”平和学の父”ガルトゥング博士の”積極的平和”

●タイトル記事に入る前にNHK元職員の方のアピールを!
「☆句の無限遠点☆」さんに動画でNHKは安倍さんと心中するな!」−−ジャーナリストの鏡 元NHK職員永田浩三氏のアピール」が。
6分ほどの内容ですが、勇気ある告発だと思います。
コチラで:(http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20150826/1440550514)

◎30日を控えて、おさらいのつもりで、昨日、「戦争法案」「シールズ」の次に、「積極的平和主義」についてまとめ始めていました。タイミングよく、前夜の報道ステーションでは、安倍首相の云う「積極的平和主義」よりも、何十年も前に「積極的平和」を提唱していたノルウェーのヨハン・ガルトゥング博士(85歳)をとりあげていました。大変解りやすい内容だったので、写真と一緒に・・・
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安倍総理が70年談話でも触れた"積極的平和主義"、それと同じ日本語"積極的平和"という考え方を40年以上も前に提唱したのがノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥング博士です。同じ”平和主義”という言葉を使っていても考え方は全く違うようです。」

ナレーション「沖縄辺野古の海を見渡すノルウェーのヨハン・ガルトゥング博士。”積極的平和”という概念を40年以上前に広めるなどし、”平和学の父”と呼ばれている。博士は安倍総理が掲げた”積極的平和主義”を批判しています。」

ガルトゥング博士:「日本政府が使っている”積極的平和主義”は、我々が主張する”積極的平和”とは正反対です。”積極的平和”の要は、互いが紛争を解決できる形で関係を築くことです。」
ナレーション:「安倍総理も安保法制を進める目的として「積極的平和主義」を掲げているが、博士が提唱する「積極的平和」とは、英語では異なるが日本語にすると同じだ。
今年4月アメリ連邦議会で安倍首相は英語のスピーチの中でこういいました:「私たちが掲げるバナーは”国際協調主義”に基づく”積極的平和主義”です。

ナレーション:「ガルトゥング博士の積極的平和”は、武力に頼らず「戦争」の原因の貧困や差別などの問題を根本から解決する現実的取組のことです。
ガルトゥング博士:「安保法案」は非・安保法案で、真逆の効果です。

アメリカは、日本に肩を並べて戦ってくれる仲間になってほしいのです。なぜなら、ドイツやフランスがもはやアメリカの協力に加わろうとしないからです。
アメリカは今イスラム国と戦っています。
その戦いで日本に協力してほしいのです。

ナレーション:ガルトゥング博士はペルーとエクアドルの国境紛争の解決など、国家間や宗教観で起こる紛争の解決に50年以上携わってきた経験を持つ。その博士が、「戦争の原因となる過去の事実を調査する国際的組織を作るべき」と提言する。
ガルトゥング博士:「”慰安婦”については多くの違う報告書が出ている。南京、強制労働について国際的な事実調査を委員会に託し、アジア太平洋地域の問題解決を支援するのです。」

「北東アジアでもEUのような共同体が出来るはず」と主張。「軍備増強では何も解決しない軍備競争が進むだけです」。
「中国、朝鮮半島、日本、極東ロシアなどが協力して共同体を作るのです。」「特に東アジア共同体の本部をどこに置くべきかでしょうか?」
それは沖縄です。」「戦争が起きたら沖縄のリスクが高まります本部になることで、平和の傘を広げられます。」
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古館キャスターのコメントのあと、立野純二朝日新聞論説副主幹:
 博士は、決して浮世離れした理想主義者と位置付ける人物ではない。専守防衛のための軍事力は必要だという現実主義者でありますし、実際、世界各地で紛争調停の実績を積んでこられた

 その博士が朝日新聞のインタビューにも答えておられました。その中で、安倍政権が目指している安保法制は”積極的平和”に逆行するものだと批判される一方で、それだけでなくて、同時に日本は憲法9条を安眠枕に使っていませんか?ということを仰っています。
 博士は、憲法9条というのは、世界に広めるべき平和に資する重要な手段であると高く評価されているが、日本は、その9条を使い切っていないのではないかという苦言を呈されている。
 一国平和主義ではいけない。これは、国民の多くも、そう思っていると思います。では、その答えが、今、安倍政権が出している安保法制か、安倍政権が言っている日本が海外へ行って軍事行動の幅を広げていくことが、その答えだろうか、そうではないだろうと。むしろ外交力を高めることこそ日本の積極的平和主義なんじゃないのか、という事だと思うんです。

 貧困、格差、そして今ですと最大の問題は難民対策だと思いますが、こういった人道問題にこそ、日本が果たせる役割はあるんじゃないのか。また紛争の調停にもっと乗り出すこともできるだろう。そういういった事を置いておいて、どうして軍事力の話にばっかり進んでしまうのか、というところに矛盾があるのではないだろうかと思う。
 博士の云うところの創造性のある独自の外交を私たちはもっともっと考えて行かなければならない。
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以上が、先日火曜日の報道ステーションでの内容です。
★「THE HUFFINGTON POST」では、6月25日付の<「積極的平和主義」は概念の盗用 提唱者ガルトゥング博士が緊急来日> の記事の中で、”平和学の父”ヨハン・ガルトゥング博士の来日のためのクラウドファンディングを呼びかけていました。(http://www.huffingtonpost.jp/kenji-sekine/japan-positive-peace_b_7651094.html

<前略>

「積極的平和」のそもそもの提唱者、ガルトゥング博士を日本に!


安倍政権が多用する「積極的平和主義」。実は平和学では「積極的平和」とは、有名なコンセプトであることを知りました。「積極的平和」とは、貧困、抑圧、差別などの「構造的暴力」がない状態のことをいい、決して「テロとの戦い」に勝利して、脅威を取り除くようなことではないのです。


この「積極的平和」を提唱したのは、平和学の第一人者で世界的に「平和学の父」と知られるヨハン・ガルトゥング博士であることを知りました。世界中の大学で平和学を教えて来られ、これまでに世界100ヶ所以上の紛争調停をしてきた実践者でもあります。これは日本に呼ぶしかない!と動いた所、ご高齢にもかかわらず、日本のことを心配してくださり、来日を決意してくれました。


Skypeで博士と話した時、安倍総理が「積極的平和主義」を旗印に掲げていることをどう思うかと聞くと、

私が1958年に考えだした「積極的平和(ポジティブピース)」の盗用で、本来の意味とは真逆だ

とおっしゃいました。  <後略>

安倍内閣の「積極的平和主義」は「新語時事用語辞典」のコチラ(http://www.breaking-news-words.com/2014/02/blog-post_2943.html
★今朝(27日)の朝日新聞にはガルトゥング博士のインタビュー記事が掲載されたとか。「「AO153の日記」さんがブログで書いておられます。「ヨハン・ガルトウンクさんのインタビューに思う」(http://d.hatena.ne.jp/A0153/20150826/1440594300)