意>
 昨年末行われた衆議院選挙に埼玉県から川島良吉という九十四歳の方が
憲法改悪阻止の強い思いと脱核の意を持って立候補された。
「葬式代」だった三百万円を供託金とされたという。ご自身に対して、
またそれを容認された親族の方に対して驚きと同時に尊敬の念を強く持ち胸が熱くなった。


 結果は最下位だったが、その後この老人の行動は大きく共感を呼んでいるとのこと。
先日は東京のライブハウスで、SLANGというパンクロッカーグループが「おじいちゃんありがとう」の意を込め、世の中に問題を提起した行動をたたえて歌った。
カンパのための基金もたちあげたらしい。手紙や、募金も続いているとのこと。
この老人の行動は若者たちの心を動かし立ち上がる動機となっている。
こんな若者がいることにも、またまた胸が熱くなる。




◎作者の方から頂いたメールには、「最近 憲法改悪の風潮が強まり 空恐ろしくなりますね。私は 1936年生まれで 戦争を体験しています。そんな者が しっかりと 戦争の空しさ 恐ろしさを 伝えていかなければと 責任を感じます。『憲法改悪反対』というだけで 冷たい目で見られたり 非国民扱いされたり・・・絶対そんな世の中にしてはいけないけれど そんな世の中になりはしないかと 危惧するときがあります」。
◎昨日、還暦を過ぎたばかりの方とのお茶飲み話でも、同じような話になりました。「こうなったらイヤだな〜、こうなったらアブナイな〜と思った方向に、ここ数年なってきている・・・」と。
◎「自民党憲法改正案」を検索して最初に出てきたのを参考までに:「日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に・・・ 」(http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm

左から久しぶりに外に出した鉢植えのミニラン、中デマリ、芳香を放つ羅生門蔓(ラショウモンカズラ)、コデマリ