尖閣諸島問題(孫崎亨氏に聞く)

先ほどのお昼の番組(ABC)に孫崎亨氏が出演されました。

日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)

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孫崎氏は元外務省勤務で2002年から昨年まで防衛大学の教授。尖閣諸島の今回の問題でどんな発言をされるか期待して聞いていました。
孫崎氏はまず最初の日本の政府のこの問題の捉え方に問題ありだと。

尖閣諸島は日本の領土で国内法を適用して・・・」と言ってしまった事に問題があった。
8日のこの発言に対してどの新聞も問題なしとして追随の記事だった。
尖閣の問題は1972年の日中国交回復時にも問題となり、日本の実効支配を認めて領土問題としないという棚上げで両国が了承してきた問題。
それを、日本が「尖閣諸島は日本の領土」と言えば、中国も言わざるを得なくなったのが、今回の問題。
だから、日本は1972年の「棚上げ」に戻るべきで、中国に対しても、両国が合意したあの時点にもどるべきだと主張すべきだ。

なるほど〜。意外な視点でしたが、考えてみると筋が通っています。
追い払うのは分るけど、捕まえた事が問題では?と思っていましたが、日本の領土と言ってしまう事が問題だったとは。
「棚上げ」が外交上のテクニック?で「実効支配」という現実があるという「政治」の面白さ、というと不謹慎かもしれませんが、政治の「知恵」かもしれませんね。
ナショナリズムでお互いエスカレートして事を大きくするのではなくて、ここは日本人と中国人の知恵比べで、”四角いニカクがま〜るくおさめます〜”といって上手く丸めてほしいものです。喧嘩両成敗ではなくて、喧嘩にしないことが第一だということですね〜、大人ですね〜。でも、日本も中国も72年まで戻れるか・・・が大問題です。
国会でも与党野党の無意味な責任追求戦になりそうでイヤ〜な予感が…