日本よりトルコへ「あなたを心配する手紙」(民衆の勝利)

先週の「特別な1日」さんのブログでも原発関連の良いニュースの一つとして紹介されていたのが三菱重工のトルコでの原発建設断念のニュースでした。
4日の日経電子版を少し引用です:(「特別な1日」さんからプラカードの写真をお借りして)

トルコ原発、建設断念へ 三菱重工など官民連合
2018/12/4 2:27
日本経済新聞 電子版


政府や三菱重工業などの官民連合がトルコの原子力発電所の建設計画を断念する方向で最終調整に入った。建設費が当初想定の2倍近くに膨らみ、トルコ側と条件面で折り合えなかった。トルコでの原発新設は日本政府のインフラ輸出戦略の目玉の一つ。国内で原発の新設計画が見通せないなか、日本は原発戦略の立て直しを迫られる。

◎「ウィンザー通信」(https://blog.goo.ne.jp/mayumilehr)さんでは、原発反対について守田敏也氏のブログ「明日にむけて」をフォローして紹介されていますが、今回は、トルコに原発建設を断念させた『民衆の力』を紹介しておられます。
日経には断念した理由は建設費が当初想定の2倍に膨らんだからとなっていますが、それだけでなかったというか、建設費の想定が2倍になった理由と現地での反対運動と日本のかかわりについても紹介されています。ぜひ全文をブログを訪ねて読んでみてください。
ここでは日本の一人の青年(丹下紘希さん)がトルコに日本の原発が建設されることに責任を感じて映像による手紙を届けていました。その手紙をウィンザーさんが写真を添えて文字起しされました。コピーさせていただきます:

あなたを心配する手紙 / Dir TANGE KOUKI NOddIN
https://vimeo.com/92443743


トルコの人へ


こんにちは わたしは日本人です。


わたしは今、「トルコの人たちのことを心配している」と伝えたくて、トルコ語を教えてもらいました。



日本の首相は、トルコに原発を売りました。
そのことをとても恥ずかしく思っている日本人はたくさんいます。
なぜなら、私たちの国は、2年半前に、福島の原発事故を経験したからです。


私は、フクシマの原発20キロ圏内の街を訪れました。


事故があった街は、2年半経ってもあの日のままです。



今でも、事故のあった原発の中がどうなっているか、危険すぎて誰も確認できていません。


そして毎日、300トンもの放射能汚染水が、海に流れ出ています。



汚れた大地を大量に削り取っても、そのゴミの処分は決まっていません。


原発の使用済み燃料は、10万年管理をし続けなくてはいけない、大変危険な物質です。


もしも、未来に、私たちが売った原発が、あなたの国で事故を起こしたら、一体どんなことが起きるか?
想像すると、私たちはとても恐ろしい。
日本人として、謝っても謝りきれない。


私はトルコの人たちを、とても心配しています。
私たちは、あなたと、あなたの国の未来を心配しています。


原発はエネルギーですが、同時に、とても大きなお金を生み出すシステムでもあります。



日本がそうであるように、その利権によって、人々は判断を間違い、意見が分かれます。
同じ国の中で、同じトルコ人同士、争うことになるかもしれないのです。


原発はもはや、安全ではありません。


日本は経済のために、未来を犠牲にしてしまった国です。


決して誰も信用しないでください。

原発があることに慣れないでください。

いつまでも見守り、注意し続けることが重要です。


わたしはトルコをバスで旅をしたこともあります。
とても美しい国だと感じました。
未来に、その美しさを失うことのないよう祈ります。


トルコの人へ、その未来の子供たちへ


日本より愛を込めて

◎「ウィンザー通信」さんの5日のブログの書き出し部分です。ぜひ全文をこちら(↓)で:

守田敏也氏「日本政府と三菱重工が、トルコへの原発輸出を断念した!トルコの民衆、支えた人々の勝利だ!」
★★★https://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/b70e8354e28c1fc7c8456b78d9825ac9


守田さんから、とても嬉しいニュースが送られてきました。
守田さんもすごく嬉しそうです。
そりゃそうでしょう。
守田さんは2014年の初春に、原発反対運動をしている人々からの講演の依頼でトルコに向かい、その後これまでの間に計4回、トルコに渡っては講演をし、「日本の安倍首相は大嘘つきです。決して信用しないでください」と、繰り返し伝えてきました


原発拒否運動をしているトルコの人々と、彼らの運動を支え真実を伝え続けてきた守田さんとの間には、強い信頼が存在しています。


原発反対運動は生半可な気持ちではできません。
権力と金にモノを言わせて、人々の暮らしや健康を害することを承知で、自分たちの利潤を追求するような輩たちが相手なのですから。
トルコの人々も、これまでに何度も、心身ともに傷つけられてきました。
それでもあきらめずに、大きな権力に立ち向かってきた強い意志と行動力に、わたしは心からの敬意を払いたいと思います。


守田さんのブログ記事は、こちら↓↓↓でお読みください。


【勝利宣言】
政府と三菱重工がトルコへの原発輸出を断念しました!わたしたち民衆の勝ちです!
【明日に向けて・守田敏也氏のブログ】2018年12月4日
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/aad9d956266215d6e4640bd977933871

◆守田氏のブログで全文を、あるいはウィンザーさんが引用されている記事を読んでいただきたいのですが、一部を引用してみますと、こういうことです:(太色字by蛙)

・・・・・
断念の最大の理由は、「建設費が五兆円と当初想定の二倍にのぼる見込み」となったこと。
採算がまったく合わなくなったことにありますが、理由は、安全対策のための建設費が高騰したこと。


ではなぜ、安全対策が強化されたかといえば、
原発の危険性に目覚めた私たち日本民衆をはじめ、世界各地で民衆が起ちあがり、運転や建設の中止を求める声を高めたからです。


原発路線をひた走る各国政府は、「安全対策」を強化することで批判をかわそうとしたわけですが、
そのために莫大な費用がかかってしまい、それでもう採算が合わなくなってしまったのです


だから、この勝利は、私たち民衆がつかみとったものです!


このことで、トルコと日本の信頼関係が守れたことも強調したいです!


僕はこれまで、トルコに4回招かれ、各地で講演させていただきましたが、そのたびに感じたのは、トルコの方たちの日本に寄せてくださっている篤い信頼でした。トルコでは、「エルトゥールル号遭難事件」が広く知られています。(省略)こうしたことからも、また、日本が原爆を落とされながら平和国家として再建してきたことからも、トルコの方たちの日本への信頼感は、とても篤いものがあります。


だから、トルコで奮闘している人々に招かれた僕の役割は、「日本の安倍首相は大嘘つきです。決して信用しないでください」と繰り返すことでした


そんな中で、トルコの方たちが、日本の原発を断固拒否し、さまざまな行動を重ねてくれて中止にいたったわけですが、
僕はこれで、かえって、トルコからの日本への信頼が守れた、とも思っています。
原発が事故を起こし、トルコの人々を傷つけ、長年に亘る友情も失ってしまう危険性が遠のいたからです。(後略)