メモ代わりに、吉本隆明と高知白バイ事件

◎昨日の日曜日、夫は山の会の新年会。3時ごろに両親をお茶に誘ったら、部屋に入るなり母が「NHKにして〜」。
私は読売テレビの「そこまで言って委員会」を見ていました。何かと思えば、民主党の代表選挙でした。父も何も言わないで熱心にテレビを見ていたので大いに関心があったのだと思います。
一度目で、細野さんと岡田さんが僅差。決選投票で岡田氏が国会議員6人の差で代表に。母は年齢からいって、細野さんはまだチャンスがあるから岡田さんが妥当という考え。私は、細野さんが維新との合流の可能性を仄めかした時期があるので、どちらかというと安倍さんの下では憲法について持ち出さないという岡田さんでいいかな…
母が言うとおり、自民党一人に任せておいてはダメ。とってかわる勢力が育たないと政治はダメというのはその通りだけど、右は自民党や維新と変わりないという人たちまでいる今の民主党では…とちょっと悲観的。応援したい政党やグループが早く生まれてくれないかと思っています。
NHKETV特集「知の巨人たち」の第五回:


2015年1月10日(土)午後11時〜翌0時30分
【再放送】2015年1月17日(土)午前0時00分〜午前1時30分(金曜深夜)
第5回 吉本隆明

戦後の言論界を走り続けてきた思想家・吉本隆明。膨大な仕事は、文学から政治、宗教、社会思想、そしてサブカルチャーに至るまで幅広い。六〇年安保では学生達の先頭となり国会に突入、六八年の大学紛争時には、代表作『共同幻想論』を発表、個としての思考の自立を説き、大学生たちの圧倒的な支持を得た。高度消費社会を前向きにとらえ、大衆の行動に意味を見出した。同時に、常に常識を疑い、権威と闘い、時には物議を醸す発言もした。社会学者・西部邁さん、上野千鶴子さん、橋爪大三郎さん、作家・高橋源一郎さん、ミュージシャン遠藤ミチロウさんら、幅広い層からの証言で紡いでいく。

吉本隆明、私にとってはちょっと宿題みたいになっている人物ですので、10日、見ました。
上野千鶴子さんが、「分からないことは分からないで黙ってればよかったのよ」と70年代以降からの吉本隆明氏の発言(サブカルチャーについて)をバッサリ否定なさっていました。当たっているのか判断がつきませんが、上野千鶴子さんを見直しました。上野さんは、吉本氏の独自の取り組方については大いに評価し、ご自分も影響を受けたことを話しておられました。上野千鶴子さんのジェンダー論での活躍は、吉本隆明氏の「共同幻想論」につぐ「対幻想」が出発点だったことも分かりました。
〇以前、吉本氏没後の番組「ETV特集 吉本隆明 語る〜沈黙から芸術まで〜」では、天邪鬼な方なのかな〜と思いましたが、戦争の体験から多数派の考えに敢えて反対の立場に身を置いて、多数派の意見に物申しておられるのかも.と思いました。言語はコミュニケーションのツールではない。まず「自己表出」として存在し、そして「支持表出」としてある、という考えも納得です。宿題になっている本も読まないと・・・・


◎日曜日の朝の報道ステーションの特集「高知白バイ事件」を見ました。
事件の概要はネットで探せばたくさん出ています。その一つはこちら:http://hanzaikochi.web.fc2.com/
裁判で事故当時スクールバスは止まっていたとバスの乗客だった生徒や先生、25名の証言、そしてバスの後ろについていた車を運転していた校長先生の証言が信用できないと言われ、身内であるたった一人の白バイ警官の”目撃証言”が信用される。誰が考えても理にかなっていると思われるスリップ痕ねつ造鑑定書も退けられる。「裁判所って一体だれのためのもんなの?」という奥さんの言葉。
番組ではスリップ痕に次いで証拠写真の一枚が合成写真だという証拠(一緒に写っている路線バスの時間が合わない、など)もあげられていました。
冤罪事件を起こしているのは裁判所です。証拠をねつ造する警察も警察ですが、それを黙認して無罪の罪人を作り出す裁判官って一体、何?? 何のため?
国家権力、というのは威信や威厳を維持するためには何でもやる、というのは戦前も戦後も今も変わらないというのを思い知る内容でした。こんなことを許していては…の思いで再審請求されている方に頑張ってほしいと思いました。
天木直人氏のブログでも触れておられます:「高知白バイ冤罪事件の正義は必ず実現されなければいけない」(http://www.amakiblog.com/archives/2015/01/18/#003089