「京都市芸大、タテカン展示」「是枝監督カンヌで最優秀賞」と韓国映画「タクシー運転手」


●撤去された京大のタテカンを『文化的表現の一つ』として、京都市芸術大学の学生たちがギャラリーで展示をします。景観を壊すとして取り締まる市や大学当局の考え方は、大人げなくて無粋で心が狭く、表現の自由に反しますね。

内田樹さんがリツイート

なかのとおる
‏@handainakano 5月20日

おもろいなぁ。鷲田先生の京都市立芸大っちゅうのは、まっとうな大学やなぁ。

京大立て看板:「価値のある景観の一つ」市立芸大で展示へ
毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20180519/k00/00m/040/112000c


 京都大の吉田キャンパス京都市左京区)周囲で設置してきた立て看板を大学が市の景観政策に従って撤去し、学生らが反発している問題を巡り、立て看板を「価値のある景観の一つ」と評価する展示会「Re/Place(リプレイス)」が19、20の両日、京都市立芸術大(同市西京区大枝沓掛町)のギャラリーで開かれる。企画した芸大生らは「京大生らの手で年月をかけ、継承されてきた記憶装置で文化的表現だ」と主張している。
・午前10時〜午後6時で入場無料。問い合わせは小野川さん(090・2285・6814)

●日大アメフト監督の大阪空港での記者会見の様子を見ましたが、読売新聞によると、内田監督は大学名を間違って「関西(かんさい)学院大学と言っていたそうです。対戦相手だし、1回や2回じゃないはずですし、マズいですね。関西にいても知らないと読めないので、「関学と関大」のおさらいです。
阪急電車で宝塚あるいは西宮北口から今津線に乗り換えて仁川(駅)で降りるのが「関学=関西(かんせい)学院大学」。大阪吹田市にある「関大=関西(かんさい)大学」は、阪急の千里線(淡路まで京都線)の終点北千里駅の手前の関大前で降ります。フィギュアスケート高橋大輔織田信成宮原知子選手の母校です。宮原さんはまだ現役大学生かな。

内田樹さんがリツイート

新川貴詩
‏@shinkawa_takash 5月19日

ニュースで日大アメフト部監督の記者会見を見る。関西学院大学のことを「かんさい」と読んでいて、ほんま無礼だと思った。でも、無知は罪じゃない。問題なのは、この監督が最大のライバル校の名を長い間ずっと間違えていたにもかからず、周囲の誰もが進言できなったことだ。

●カンヌで是枝監督の「万引き家族」がパルムドール賞を受賞。アベノミクスの成果?は貧困だった。是枝監督といえば、柳楽優弥さんの「誰も知らない」を見て以来、「そして父になる」「海街diary」とずっと観ていて、それぞれに印象は異なるもののいろんなシーンが蘇るいい映画でした。

内田樹
@levinassien 5月20日

おお「万引き家族」が。おめでとうございます。僕、パンフレットに寄稿させて頂きました〜。
内田樹さんが追加

光嶋裕介
@yusuke_koshima 5月20日
おお、
是枝監督がパルムドールを!
おめでとうございます!!!
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180520/k10011445651000.html

カンヌ映画祭で最優秀賞に是枝裕和監督の「万引き家族5月20日

 
パルムドールを受賞した是枝監督は、「対立してる人と人、世界と世界を、映画はつなぐ力があると感じます。今回みなさんにいただいた勇気と希望を、この場にいない日本に戻ったスタッフや参加できなかった監督、それに将来の若い映画の作り手と分かち合いたい」と、受賞の喜びを語りました。


・また、受賞作品を通じて何を伝えたいかという質問には「ふだんなら犯罪者として切り捨ててしまうような、私たちがあまり考えないような人たちを題材にすることで、きれい事だけではない社会の側面を照らし出してみたいと思います」と答えました。


・是枝監督は、この作品の製作のいきさつについて「2、3年くらい前に、亡くなった母親の死亡通知を出さずに残された家族が年金をもらい続けながら暮らしていたという事件があって、犯罪でつながっている家族をやってみたいと思いました」と説明しています。


・是枝監督の「万引き家族最優秀賞に選んだ理由について、審査員長でハリウッド女優のケイト・ブランシェットさんは記者会見で、「最優秀賞にはすべての要素が欠かせない。難しい決断だったが是枝監督の作品はすばらしい映画だった」と高く評価しました。
また、審査員の1人は「私たち全員が恋に落ちたと思う。多くの映画が印象的だったし長い長い議論があったが、是枝監督の仕事には深さや洗練さがあり、それが映画の美しさにつながった」と絶賛していました。


受賞作品について、ロイター通信は、「家族の人生や驚くべきどんでん返しを繊細に描いている」と表現し、AP通信は、「貧しく、先の見えない家族の姿を丁寧に表現している」と伝えるなど、家族のきずなや人間模様を鋭く描いた作品だと評価して紹介しています。また、是枝監督について、イギリスの有力紙ガーディアンは、「心温まる人間模様を描く監督」と紹介しています。


●映画といえば、光州事件を描いた韓国映画「タクシー転手」が話題です。韓国でも著作がベストセラーになっている内田樹氏も大絶賛:

内田樹
@levinassien
・神戸まで出て「タクシー運転手」を観てきました。平日の午後なので、お客さんは10人くらいでした。町山さんの言う通り、寅さんテイストの人情喜劇に始まって、シリアス政治ドラマになり、パニック映画になって、最後は『マッドマックス』になるというヘビー級の名画でした。


ソン・ガンホはもう何を演じても「生まれてからずっとその人」にしか見えないという神がかり的俳優ですが、光州のタクシー運転手(ユ・ヘジン)と軟派大学生(リュ・ジュンヨル)がすばらしかったです。最初は頼りなげなのがだんだんかっこよくなってゆくプロセスに実に説得力がありました


・それにしても「こういう映画」を作れる韓国の市民社会の成熟には胸を衝かれましたわずかの間に、日本は市民社会の成熟度で韓国に大きく後れを取りましたその事実にほとんどの日本人がまだ気づいていないということそのものが「後れ」の病態なのですが。

●なかなか映画を見る時間が作れない今、「特別な1日」さんの映画評は、読んだだけで映画を観た気になれます。5月7日の映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20180507/1525682079)が素晴らしい!!(↑日本語と↓韓国語の二枚のポスターの写真もお借りしました)


1980年 韓国では軍事独裁政権が成立、夜間外出もままならない戒厳令が敷かれていました。もちろん新聞やテレビは政府の意のままに操られている。20万人もの学生や市民が立ち上がった光州では軍隊により道路も鉄道も電話線も封鎖され、何が起きているかは韓国民にも外国にも全く知らされませんでしたこの映画の主人公であるドイツ人記者がタクシーで潜入して虐殺を報道するまでは、200人以上の死者、3000人以上の負傷者が発生したこの光州事件は闇に隠されていました。虐殺を政府が隠したというのはアウシュビッツを思い出させます。


この映画は、そのドイツ人記者とタクシー運転手、この二人の実話を脚色したフィクションです。韓国では2017年に公開されて、観客1000万人以上を動員するNO1ヒットを記録しました。東京では単館上映で始まりましたが、連日満員が続き、上映館が追加になるヒットとなっています。
●主な登場人物が笑いながら並んでいる韓国版のポスターはこの作品の内容をよく表しています。左から光州のタクシー運転手、主人公のマンソプ、ドイツ人記者、光州の大学生。

PS:町山氏のツィートから、日本の経済不況について語る是枝監督のインタビュー記事を:

内田樹さんがリツイート

町山智浩
@TomoMachi 5月21日

万引き家族是枝裕和監督インタビュー「(日本は)多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ」 http://japanese.joins.com/article/462/241462.html

「日本では今も家族は『血縁』というイメージが固定化されている。特に、2011年大地震以降、このような家族の絆を大げさに強調する雰囲気について疑問を感じていた。国際的な状況もある。カンヌで会った多くの人々が、私に『私は里子なんだ』『私には養子がいる』と打ち明ける」


−−主人公は社会のセーフティネットから疎外されている。


「日本は経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している。映画の中の家族がその代表的な例だ」


−−経済不況が日本をどのように変えたか。


「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」