◎「shuueiのメモ」(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/)さんが、琉球新聞の社説を取り上げておられます。13日金曜日のパリの同時多発テロに際して安倍首相が「フランスと共にある」と言った言葉は、沖縄の人たちからすると、日本の同胞たる沖縄にこそ使ってほしかった言葉であったはずです。しかし、沖縄に対しては冷たい仕打ちが続きます。ところで、普天間基地の解決に、「辺野古が唯一」という言葉を繰り返す安倍首相ですが、本当にそうなのだろうか・・・
琉球新聞社説では、アメリカのオバマ大統領はじめ政府関係者の言い方は慎重に「唯一」を避けているとのこと、また、天木直人氏は、朝日新聞の社説を引用して、「辺野古移設は『第三の道』を探るべき」、「来年11月に選ばれる米国の次期大統領が、違う選択肢を探る可能性もある」と紹介しています。
「安倍首相がアメリカにハシゴを外される可能性」が現実のものとなる日が来るのでしょうか。今年、翁長知事はアメリカや国連(スイス)でも沖縄の現状を訴えています。日本では、大きく取り上げられることはなく、むしろ冷ややかでしたが、ひょっとすると、国際世論に敏感なアメリカの方が動きが速い可能性はありますね。2つの記事をコピーします:
<社説>日米首脳会談 「沖縄とは共にない」首相
2015年11月21日 06:02 琉球新報
「フランスと共にある」が、「沖縄とは共にない」のが今の日本政府、安倍晋三首相である。安倍首相は19日、オバマ米大統領と会談し、米軍普天間飛行場の辺野古移設について「唯一の解決策だ。確固たる決意で進める」と述べた。そのわずか2日前、政府は辺野古新基地をめぐり翁長雄志知事を提訴し、県民から猛反発を受けたばかりだ。沖縄の反発など物の数ではないと言わんばかりの、民意を真っ向から踏みにじる発言である。
その2日前にはパリの同時多発テロを受け、首相は即座に「日本はフランスと共にある」と述べた。沖縄とフランス、それぞれに示した姿勢の落差は歴然としている。
この落差は今に始まったことではない。オスプレイの暫定配備先として候補に挙げた佐賀では、住民の反対であっさり撤回した。全自治体の反対決議を無視して強行された沖縄への恒久配備とはあまりに対照的だ。露骨な二重基準は、やはり差別と言うほかない。
注意したいのはオバマ氏の言動だ。首相の発言に対し、オバマ氏は「感謝したい。米軍も嘉手納より南の基地返還に取り組む」と述べただけである。[唯一」という発言に同意してはいないのだ。
事実、日本の安全保障政策に多大な影響力を行使してきたアーミテージ元米国務副長官もナイ元米国防次官補も辺野古新基地に疑問を呈している。モンデール元駐日米国大使も「(普天間代替基地の場所について)われわれは沖縄だとは言っていない」と明言した。「辺野古が唯一」だなどと言っているのは日本政府だけなのである。
首相は、大統領との会談であえて「唯一」を持ち出すことで、さも他に選択肢がないかのように国民に印象付けたかったのだろう。そんな子どもだましの印象操作は国民を愚弄(ぐろう)するに等しい。
それにしても、首相の外交は勘所を外しているように見える。米との会談では南シナ海への自衛隊派遣の検討まで持ち出したが、肝心の東南アジア諸国を交えたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で南シナ海への言及はなかった。対中国包囲網を形成したいという首相の思惑は不発に終わっている。
国民の同意も全く欠いたまま、日本に何の関係もない地域への軍の派遣まで持ち出すとは何事か。安倍氏の独り善がりの外交は日本にとって危険なだけだ。
(引用元:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20151123/1448211435)
◎つづいて、「天木直人のブログ」(http://new-party-9.net/archives/2949)さんから:
11月18日の朝日新聞は、安倍政権が翁長知事を提訴した事を受けて、「第三の道を探るとき」と題する大きな社説を掲げた。 安倍政権と翁長沖縄県が法廷闘争に入ったことに対する危機感の表れだ。
その要旨はひとことでいえばこうだ。
この二者択一を超えた第三の選択肢を探る時だ。
それは、日米の安全保障を損ねない形で沖縄県外への基地機能移転を具体化することだ。
これが可能な事は、既に米国要人も認めている。
日本が決めれば決まる。
いまこそ日米の政治の構想力と実行力が問われていると。
実は、この朝日の社説が書いていることこそ、行き詰まった辺野古移設の唯一、最善の解決策なのである。
ならば、なぜ朝日新聞はこれが実現するように、社を上げてメディアキャンペーンを張らないのか。
米国のメディアと協力して、日米メディアでキャンペーンを張れば、その影響は絶大に違いない。
米国世論は動き、それにともなって米国議会が動き、そして米国政府は動かざるを得ない。
しかも朝日新聞はその社説ではっきり認めているのだ。
「来年11月に選ばれる米国の次期大統領が、違う選択肢を探る可能性もある」と。
安倍政権は梯子を外される事になるかもしれないと言っているのだ。
繰り返して問う。
ならばどうして朝日新聞はメディアキャンペーンを行わないのか。
ひょっとして朝日新聞は、ここまで書いても、言う事を聞かない安倍首相と外務省に、それみたことかと赤っ恥を開かせたいのかもしれない。
なぜならば、翁長知事の沖縄は、それを知っているからこそ辺野古反対を譲らないのだ。
その沖縄を見て、早晩米国も、辺野古移設をあきらめざるを得なくなる。
わざわざ、メディアキャンペーンを張らなくても、米国のメディアが書き出す。
これは朝日新聞の安倍政権と外務官僚に対する警告に違いない。
そう思って私はこの社説を読んだのである(了)
(写真は芦原公園の芦原池東側小道から、中幼稚園西側の芦原を見て)