「どう見る、日米関係」より

このところ恐ろしい事件が毎日のように報道され、食事時前後のニュースは消してしまうことにしています。
見たくもない、聞きたくもない、想像したくもない、と思うような事件がどうしてこうも続くのでしょう?
昨夜はたまたま一寝入りして雨音に起こされ、白湯を飲みがてら12時過ぎたところだったのでテレビをつけました。
NHKで丁度、新幹線で移送された市橋容疑者を乗せた車が千葉県の警察所に到着するところを中継していました。
両親の会見も見ました。2年7か月の逃亡の末の逮捕。大阪に潜伏、整形後の写真公開以後、追い詰められてか、沖縄に行こうとしているところを捕まったそうです。両親とも医者で、真面目に仕事をしていればそれなりの人生だったろうに、どうして?と思いますが、これから色々わかってくるのでしょう。
この間、政治の方は民主党が政権をとってからそろそろ2ヶ月、いろいろ言われていますが、まだ2ヶ月、今は静観、静観と言い聞かせているところです。
ところで、数日前の新聞(日経)で日米関係の見方について2人の記事を切り抜いています。

一人は米ハーバード大教授ジョセフ・ナイ氏(1937年生)、オバマ政権の駐日大使にこの方がなるのでは、と噂されたこともあり、「スマートパワー(ハードの軍事力と文化などのソフトを組み合わせた新しい外交力)」の行使を提唱し、オバマ政権の協調外交の理論的支柱となっている。

「今の鳩山内閣の発足後のごたごたは政権交代があれば当然で心配ない。上り坂の中国、先行き不透明な北朝鮮への対応などの共通利益の上に日米安保はなりたっている。中国が国内総生産(GDP)で日本を追い抜いても、一人当たりGDPや経済の高度化という面で中国は日本に及ばないし、民主国家という意味でも米国の仲間としての存在は価値は変わらない。
来年は現行の安保体制50年を迎える。これまでうまくいっていたことを再確認するのが賢いやり方で、そのためにも新しい宣言がなされるのを期待する。日米がグローバルな課題で連携していくことを確認するのがよい。また、日本がアフガニスタン復興に最大50億㌦を出すのはインド洋での給油活動中止や普天間問題先送りの代替として妥当ではないか・・・」

もう一人は中国人民大米国研究センター長の時殷弘(じ・いんこう)氏(1951年生)、国際政治、国際戦略研究の第1人者。
「日本は外交面で何でも米国に従ってきた。新政権は少し自己主張を始め、米国は日本を疑い出した。しかし、自主性の拡大は日本の有権者の意志と民族的な尊厳に合っている。 鳩山政権は日米同盟が日本外交の柱だと繰り返している。これは彼らの本音であり、米国は心配しすぎだ。民主党政権自民党に比べて中国との友好関係を重視しているので、鳩山政権の動揺は中国にとって望ましくない。
鳩山政権がしっかり対応すれば米国は日本の主張を受け入れるとおもう。ドイツや英国も米国にモノを言っている。これは正常なことであり、米国も日本を頼りにしている以上、受け入れると思う。今の日米のきしみには、米国の超大国意識が反映している。日本には大国意識が不足している。米国は日本を平等視していない。自民党の小泉、安倍政権時代に同じようなことが起きたら、自主防衛強化を疑っただろうが、今の民主党を疑う必要はない。」

こちらは、日米関係の基本は、「日本が日米同盟を崩せるはずがない。戦後の日米同盟の結成は重要な出来事だった。それを揺るがすものは世界のどこにもない」としつつ、鳩山政権の日本が米国に自己主張することは歓迎しています。

米中ともにそれぞれの立場で日本の鳩山政権を見ているのですから、
額面通り受け取ってはいけないのでしょうね〜   


さて、オバマ大統領の来日の日程変更の原因ともなった事件ですが、7日、米テキサス州中部フォートフッド米陸軍基地で軍医の銃乱射で13人が死亡しました。11日にはオバマ大統領は追悼式に参加しました。
事件を起こしたのは陸軍少佐ニダル・マリク・ハサン氏(39)、ヨルダン系米国人でイスラム教徒。イラク、アフガン戦争には反対していたそうで、近くアフガニスタンに行かされることを悩んでいたとも伝えられています。

軍医の名前を聞いた時点で「大変だな〜アメリカも」と思いました。多民族、多人種の国の大変さです。オバマ大統領はイラクは撤退したものの就任当初からアフガニスタンは増派でした。
アフガニスタンで医療とともに農業でも現地人に交じって支援しているペシャワール会の会報には、戦争を続行、拡大している張本人がなぜノーベル平和賞がもらえるのか?と手厳しい批判が載っていました。

沖縄の基地の問題で昨日はNHKのクローズアップ現代で岡田外務大臣は「当面の具体的な問題を解決していくことを通してしか日米関係の構築はあり得ない」という言い方をされていました。
「沖縄の基地を無くしてしまえるのなら簡単ですが、日本の安全保障上、沖縄の基地が無くてもよいという考えではないので、ここはどういう解決が一番良いのか考えていかなければ・・・」というお話で、大変だな〜と

それぞれの立場によって考え方は違いますし、利害は一致しないし、それをまとめて一つにすることの困難は想像を絶する難事業に思えます。
かといって、アメリカの要求通りにしていればいいんだ、ということになれば逆戻りですし。そのアメリカ自身、イラクについでアフガンでももうすでにベトナム化が心配されています。
アメリカもブッシュの後始末に四苦八苦です。日本は長期に渡る一党支配の後始末に四苦八苦。
ともに新しい日米関係の一歩前進の産みの苦しみの真っ只中に、今、あるのかも。
後戻りだけは、もう、ゴメン