◆山崎雅弘氏のツィッターで津田大介氏がキネマ旬報のレビューを紹介するツィートを紹介しておられます。3人の映画評論家が☆1つをつけています。
津田氏のコメントは、「Fukushima50、キネマ旬報のレビューは3人の評者がすべて5点満点中1点を付けたのか。ある意味で最高の宣伝になってる」ですが、これは勘違いのようです。☆は加点の意味ではなくて、それぞれ個数によってレビューの意味が違います。☆1つは加点1ではありません。まずツィッターの紹介を:
山崎 雅弘さんがリツイート
津田大介 @tsuda 3月9日
Fukushima50、キネマ旬報のレビューは3人の評者がすべて5点満点中1点を付けたのか。ある意味で最高の宣伝になってる。
キネ旬 Review ~キネマ旬報映画レビュアーによる新作映画20本のレビューキネマ旬報で好評連載。レビュアーたちの新作映画20本、徹底批評。何をおいても必見、満点の5つ星を獲得する新作はどれだ!?
◎キネマ旬報と言えば私にとっては本当に懐かしい映画雑誌です。神戸の阪急六甲と国鉄六甲道駅の阪急寄りの商店街のアーケード横の大きな日本建築のお屋敷の離れに一家四人で3年半ほど仮住まいしていたことがあります。上の子が幼稚園から小学1年の秋までのことです。ベトナムから米軍が追い出されたニュースや、田中角栄氏が国会でロッキード事件で問い詰められる中継をラジオで聞きながら幼稚園の送迎をしていた頃です。
映画に行けない時期、夫が毎月取っていたキネマ旬報が私にとっての映画の窓でした。シナリオが掲載されていたので、それを読んで一本観たような気になったりしたのもこのキネ旬のおかげでした。あの頃の映画評論家の方たちも,もう故人になられた方が多いです。思い出話はこの辺で。その信頼するキネマ旬報誌が、『問題作 ?』の「Fukushima50」をどう評価しているか?
◎津田氏はがっかりされているようですが・・・・読んでみると,さすがキネ旬!です。三人の評論家が揃って『おススメしない』になっています。
◆キネ旬の★の意味を移しておきます:
★★★★★ 何をおいても必見
★★★★… オススメ!
★★★……… 一見の価値あり
★★………… 悪くないけど
★……………… 私は薦めない
◆興味のある方は是非キネ旬のホームページで三人のレビュー全文を読んでみてください。ここでは一部を引用です:
川口敦子
1)見るうちに無能な上官に翻弄されつつ自己犠牲の精神を発揮する部下を前線に送り出す板挟みの存在の悲憤を描く戦争大作めいてきて、しかも結局、責任の所在をうやむやにしたまま満開の桜に涙する、まさに戦後日本への道をなぞり、迷いなく美化するような展開に呆然とした。
2)豪華俳優陣が見せるやりすぎなほど統率された迫真のうちに、この作品は検証や哀悼や連帯ではなく、動揺や怒りや対立を呼びおこす。
3)政治的意図とヒューマニズム、どちらも安手の二つが手を組んでいる。二〇一四年までの話で、「自然を甘く見ていた」というだけの結論。何を隠蔽したいのか。若松監督、承知の上の職人仕事か。知るべきことがここにあるとする人もいようが、二〇二〇年に見るべき作品にはなっていないと私は考える。
◆「Fukushima50」には原作があります。その原作者が言うには『東京オリパラは国の威信をかけて開催しなければならない』『足を引っ張る連中をモノともせず、進め、日本!』とか?:
▼山崎 雅弘 @mas__yamazaki 3月7日
映画「Fukushima50」の原作者は「ノンフィクション作家」の門田隆将氏だが、同氏の最近のツイートを見れば、彼がどんな政治的スタンスで物事を捉えているのかよくわかる。
「桜を見る会」の問題点は「参加者が1万8千人にまでなったことだけ」で、それすら「謝罪と見直し」をしたから問題ないという。
山崎 雅弘さんがリツイート
▼Kazuo Uozumi @forthman 3月10日
オリンピックは、世界中のアスリートとスポーツを愛する人たちのためのもので、国の「威信」は関係ないですね。#五輪憲章、「オリンピズムの根本原則」をよく読みましょう。
引用ツイート
門田隆将 @KadotaRyusho 3月9日
日本の闘いの目標はいよいよ東京オリパラ開催に。威信にかけて開催しなければならない。中国からの入国禁止措置が遅れた事を致命傷にしてはならない。昭和15年に中止になった東京五輪の二の舞は許されない。1~3月期のGDP速報値は悲惨なものになる。だが足を引っ張る連中をモノともせず、進め、日本。
時事ドットコム(時事通信ニュース)
@jijicom
【速報】
昨年10~12月期の実質GDP改定値は年7.1%減に下方修正された
https://twitter.com/jijicom/status/1236803139392552960…
▼蓮池透 @1955Toru 3月7日
吉田所長は、2号機格納容器の圧力上昇になすすべなく、神に祈ったという。幸運にも爆発はなかったが、FUKUSHIMA50のおかげではない。
引用ツイート
辻村ちひろ @chi3deyansu 3月7日
映画「Fukushima50」なぜ、原発映画なのに多額の製作費が集まり、豪華キャストを実現できたのか?=東電を賞賛する作品だから!
◆以下も山崎雅弘氏のツィッターからです:
▼小田嶋隆 @tako_ashi 3月7日
福島の原発事故を描写する際に、現場で戦った人間を英雄視することで、東電という組織ならびに原発というシステム自体が内包していた根本的な問題点を看過させてしまう手法は、先の大戦を語るに当たって英霊を称揚することで、国の戦争責任から目を逸らさせる手口とまったく同じだと思う。
▼町山智浩 @TomoMachi 3月7日
当時の菅総理が福島第一原発に乗り込んだことでベントが遅れたというのは、当時野党だった自民党が流したデマだが、それをそのまま描いている。当時、東電は官邸に情報を上げず、そのことで総理は苛立ち、現場に乗り込んだ。その辺の背景も描かれていない。
▼平野啓一郎 @hiranok 3月7日
僕はこの映画は見てないし、見ませんが、見る人は事前に読んだ方がいいレビューでしょう。その上で、個々の映画の評価はあるでしょうが。 / 映画『Fukushima 50』はなぜこんな「事実の加工」をしたのか? (現代ビジネス[講談社] | 最新記事) #NewsPicks