宮崎駿監督の「憲法改正について」

◆『憲法改正問題を取り上げた、スタジオジブリ発行の無料冊子「熱風」の7月号が話題を呼んでいる。最新作の映画「風立ちぬ」を公開中の宮崎駿(はやお)監督ら4人が談話や寄稿で憲法改正に反対を表明する内容。今月10日から全国約40書店に並んだが、すぐにはけ、書店に問い合わせが相次ぐ。冊子は初刷りのみの発行で、ジブリ出版部は急きょ、インターネットで電子版の公開を始めた。』
これは、22日の「るりとうわた」さんのブログで紹介された毎日新聞の記事の出だしです。(コピー元:http://d.hatena.ne.jp/sasameyuki47/20130722/p1

◆19日の「特別な1日」さんでもこの「熱風」が取り上げられ、次の一節が紹介されました。
(コピー元:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20130719/1374245131

『戦前の日本は悪くなかった』と言いたいのかもしれないけれど、悪かったんですよ。それは認めなきゃダメです。慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪して賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは『両方で管理しましょう』という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずはありません。(中略)そんなことよりも今は、日本の産業構造を変えていこうという真面目な取り組みをすべきだと本当に思いますよ。 こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこないじゃないですか。 
◆21日の「shuueiのメモ」さんでも取り上げられました:コピー元:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20130721

宮崎駿監督がスタジオジブリ(東京都小金井市)発行の小冊子「熱風」に寄せた改憲反対の記事が大きな反響を呼んでいる。「憲法を変えようなんて、もってのほか」。


 憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。本当にそう思います。


 法的には96条の条項を変えて、その後にどうこうするというのでも成り立つのかもしれないけれど、それは詐欺です。やってはいけないことです。国の将来を決定していくことですから、できるだけ多数の人間たちの意見を反映したものにしなきゃいけない。多数であれば正しいなんてことは全然思っていないけれど、変えるためにはちゃんとした論議をしなければいけない。


 それなのに今は、ちょっと本音を漏らして大騒ぎを起こすと、うやむやに誤魔化して「いや、そういう意味じゃないんだ」みたいなことを言っている。それを見るにつけ、政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆れるばかりです。考えの足りない人間が憲法なんかいじらないほうがいい。本当に勉強しないで、ちょこちょこっと考えて思いついたことや、耳に心地よいことしか言わない奴の話だけを聞いて方針を決めているんですから。それで国際的な舞台に出してみたら、総スカンを食って慌てて「村山談話を基本的には尊重する」みたいなことを言う、まったく。「基本的に」って何でしょうか。「おまえはそれを全否定してたんじゃないのか?」と思います。きっとアベノミクスも早晩ダメになりますから。

◆◆「熱風」での宮崎駿氏の憲法改正について、「憲法を変えるなどもってのほか」全文はコチラですhttp://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdf
縦書きで4〜12頁までありますが、話し言葉で書かれていて読みやすいので是非全文を。
1941年生まれの宮崎氏が、戦争中や戦後、父親と戦争のことを語っています。
9条と自衛隊の問題では、「今までこれだけウソをついてきたのだから、つき続けた方が良い」とか「領土問題」については、「両方が管理しましょう」しかない。「かつて日本が膨張したように、膨張する国もある。でも、その度に戦争するわけにはいかない。それよりは、今は日本の産業構造を変えていこうという取り組みを始めるべき。こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこないじゃないですか」。
頷きたくなるお話がたくさんあり、70代の人たちが、こうやって声を上げてくださることは、とても頼もしいです。
(花の写真はゼラニウムルリマツリ、とYさん宅の薄いサーモンピンクの夾竹桃
◆◆◆お隣り日記さんを覘いて、そうだ、そうだ、ここも良かったと気づかせていただいた個所、コピーしてみました:

僕は仕事場の隣に保育園を作ったんですが、これは本当によかった。いちばんよかったのは僕にとってなんです。チビたちぞろぞろ歩いているのを見ると、正気に戻らざるを得ないんです。この子たちがどうやって生きていくのか、と考えたら、それ暗澹たるものだと思うけど、じゃあ、生まれてこなければよかったのかって、そんなことは言えない。やっぱり祝福しなきゃいけないし、実際、祝福できる。だから「なんとかなるよ」と言うしかないんですよ。