垣根のバラと金曜デモと伊方原発「適合」


あの日からカウントを続けておられるkeniti3545さんによりますと、もう1500日を超えました。そして、金曜日ごとの官邸前のデモはまだ続いています。テレビや新聞で取り上げられることはありませんし、知る人ぞ知る市民の示威行為ですが、常時1000人以上の人たちが再稼働反対を訴えて官邸前で抗議の声を挙げているということは、原発事故以後の新しい日本の動きの大きな一つであることは確かです。
それを参加の度にブログで報告していただけることもとても有難いことです。1日遅れですが、「特別な1日」さんのブログでデモの様子を。今回のタイトルは:『賃金とGDPに見るアベノミクスの成果』(笑)と『4つの処方箋』、0522 再稼働反対!首相官邸前抗議/span>
◎ここ20年の推移をグラフで表して「アベノミクスの成果?」を検証されています。そのまとめです:

まとめると、この約20年間で常用の雇用者の給与はピーク時に比べて1割以上下がり、パート雇用者の給与は1割弱上がった。その結果 全体の実質賃金も約1割下がった。この傾向はグローバリゼーションや製造業の衰退など構造的な産業変化が大きく影響しているのでしょう。だが、アベノミクスでその傾向が加速し、実質賃金は統計が始まって以来 最低の値になった。山一や拓銀が潰れたときよりも、小泉不況よりも、リーマンショックの時よりも、あの酷かった民主党政権当時よりも、今のほうが生活は厳しい。


次いでGDPについてもグラフを紹介したうえで:「名目成長率は大して上がっているわけではないし、生活実感を表す実質成長率は悪化している。GDPの面から見てもアベノミクスは全然成果なんか出ていないことが判る。ヨイショモードの国内マスコミとは対照的に、ロイター通信は『さえないGDP』と報じている。」「実質賃金は下がり続け、経済成長率も大したことない、上がったのは株だけ、国民の生活は苦しくなった。これがアベノミクスの成果です(笑)。与野党ともに、これでぼ〜としてる政治家はどうなってるんだよ。」
★是非、ブログを訪ねて一目でわかるグラフをコチラで:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20150522/1432301596
◎「じゃ、どうするか」については、「エズラ・ヴォ―ゲル氏(ハーヴァード大名誉教授)が今日5月22日の日経『経済教室』で非常に良いことを書いていた」と、「日本の現状」と「将来への処方箋」をまとめて紹介されています。

◎今回のプラカードはコチラの写真をコピーさせていただきました。
伊方原発についてのSPYBOYさんのコメント:

伊方原発3号機が再稼働審査に『合格』したそうだが[伊方原発が新基準に「合格」、冬にも再稼働へ : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)]、実にふざけた話だ。今日も『伊方原発に反対する会』という団体の女性がスピーチしていたが、彼女によると『愛媛県民の7割が再稼働に反対しているし、依然 避難計画も出来ていない』と言う。ボクは官邸前に来るようになるまで、伊方なんてところは見たことも聞いたこともなかった。が、官邸前で伊方再稼働に反対する大学生の話を何度も聞いて、とんでもないと思うようになった。原発は半島の付け根に立地していて、事故が起きたら半島の住民が避難するのははっきり言って難しい。おまけに瀬戸内海に面している。いったん事故が起きたら、広島の牡蠣もフグも大分の城下鰈も関サバも関アジもアウト、と考えるのが普通だ。そんなところに原発を作る方が間違っている。まして再稼働なんてとんでもない!


◎私は、祝島の当時で28年間に及ぶ上関原発建設反対闘争を描いた映画を見た時に、この伊方原発について知りました。(「ミツバチの羽音と地球の回転」:http://d.hatena.ne.jp/cangael/20111024/1319441181
上関も一旦何かあれば瀬戸内海全滅という事になる位置です。中国電力が準備工事中で、今は工事が中止されています。コチラで:http://www.energia.co.jp/atom/kami_menu.html
その向い側に当たる伊方原発四国電力のサイトにその所在地を示す地図が載っていますのでコピーです。事故の際、原発より西の住民の避難が問題になっています。「四国の西北端から九州に向かって細長く伸びた佐田岬半島伊方発電所はその瀬戸内海側にあります(四国電力)」
◎ついでに東京新聞の記事も:

伊方原発「適合」 課題は置き去りのまま

2015年5月22日


 四国電力伊方原発3号機(愛媛県)が、原子力規制委員会から新規制基準に「適合」と判断された。事故時の住民避難については、今回も置き去りだ。従って、再稼働の“お墨付き”とは呼び難い。


 九州電力川内原発(鹿児島県)、関西電力高浜原発福井県)、そして伊方原発と、3・11以前への回帰がそれこそ粛々と、進んでいるように感じてしまう。


 福井地裁は先月、高浜原発再稼働差し止めの仮処分決定で、地震の揺れに対する規制委の評価の甘さを指摘した。伊方原発の場合も、そうではないか。


 伊方原発の敷地のすぐ北側の海底を中央構造線が走っている。関東から九州まで、長さ千キロに及ぶ、日本最大級の断層帯だ。阪神大震災も、その近くで発生した。


 一八五四年十二月二十三日から翌日にかけ、安政東海(M8・4)、安政南海(M8・4)の巨大地震が連動して発生した。南海トラフ巨大地震だ。二日後に、伊方原発がある佐田岬半島西端を震源とする伊予西部地震(M7・3〜7・5)が起きている。


 南海トラフ中央構造線原発の近くに並行して巨大地震の巣が横たわる。ところが規制委は、四国電力が想定される地震の揺れを当初より一割強引き上げただけで、よしとした。住民の不安は、それで解消されるのか。



 最大の疑問は今回も、有事の際の避難経路と手段である。


 伊方原発は半島の付け根にあり、そこから先には約五千人が住んでいる。その人たちに、事故を起こした原発に向かって、どう逃げろというのだろうか。


 大分側へ船で逃れるという案がある。混乱の中の海上避難は恐らく容易ではないだろう。


 避難計画が審査の対象になっていないのが、そもそもの間違いなのではないか。


 思い出してもらいたい。なぜ新たな規制基準が必要になったのか住民の命と暮らしを守るためである。それには、より広範な住民対話も欠かせない


 電力会社だけではなく、住民の不安や疑問も十分くみ取った上で、判断を試みるべきではないか。


 審査書案公表後の住民説明会なども、限られた人々を対象とした通り一遍のものとしか思えない。司法の指摘に耳を傾ける気配もない。まるで3・11前である。


 「適合」判断三例目。規制委自身、その審査姿勢を一度よく、振り返ってみるべきではないか。

引用元:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015052202000128.html
(写真は20日、満開のピエール・ド・ロンサール。自転車を止めて写真を撮っていると、二人連れの方から「キレイですね」と声を掛けられました。「本当にきれいですよね〜」と言うと、「お宅のでは…」「いえ〜、毎年この季節、ここまで来て楽しみに見せてもらっているんですよ〜」と私。)