茨木のり子「木の実」と「首相の卑怯な責任転嫁」と「イチロー4度目の辞退か」

2日に茨木のり子さんの詩を取り上げました。平和憲法に関する「それを選んだ」と昭和天皇の戦争責任を問う「四海波静」。後者は、「1975年(昭和50年)、天皇が訪米を前にした記者会見で戦争責任を問われ質問に対して答えたことに対する痛烈な批判 」となっています。茨木のり子さんご自身は、敗戦時、19歳。それまでは軍国少女、それもかなり優秀な軍国少女だったそうです。だからこその「倚りかからず」の詩、それも73歳の時の詩となったのでしょう。戦争の詩は私も今回初めてでしたので、もう一つ、ご紹介です。未完の詩だということですが:

  木の実

 

高い梢に

青い大きな果実が ひとつ

現地の若者は するする登り

手を伸ばそうとして転がり落ちた

木の実と見えたのは

苔むした一個の髑髏である

 

ミンダナオ島

二十六年の歳月

ジャングルのちっぽけな木の枝は

戦死した日本兵のどくろを

はずみで ちょいと引掛けて

それが眼窩であったか 鼻孔であったかはしらず

若く逞しい一本の木に

ぐんぐん成長していったのだ

 

生前

この頭を

かけがえなく いとおしいものとして

掻抱いたおんなが きっと居たに違いない

 

小さな顳顬(こめかみ)のひよめきを

じっと視ていたのはどんな母

この髪に指をからませて

やさしく引き寄せたのは どんな女(ひと)

もし それが 私だったら……

 

絶句し そのまま一年の歳月は流れた

ふたたび草稿をとり出して

嵌めるべき終行 見出せず

さらに幾年かが 逝く

 

もし それが わたしだったら

に続く一行を 遂に立たせられないまま

 ◎今日、午前中はヨーガでした。始まる前の雑談で、日本の教育がダメだという話になり、おひとりの方が身近に成績優秀で有名大学に入学、良い企業に就職もできたのに、何があったのか今は引きこもりという実例を出され、教育のそもそもの目的は自立のはずなのにと先生が。そこで、先日の「特別な1日」さんで知った話を。大学の入学式で7割が親同伴だという話を。結局、日本の親は子の自立を望んでいないのでは・・・経済格差が教育の機会を奪っているようでは優秀な人材が世に出る機会をつぶしているのと同じ、日本がダメになっていくよね~という話になりました。今でも手遅れ気味、早く対策が必要なのに、政治家のトップがこんなでは・・・

内田樹 @levinassien 12月4日

まずはAERAの原稿。今回も「桜を見る会」の話。編集部が「もうこの話題で書くのは止めてください」といっても書き続けるつもりです。この事件には「日本の欠陥」の多くが集約されています。もちろん、社会に欠陥があるのは当たり前のことです。完璧な社会なんかどこにもありません。

でも、その欠陥を直視し、病態を精査し、診断を下し、治療を始めないと、社会全体が壊死し始める治療を始めずに、ぼんやりと身体が傷つき、腐ってゆくのを放置するのなら、それはほとんど自殺です。でも、いまの日本社会はそういうプロセスにもう踏み込んでいる。

 

内田樹さんがリツイート

志位和夫 @shiikazuo 12月4日

「安倍首相、名簿のシュレッダー処理『担当は障害者雇用の職員』と答弁 批判相次ぐ」

最低・最悪の言い訳だマルチ商法の悪徳業者については「個人情報」を盾に隠しておいて、自分の言い訳のためには個人情報を平気で出してまで障害者を盾に使う。許せない。

▲布施祐仁 @yujinfuse 12月4日

これは酷い。あたかも担当者が障害者だったから文書を廃棄してしまったかのように聞こえる。規則に従って予定通り廃棄したのではなかったのか?人権意識の欠如と担当者に責任を押し付けようとする卑怯さが露骨に表れた発言だ

イチローさんの 国民栄誉賞辞退の真意がわかりませんが、ここまで徹底しているのは凄いことですね。名誉なことだし受け取り拒否にいい顔もされないだろうから、どこかで『事荒立てるより、もらっときゃ、いいか』になりそうですが:

内田樹さんがリツイート
きづのぶお @jucnag 
イチロー凄いわ現役を引退したタイミングでオリックス社長と三井住友銀行頭取のスペシャルゲストという待遇で首相官邸に招待されたのに、この4回目の打診を固辞しかも新聞に掲載される『首相動静』には本名の“鈴木一朗”の表記を依頼。政治利用を完全に拒否るスタイル。