冬の終わりと「ヒアアフター」

庭の隅に一重の椿が咲いていました。
ツバキ(椿)は漢字が示すとおり春を知らせる木です。そして、冬の終わりを告げるウインタークレマチス
「冬テッセン」の名の通り、花の盛りを過ぎて、雌しべを散らし始めています。

曇り日の今日は午後からクリント・イーストウッド監督の映画「ヒア アフター」を見に出かけました。
主演は「インビクタス」に続いてマット・ディモンとベルギー人のセシル・ドゥ・フランスと双子のイギリス人少年。
イーストウッド作品は毎回全く新しい映画! 80歳にしてこの挑戦的なバイタリティーに驚きます。製作にはスピルバーグが関わっていて、脚本をイーストウッドに送って了解、主演はマット・デイモンで、という流れだったようです。
 今回は霊能者のマットと、津波の被害にあったフランスの人気女性キャスター、そして双子の兄を亡くした弟の3人。それぞれが、死後の世界(ヒアアフター)の存在に関わり、生きるための死者との交わりを肯定する結末になります。
霊能力を持て余して「ギフト(才能)ではなくてカース(呪い)だ」と逃げ出すマットと、あとの二人が、それぞれロンドンで一つに結ばれるお話が本当に巧みです。挟まれるエピソードがどれも社会や時代の問題を含んでいてリアルでもあって。
出だしの津波のシーンは実写なのか、CGなのか、よくあんなシーンが映像化できる!と驚きます。
今年に入って3作目の映画でしたが、夫は見終わって、前作の「タウン」の迫力に比べると「まあ、まあ」という感想だったよう。
私は、どちらかと言えば、一寸、詩的な今日の映画の方が良かったです。双子の弟君には一寸泣かされましたし、映画の終わり方も「これで!?」という感じがなくはないですが、充分、納得できますし、幸福感も伝わってきます。
イーストウッド監督の次回作にはレオナルド・ディカプリオが主演だそうです。これもまた楽しみです。