「知られざる衝撃波〜長崎原爆・マッハステムの脅威〜」

◎プロローグとして:
アメリカのミシガン州出身のアーサー・ビナード氏が2年前の千葉県母親大会で講演をしておられます。その中で広島長崎の原爆投下について触れています。「ほのぼの日記」のmiyotyaさんが昨日のコメントで教えてくださいました。まず引用してみます。
(引用元:<「第55回千葉県母親大会」に参加して>http://d.hatena.ne.jp/miyotya/20120709

次に「放射能とどう向きあうかー日本でいのちをまもるためにー」という

テーマで、記念講演がありました。

講師はアーサー・ビナートさん(詩人)アメリカのミシガン州出身です。

講演の内容をまとめてみました。


『日本の広島・長崎への原爆投下は、戦争を早く終わらせる為に必要なことだったと、教わった。中学頃までは信じていましたが、その後あやしいと思いながら過ごした。

大学卒業とともに日本に来た。そして数年後に広島の原爆資料館に行って見方が大きく変わった。

ピカドン」という言葉を聞いて、自分の見方が間違っていた。

この言葉は英語にはない。広島の街に立った視点から見た現象だ。


トルーマン大統領が何故原爆を投下したか、そこには膨大な金を使ったマンハッタン計画が極秘に行われていて、政府のごく一部の中枢が知っているだけで副大統領もアメリカ国民も知らなかった


何故8月6日と9日に原爆を投下したか、戦争の締結を引きのばしてアメリカ国民の生活を守るために原爆を投下する必要があった。

広島の原爆はウラン爆弾・長崎の原爆はプルトニュウム爆弾。

そしてこの2発の原爆投下で戦争が終わり、原爆投下の正当性をPRした。

こうして、戦後マンハッタン計画の利権構想が出来上がった


その後、水爆実験がビキニ環礁で行われた。水爆は広島の1000倍の威力がある。

アイゼンハワー大統領は、核兵器を作り続ける為に、利権を守る構想キャンペーンを作った。

それは原子炉を売る。原子炉でプルトニュウムを作りだす


しかし、原子炉を売ることが一番難しい。

そこで原子力の平和利用を考え、日本の中曽根首相や正力松太郎氏などが核兵器を手に入れたい為に動いた。

原発は外部への影響はないというが、いつかは外部へ出る。

原発を作ること自体が犯罪だ。原爆と原発は同じ本質であり、核の利権から子供達を守る為に利権の絆を断ち切る必要がある。』


広島・長崎への原爆投下が意味するもの・現在までの核兵器の利権の歴史が良く分かり、拍手がなり止みませんでした。

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さて、「長崎原爆」の衝撃波についてのNHKスペシャル。放送予定の8月9日ではなく(台風のため?)18日(月)の放送でした。録画していなくて、途中からこれは大事な内容だと少しメモしました。
NHKの案内(http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0809/)では:

知られざる衝撃波〜長崎原爆・マッハステムの脅威〜
初回放送


総合2014年8月9日(土)
午後10時00分〜10時49分


69年前の夏、長崎を襲った原子爆弾。町も建物もことごとく壊滅したため調査の糸口がなく、その詳しい破壊のメカニズムはわかっていなかった。そうした中、去年、長崎原爆の破壊力を解明する手がかりが見つかった原爆投下直後に長崎入りした学術調査団が残した34点の写真。


着目しているのは爆心直下ではなく、爆心500m地点だ。爆心地の500m先で突如、爆風の威力を増幅させる圧力波「マッハ・ステム」が立ち上がり、破壊力を増した爆風がドーナツ状に壊滅的被害を広げていく様を捉えていた爆心地の西500m、旧・城山国民学校を写した1枚は、鉄筋コンクリート建て校舎が湾曲し、厚いコンクリート壁が跡形もなく粉砕されている。死者138人。遺体の半数近くが爆風によって激しく損壊していた。


番組では、新たに発掘した写真や証言記録などをもとに、138人が死亡した城山国民学校の惨状をCGで再現、長崎原爆の破壊メカニズムを徹底的に分析。69年前のあの日、爆心500mで何が起きていたのか。核兵器の非人道性の原点に迫る。


「1945年、長崎に投下された原子爆弾被爆直後の死者のおよそ半数は、爆風が原因と見られているが、詳細はわかっていない。2013年、爆風での破壊を解明する手がかりが見つかった。爆心地から遠ざかるほど爆風が威力を増す「マッハステム」という現象を捉えた一枚の地図。取材を進めるとアメリカがマッハステムの破壊力を事前に計算し、意図的に利用したことが明らかになった。長崎を襲った衝撃波マッハステムの脅威に迫る。」

城山国民学校で注目されたのは左の壁面が吹っ飛んだ校舎。2階(?3階)では九州各地から動員された女学生が働いていた。100人中96人が死亡している。
いつも4人のグループで仕事をしていた金谷弘子さんは11時に防空壕を掘る当番で外に。11時02分。原爆(ファットマン)投下。金谷さんは中村さん、野本さん(写真下二人)とは外に出てくる二人に会っていた(その後死亡)。残るもう一人(写真右の)奥さなえさんがどうなったかわからなかった。しかし、アメリカの資料の中に見つかった。[63番 ● blast]。

原爆投下から2カ月たった10月、アメリカは調査団を送り込んだ。「焼き場に立つ少年」のジョーオダネル氏が日本にやってきて写真を撮ったのもこの時でした。

アメリカは138人の命を記号と番号で記していた。●は即死。半●はその後の死亡。名前、生年月日、性別、場所、死因(blast=爆風、radiation=放射能、crushed=圧死、did not distinguished、等々)、被害の実態を詳細に調べてその後の核(兵器)開発に利用した。
アメリカが新型爆弾のために作った目標検討委員会では、放射能の影響についてはほとんど関心がなく、爆発の威力、破壊の威力に関心があった。
原爆の目標は、住宅を全壊させること、民間の建物の破壊が目標であった。当時の関係者の言葉:「実験用に家を作ることは出来ても都市を丸ごと作ることは出来ませんからね」。明らかに新型爆弾の実験であった。
爆弾が爆発した上からの圧力と、それが地面に当たって跳ね返るときの圧力、この二つが重なった時爆風の威力は最大となり、これを「マッハステム」と呼ぶ。これが最大になる地点を計算、高度503m、爆心地(グラウンドゼロ)から1.7kmまでが計算された。威力は十分であった。(トップの写真と顔写真から4枚の写真は画面を写したものです。あとはNHKからコピーです)
 

◎番組の前半で紹介された竜巻の強さを測る基準を作った藤田哲也博士の研究については、今年1月にNHK福岡放送局が番組を放送しています。今回の番組自体がこれをベースにしたもののようです。テキスト全文を読むことができますので下記で是非! 引用元:http://d.hatena.ne.jp/akamac/20140818/1408371687

2014-08-18

[intermezzo]280長崎原爆の衝撃波・マッハステム


NHKスペシャル「知られざる衝撃波――長崎原爆・マッハステムの脅威――」を観た。


原爆投下がなんのためのものだったのか。どうすれば人を効率的に殺すことができるのか。アメリカは用意周到に準備していた



竜巻の強さの標準になっているF-Scaleの考案者・藤田哲也の研究の原点が長崎原爆にあったことは歴史の皮肉だろうか藤田の残した記録が昨年発見されたことから解明された新事実は衝撃的だった。


1月に放映された「長崎原爆 1枚の地図――あの夏 科学者は何を見たのか――」(NHK福岡放送局http://www.nhk.or.jp/fukuoka/frontier/back/back_140124.html)を踏まえたNHKならではのスペシャルだった。