「立憲主義否定の自民党改憲案」と、シールズのガイドブックから他

内田樹さんがリツイート

布施祐仁 ‏@yujinfuse · 7月5日

昨夜の報道ステーションの選挙情勢。「投票で最も重視する政策」で「憲法」が前回より5ポイント増。比例の投票先でも自民と公明が減って、民進と共産が増えている。与党の「争点隠し」にもかかわらず、改憲への危機感は広がってきている


↑自公の支持がともにマイナスですね〜安倍さんの声のトーンが上がるはずです。昨日の新聞では「改憲勢力3分の2に迫る」、「自民、単独過半数も視野」とか、オソロシイ?見出しが躍っていましたが・・・・
ところで、もし、本当に参院選の結果、3分の2を改憲派が占めれば、自民党改憲をやりたければやれる条件が整います。
今までの例からして、選挙で争点隠しして、勝てば、やる、が続いています➡
今回も、もし、勝てば、やるに違いないと思われます。
自民党改憲草案を読むと、枝野幸男氏が使った言葉、「おぞましい」が思い浮かびます。
憲法の条項や、項目の修正ではありません、憲法の根本からの改憲、まさに憲法の破壊の『壊憲』です。
新しい近代憲法立憲主義をやめてしまって、戦前、戦中の欽定憲法の復活に近づいています。

憲法99条 
天皇または摂政および国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

ここに、国民は含まれていません。憲法を守るべきは国民ではなく国家の方なのです。それは、ときに国家権力が暴走して、私たちの生活を脅かすことがあるからです国家が無制限に好き勝手に法律をつくってよいのであれば、やりたい放題の政府になってしまいます。それを防ぐため、憲法にって国家を縛り付けておきます。このように憲法によって国家を律して政治を行うことを「立憲主義」といいます。
ところが、自民党改憲案では:

改憲案102条1 すべて国民は、この憲法を尊重しなければならない。

 これは、現憲法とは全く逆、立憲主義とは正反対の考え方であり、改憲案は近代国家における憲法のあり方を根底から無視しています。
 立憲主義がないがしろにされると、国家が国民に保障している自由や権利は様々な制約を受けるでしょう。国家が憲法を守らなくてよいとなれば、政府に批判的な表現活動をしている人が何らかの規制を受けあり、財政難を理由に生活保護費が削られたりする可能性もあります。

自民党改憲案では、「人権が軽視されて、国民に義務を課す憲法に」なります



問題点は、次の四つに集約されます。
(1)立憲主義から非立憲主義(2)平和主義から戦争をする国へ
(3)天皇の元首化と国民主権の後退
(4)権利拡大には後ろ向き、義務拡大に前のめり


改憲案全体に貫かれているのは、人権の保障度を下げ、たくさんの義務規定を盛り込むことで立憲主義と決別しようとする姿勢です。

改憲案では削除される基本的人権をうたった条項

憲法97条 
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、甚る知の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に耐へ、現在および将来の国民に対し、犯すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 この条項は基本的人権の本質を示したものだといわれています。本当なら国民の権利と義務について規定した現憲法三章(10条〜40条)に入れるべき条項ですが、現憲法が人権を保障する憲法であることを強調するため、憲法最高法規であることを規定した現憲法十章(97条〜99条)の先頭におかれています。
 この条項を削除したということは、基本的人権を軽視すると宣言しているに等しい


 一方で、改憲案には様々な義務規定が盛り込まれました。今までも国民には「納税」「教育」「勤労」の三大義が課されていましたが、改憲案では一気に数が増えました。すべて挙げると:


 国防義務(改憲案全文三段)、日の丸・君が代尊重義務(改憲案3条)、領土・資源保全義務(改憲案9条の3)、公益及び公の秩序服従義務(改憲案12条)、個人情報f等取得等禁止義務(改憲案19条の2)、家族助け合い義務(改憲案24条1項)、環境保全義務(改憲案25条の2)、地方自治負担分担義務(改憲案92条2項)、緊急事態支持服従義務(改憲案99条3項)、憲法尊重義務(改憲案102条1項)


 国民に憲法を守る義務を課す条項(102条1項)を根拠に、これらの義務規定を国民に守らせるための法律が次々と作られる可能性は高い法律になれば、違反した人に罰則が科せられる恐れもある。憲法で国民に新たな義務を課すということはそういうことなのです。


以上「憲法問題 なぜいま改憲なのか」(伊藤真PHP新書)のプロローグから書き移してみました。
◎シールズの若者たちが今回の参院選に向けて作った
ガイドブック(http://sealdspost.com/archives/1260)があります。
その中からです。
大事な憲法13条について、イラストで説明している頁です。
公共の福祉に反しない限り」認められる自由が、
公益・公の秩序」に反しない限りに変えられます。
変えられてしまってからでは、英国の『大後悔』二の舞です。
せっかく、あの戦争でおびただしい犠牲を払って得た自由です。
簡単に手放しては、戦死した方たちに申し訳が立ちません。


もう一つは、「ウィンザー通信」さんの少し前のブログから。
あの報道ステーション3月での古館キャスター渾身のサヨナラメッセージでもあった、
ナチスの全権委任法にも匹敵する緊急事態条項についてです。

★引用元のブログのタイトルは「今回ばかりは選挙に行ってください!そして野党に入れてください!日本を諦めないでください!」http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/4c37de0b01049a8afa0c52e722d25124
わかりやすい写真をお借りします:


内田樹さんがリツイート


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 18時間18時間前

既に多くの人が指摘しているように、与党改憲案は単に「条文の内容を変更」しているだけでなく、憲法が権力の暴走を抑制・阻止するという、近代立憲主義憲法観そのものを否定する内容になっているしかしテレビや大手紙は、参院選間近になってもなお、その重要な点にほとんど触れずに済ませている